ガラシャ
2022-09-20 21:05:25
5592文字
Public 白い結婚
 

籠の中の狂愛 参

これから狂愛が現れていけばいいなあ~。和也がソファで眠りこけるシーンって結構あるよな~原作でも。

 ――日が変わる頃、玲二の運転する車で和也は森島家に戻った。
「じゃあな、次はまた、頃合いを見て帰るから。それまで、仕事はこなすんだぞ?」
「ガキ扱いしてんじゃねえぞ」
 和也の台詞にむきになって言い返す玲二に深く口付けられる。 シートに押し付けられ激しく貪られると、堪らなくなる。手を伸ばして玲二の首に縋り、和也からも舌を絡めると玲二は満足したようだ。
「お前らしくねえ」
昼間ならばともかく、深夜では人の往来はない。それが和也を大胆にさせたのかもしれない。
「けど、悪かねえな」
 そういって和也の前髪をかき上げた。
 和也が車を降りるのを見届けると、車が発進した。車が小さくなり、和也は裏口に周り、敷地内に入る。本家の脇をすり抜け、離れの玄関を静かに開けた。
 帰宅は遅くなると高見家から連絡をいれてもらっていたが、玄関の明かりは付いていた。
 明人の配慮に驚きながらも、和也は電気を消し、暗い家内にはいる。
 和也は服を脱ぎ、居間の箪笥を開け寝巻きに着替えた。風呂は玲二と抱き合ったあとに高見家で済ませていた。
 戸締りを確認しこのまま寝てしまおうと思ったが、この時間ではもうすでに明人は寝入っているだろう。明日も仕事がある明人に遠慮し、寝室にいくのは憚られた。
 和也はその足で、玄関からもっとも近い部屋にはいる。そこは応接間兼書斎であった。
 離れで唯一の洋室である。
 仕事をするときや、本を読むときなど、和也は台所以外では日中のほとんどをこの書斎で過ごしていた。
 大きなソファもあり、和也はそこで居眠りをすることも多かった。
 和也は寝転がると、かけてあったブランケットに包まる。季節は温かくなってきているし一晩くらいなら風邪を引くことはないだろう。
 玲二の熱がまだ体の芯を支配している。チクリチクリと消えることのない疼きを感じながら和也は目を閉じた。

(あれ?)
 ――和也はふと違和を感じ、目を開けて、信じられないものを見たかのように瞠目した。
(どうして)
 目の前にあったのは、便宜上は和也の夫となる明人の端正な顏だった。和也の頭は明人の肩に乗せられ、完全に抱き込まれた状態だった。
 和也は書斎のソファで寝入ったはずなのに、なぜ寝室にいるのだろうか。
(とにかく起きないと)
 いつもの起きる時間よりは早いが、朝食を作らなくてはいけない。腰に添えられた手を退けようと身じろぐと、更に深く抱き込まれた。
「おはよう。起きたのかい?」
「お、おはようございます」
 思わず声を跳ねさせる和也に、明人は笑う。低く深く耳触りの良い声は、耳からだけではなく、胸元からも聞こえてくる。
「昨晩は遅かったようだな」
「はい、少し、片付けもしていたので
 高見家に置いてきた私物なども少し処分していたのだ。いつの間にか時間が経っており、慌てて帰ってきたというのが真相だった。
「気配はしたのに、いつまで経っても寝室に来ないからどうしたのかと思ったよ。探しに行ったら、書斎で眠っていた時は驚いた」
 そこで言葉を止め、明人が和也の目を覗き込んでくる。
「どうして書斎で眠っていたんだい?」
……それは、明人さんを起こさないように
 双眸の奥に炎が見え、戸惑いながら和也が告げると、明人は目を眇めた。
「どうしてそんなことをするんだ。お前は俺の妻なのだから、遠慮することはないだろう?
 ――どうやら、まだ自覚が足りないようだな」
 最後の呟きは和也の耳には届かなかった。だが、責められているように感じ、和也はそれ以上言葉を紡ぐことができなかった。
 押し黙った和也をみて、ようやく明人が手の力を緩めた。
「さあ、起きようか」
はい」
 先に起き上がった明人を見て、和也も起き上がる。ようやく離れた熱に安堵する。あんなにも近い距離では、いくら幼い頃から知っている仲とはいえ息が詰まってしまう。
 加えて、今まで見守るように和也を包んでくれた明人の、一人の男としての姿を垣間見てしまった。それは和也にとって思いがけないことだった。
 自分のことなど、幼い頃から知っている弟のような存在だと思っていたのに。便宜上とはいえ、夫婦になったら、やはり夫婦らしく過ごさなくてはいけないのだろうか。
 和也は背を向ける明人に気づかれぬよう、小さくため息を吐いた。

 ――洋風の作りが売りになっているホテルで、和也は高見家の親類にあたる久住高志と会食していた。他愛もないことを報告し合い、酒を飲み、おいしい食事を摂る。
「すっかり、新しい生活に慣れたようだな」
 高志とは同い年で、幼いころから忌憚なく話ができる人間だった。慣れ親しんだ高志を相手に和也も表情が緩む。
「まあ、流石に3カ月もたてばな。恙なくだな」
 森島家に籍を入れてからすでに3か月がたっていた。生活状況は何も変わることはなかったが、それなりに忙しない日々を送っていた。
「そうだろうな。その左手の指輪も、馴染んでるみたいだしな」
「まあ、これは」
 和也は自分の左手の薬指をちらりと見る。自分に不似合いと思っていたそれも、数か月たてば、見慣れたものになる。
――高見家に里帰りした一週間後、帰宅した明人に与えられたのだ。
 深い紅色の天鵞絨の箱に収まった二つの指輪をみたとき、和也はそのまま蓋をした。
『これは、いただけません』
 和也は首を振った。この贈り物は、自分には相応しくないと思ってのことだった。
『どうして?』
『正式に奥さまになられた方のためにあるものです』
 和也は翻訳の仕事をしていることもあり、ヨーロッパの文化にも詳しい。日本ではまだ珍しいが、海外では互いの貞操を誓いあうという意味だ。
 和也が明人に必死に言い募ると、明人は不思議そうに眉を上げた。
『俺の妻は、お前だろう?正式もなにも、生涯妻として娶るのは、お前だけの予定なのだが』
『そ、それは
 真摯な声に押し黙る和也を前に、明人は天鵞絨の箱のふたを開け、輪が大きい方の指輪を自分の左の薬指に嵌める。
『ほら、俺だけがつけていても、仕方がないだろう?』
見た目の華やかさとは違い、明人の指は男らしい。
光る指輪を見せられ、和也は左手をとられた。和也の指も華奢ではないのだが、明人に比べれば頼りなく感じるほどだ。身長差があるので、当然かもしれないが。
『お前の指には俺がつけてあげよう』
 穏やかだが有無を言わせぬ声色に、和也はしぶしぶ力を抜いた。
 寸分の狂いもなくぴたりとおさまる指輪に驚く。
『よく似合っている』
 なんのことはない男の指だ。それなのに、明人は微笑していた。
 最初は指の違和感に耐えられずよく指先でさわっていたのだが、徐々に慣れ、今では嵌めているのが当たり前となってしまっていた。
「俺とは会おうとしないくせに、高志と会食とは、随分冷たいなお前」
「れ、玲二?」
 和也は掛けられた声に、思わず振り向く。そこにいたのは、玲二だった。上背のある美貌の男がそこにいる。
2カ月ぶりに会う玲二は、和也を強い視線で睨んでいた。
「なんだ、玲二、来たのかよ。今日は朝から視察に向かうから無理だって、言ってなかったか?」
「んなもん、即効で終わらせたに決まってるだろ。というか、和也が一緒だって、わざとお前言ってこなかったんだろうが」
 和也はこの会食に玲二が来ないと聞いていたが、玲二も和也が来るとは聞いていなかったらしい。
「たまには俺だって、お前抜きで和也と食事だってしたいさ、なあ和也?」
 高志の軽口に和也は肩をすくめる。玲二の従兄である高志は、幼いころからことあるごとに和也を構い倒す癖があった。
 和也の隣に座った玲二は、和也が手にしていたワイングラスをとり口にした。
「自分の呑めよ」
 間もなく給支係が水を持ってきたが、玲二はそのまま和也のグラスで喉を潤している。
「いいだろうが、別に」
「全くお前は
 玲二は相変わらずの傍若無人ぶりだ。煙草と香水が混じった排他的な匂いが和也を包む。その匂いに懐かしさを感じてしまう。
「まあまあ、仕事はちゃんとこなしてるし、ちょっとは大目に見てやれって。こいつがこんなことするの、お前だけなんだし」
 高志のフォローに和也がため息をついた。
 玲二の分の食事も運ばれ、3人で食事を再開する。腹が減っているのか、玲二はバゲッドもよく食べている。
「じゃあな、また飲みにでも行こうぜ」
 今日は高志の驕りだ。決して安くはない3人分の昼食を支払い、悠々と帰っていった。
 高志を見送り、和也は隣に立っている玲二を見上げる。
「お前、仕事は?」
「今日は終わった」
「そうか。じゃあ、俺もこれで」
 そういって離れようとする和也の手首を、玲二は取った。
 レストラン前は昼時ということもあり、人の往来も多い。大型な体格と端正な顔立ちである玲二は当然目立っていた。そんな中、玲二に触れられ、和也は眉を顰める。
 視線を和也に向けないまま、玲二は力を強めた。
「ちょっ
 手を引こうとするが、全く解けない。明らかな身長差、体重差があるので当然かもしれないが屈辱的だった。
「こんな所で折角会ったのに、このまま帰すはずねえだろ。
――部屋とったから、兄弟水入らずで、ゆっくりしようぜ」
……
 玲二の含みある言い方に、和也は芯が疼くのを感じた。
「ほら、いくぜ」
 有無をいわせず今度は肩を掴まれてエレベーターに乗り込む。玲二が和也の肩を掴んだ途端、空気が歪むのを感じた。衆人の視線を受けながら、エレベーターの扉が閉まり、チンという軽快な音と共に上がっていく。
 和也は部屋にはいった途端、抱きすくめられた。玲二の匂いにさらに包まれる。
「ちょっ、玲二っ」
 逞しい肩を押し返そうとするが、当然力では叶わない。玲二は和也を見下ろし、薄い唇を寄せてくる。
「やめ、ろって!」 
 和也が左手で自分と玲二の間に壁を作ると玲二が低く唸った。
「しばらく会わないうちに、何てもの付けてやがる」
 食事をする前から、目についていたそれを玲二は冷たく睨んだ。 和也の左の薬指に光る白金の指輪に向けられている。
……どうしてもって、言われて」
 和也が躊躇いながら告げると、舌打ちした玲二が無理やり引き抜いた。
「あっ」
「終わったら返してやる。今は俺に集中しろ」
 引き抜かれた指輪は、リビングルームのテーブルにおかれた。
 玲二は和也の腕を引き、ベッドルームへと足早に脚を進める。パタンと音を立てて扉のしまる音が、大きくリビングルームに響いた。


∞∞∞


和也の気持ちとしては、玲二との関係は終わりに向かわせようと思っています。なので、2か月間、自分からは会いに行こうとはしませんでした。
玲二は当然お怒りですが、なんせ森島家なので、奪いに行くこともできず
高志は友情出演です。これ以降は出てきません



↓下に、CDドラマの中の方ネタがありますので、苦手な方はスルーしてください。
 どんな内容でも笑ってくれる人向きです。















CDドラマが決まった時、「この人たちの声を聞いて育ったんだけど」って方ばっかりだったので、一瞬どうしよう~と思った記憶があります(笑)。

中の方の声質でいえば明人ボイスの方は、誠実な声とか言われることが多いですが、私は結構底が見えぬ深い声というかひく~い声になったら、とっても怖いなあと思っています。そういう演技を見たい
明人の方と和也の方、最近はご長寿アニメで共演なさってます
和也は逆にやわらかくて優しくてあたたかくて国営放送で音声解説をされていて、たまにそれ目当てでEテレを見ていることがあります。ちなみにこの方の声はファイ〇ードから知っている。今も一番好きな声優さん
玲二はこれまた青春ど真ん中の方だったんだけど、最初は玲二のイメージが全くなかった。玲二の演技はかなり評判良いし、怖いって点ではやっぱり上手いな~と思いました

比較でいえば、和也はドラマ全体のリズムをしっかり作っているから、玲二の演技が光るんだな~って思ってます。というか、和也の方のあの先輩・後輩がいる中での、堂々たる主役の演技。この人だからできるんだろうな~と思う演技なのです。

高志の方は言わずもがな、おいたんです!しかも私が初めて聞いたBLドラマでも、なぜか高志のようなポジションで、もうこの方は、そういう人なんだな~という感じです。
某お医者さんイベントでも、和也の方とデュエットしたり、わちゃわちゃしたりと相変わらずのおいたんでとてもほっこりしています

亨の方は、実は声の聞き分けができてなくて、高志と一瞬間違えます!何故だろな
アンジェリークでも好きなキャラだったんだけどな~というか、5人ともアンジェリークでてる

麻美ちゃんも愛ちゃんも無論昔から滅茶苦茶聞いてる方
麻美ちゃん方は亡くなられていますが、和也と玲二の中で、あの麻美ちゃんの演技はやっぱりすごいな~って思う。
渇愛の方の立花の方も、あんなちょい役本当に勿体ない
縛恋の方のゲスト声優さんも豪華ですよね。あの義理の姉弟あんなちょい役で出るべき人たちじゃない
佳樹の方も亡くなられてますが、他のBLCDドラマで実は和也の方と絡みがあって、「元カレ!?」ってマジで思いましたすいません。
甲斐の声の方も実は他のBLドラマで絡みがあって、実は探している!どっちも、和也の方が右です余計な情報

どうもありがとうございました。