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ガラシャ
2022-08-13 21:48:14
2084文字
Public
白い結婚
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白い結婚(仮) 明人×和也
プロローグ的な感じで作りました。シリアスな感じを出したくて…!
時代物です…昭和初期ぐらいかな…。東京ではなく、地方都市のイメージで…!
歳の差のカップルっていいな~この二人は6歳差だよな…エモいな~って感じで作りました。この先も書いていますが、当然のように玲二×和也もあります。
――
この婚姻は初めから、白い結婚であることは決まっていた。
ただ互いの家の結束のため、いわば政略結婚であることは誰に目から見ても明らかで、喩えそれが同性での婚姻であろうとも否を唱える者はいなかった。
ただ一人を除いては
…
。
――
高見和也は目の前の光景を眺めながら、ふうとため息を吐いた。老舗高級料亭の広間を貸し切って行われているお披露目会とは名ばかりの催しに、まるで晒し者になった気分だった。
ほら今も、奇異な目で和也とその隣にいる人物を見ては、囁き合っている人がいる。
ため息をつくと、隣に座る人物が話しかけてきた。
「和也、疲れたのか?」
「明人さん」
森島明人。森島家の直系の人間であり、地域産業の一翼を担う人物だった。
「疲れたのなら、別室で休んでいても良いが」
「いえ、大丈夫です。お披露目なんですから、俺もここにいないと」
「そうだな。君が、私の妻となることを対外的に知らせる日だからな」
「
……
ええ」
明人本人から出た言葉に、和也は微かな違和を感じる。
和也は今日、この森島明人と婚姻関係を結ぶこととなっている。婚姻とは表向きのことであり、実際は和也が明人の養子となる手筈となっていた。
ただし和也自身は高見家の血をひいてはいない。高見家の人間となったのは5歳の頃であり、母の婚姻によるものだった。
和也の立場は微妙な物だと言えた。高見家にはすでに嫡男がおり、和也は当主の養子となったものの、家を継ぐわけではなかった。
和也が14になった年、当主と和也の母が相次いで亡くなり、和也は一時的な当主となった。嫡男である義弟に玲二が尋常小学校に在籍していたことあったためだ。いずれかは義弟である玲二が高見家を継ぐ。高見家の血をひかないが、亡き当主の義理の息子として、その後を継いだ。
――
常に時代は流動的な物であり、容赦がない。海外と戦争を始めた激動の流れに、当主を無くした高見家がついていけるはずもなかった。
今後を危ぶんだ高見家は、以前から関わりのある森島家を頼ったのだが、森島家当主克典氏が和也の後見人となる条件として、和也を森島家に貰い受けることを提案してきたのだ。
当主の直系の孫である、森島明人の相手として。
森島家当主である克典氏はなぜか和也を気に入り、幼いころからあれやこれやと面倒を見てくれる人であった。高見家というよりは、和也本人への関心が強いようだ。その克典氏が、直系の孫である明人の婚約者として和也を指名してきたのだ。
その返答に和也自身驚いたものの、悪い話では無かった。
和也の立場は将来微妙なものとなる。高見家の血を引いているわけではない自分は、いずれ高見家を離れることになる。
ならば、無くなった義父の恩に報いるために、高見家により利益となる形で離れようと思っていたので、森島家の提示した条件は渡りに船だった。
それに男同士なのだから、確実に白い結婚になることは分かっていた。
幼いころから克典氏に師事していたので当然、明人とは何度も出会っている。柔らかい眼差しを和也へ向ける明人を兄のように思っていた。
明人が年下で同性である自分を相手にするとは到底思えなかったし、端正な容姿と上背のある明人はいずれ、女性との間に子を儲けるだろう。
お飾りの立場になるのか、そもそも森島家との縁が切れるのか、そこまでの予測は和也にはできなかったが、和也はどちらでも一向に構わないと覚悟していた。
本来なら、この婚姻は和也が16歳になった頃には結ばれているはずだった。だが和也は既に21歳となっていた。
婚姻が遅れた理由はただ一つ、和也の義弟である玲二が和也が離れることを許さなかったからだ。
当主である父をなくし、更に血が繋がらないとはいえ、長年親しんだ和也が傍からいなくなることを当主となった少年が拒んだからだった。高見家の一方的な都合を、森島家はこの5年待ってくれていたのだ。
明人から視線を外し、来客を見渡していた和也は、近寄ってくる人物に眉をひそめた。
「和也」
義弟である高見玲二だ。今年19となった青年であるが、その容姿と体格は人目を引いている。
和也の唯一の身内だった。
「話がある」
有無を言わせない声に和也はじっと見上げると、明人の断りを入れる。
「
…
すみません。ちょっと、席をはずします」
立ち上がった和也の腕を玲二が掴み、縁側に誘導される。ふたりが連れ立つ姿は、人目を惹く。義理の兄弟とは言え、高見兄弟は良く名を知られていた。
会場を背に、話し込む二人にいくつもの視線が投げ掛けられる。
「高見家のご当主は相変わらず、義兄君をよく慕われておいでですな」
「それは、幼き時分より、兄弟として育ってこられたのですから、当然でしょう」
一方、もう一人の今日の主役である明人は長年見守ってきた青年とその義弟の姿を、冷たい視線で眺めているのであった。
※※
克典氏が結構出てくる予定~性格わからないけど、なんとなく和也にとっては好々爺になりそう
…
。
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