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ガラシャ
2021-12-31 22:32:34
1891文字
Public
呪縛&その他
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姫始め? 洋平×竜也
多分、6年前くらいに書いた大晦日話…
姫始め
――
テレビでは、毎年恒例ガ○使の笑ってはいけないシリーズが始まった。ベテラン芸人の思わぬ美脚に驚きながらも、鍋をつつく。
俺たちは実家に帰らず、アパートで年明けを迎えることにした。俺の継母である奈美さんが残念がっていたそうだが、おばさんに『まあまあ、あの子たちももう大人なんだから。大丈夫よ、竜也もいるんだから、ひとりじゃないわ』と竜也をダシに説得してくれたそうだ。
と言いながらも、おばさんもどこか寂しさがあったのだろう。ふたりが連れ立ち、昼に鍋の材料や餅を持ってきてくれた。二日の昼過ぎには、実家に戻り両家合同で夕食を食べることになっていたのだが、お節料理や餅だけでなく、日持ちするモノも持ってくれた。
『タっちゃん、洋ちゃんのことよろしくね』
『ちゃんと食べさせてあげなさいよ、竜也』
なんだかんだで掃除もしてくれ昼食を食べた後、二人は帰っていった。
竜也がよそったお椀に箸をつけながら、時より笑いながら、俺は夕食を終える。片づけをする竜也に先に風呂を進められ、上がってくると、竜也も風呂の用意をしていた。
「年越し蕎麦たべたら、片づけるから」
「おう」
家事は分担して
…
と言いたいところだが、結局、竜也に依存している。竜也とて決して料理ができる方ではなかったが、俺がこのアパートに押し掛けるまでの一年、俺がアパートで同居し始めてから一年弱で、随分と上達した。
親のすねかじりであるため節約も兼ねて、家で食べることが多い。胃袋を掴まれるまではいかないが、夕食は竜也の作ったものを食べると決めている。
竜也が風呂から上がると9時前になり、紅白も前半戦を終えようとしていた。蜜柑をもってきた竜也は二つ、机の真ん中に置く。自分も炬燵に入ると、テレビに見入っている。毛先から雫が落ちているのも構わず。
「竜也、髪の毛乾かさないと風邪ひくぞ」
「うん
…
」
しかし、竜也は返事したきり、まだテレビを見ていた。
「まったくもう」
と俺はぶっきら棒になりながらも、竜也の背後に回る。
「ほら」
「うん」
内心俺はorzとなっていた。髪の濡れたままの竜也を足の間に抱き込む
…
まさに恋人シチュレーション! しかし、そんなことを気にしない竜也は、俺がドライヤーを手に乾かし始めると、蜜柑に手を伸ばした。
「食べるか?」
「食べれねえよ」
俺は呆れた。望んだシチュレーションとはいえ、竜也は特に関心もなく、蜜柑の皮を剥き始める。細い指先がオレンジの鮮やかな皮を剥き、ひと房を手に白い甘皮を綺麗にとると、急に振り向いた。
「ほら」
突然振り向き、反射的にのけ反った俺の口元に、蜜柑があてられる。直ぐに対応できず、口を開かない俺に焦れたのか、房を押し当ててくる。
俺が口を開くと、竜也が押し込んだ。もぐもぐと口を動かす俺に満足した竜也は自分の分も口にする。
「やっぱ、蜜柑美味しいな~ふたりじゃ余っちまうから、お袋が持ってきてくれて良かった」
嬉しそうに俺の顔を見る竜也に、俺は頷く。無邪気な笑顔に、俺の心臓は逸った。
「
…
竜也、もっと」
俺の言葉に、竜也は『いいぜ』と頷く。得意げに甘皮を剥き、俺の口に放り込む竜也は、半分は自分も食べ、俺たちは半分ずつを分け合うことになった。
幼い頃もこうして、竜也に食べさせてもらった記憶がある。何分、幼子のすることなので親たちがいる前であったが、幼い竜也が俺に蜜柑を食べさせてくれたのだ。
最後の最後、残ったひと房を年上の威厳なのか俺の口元にもってきた竜也の手ごと俺は食む。
指先を甘噛みし、房を口の奥で味わう。
「え?」
ポカンとする竜也の手首を掴み、指先を噛んだまま咀嚼する俺に、竜也の顔色が変わる。
「おい、何してんだよっ」
焦る竜也であるが、既に遅い。俺は竜也の腹に廻していた腕の力を強くする。引き寄せたことで、俺にしなだれかかることになった竜也の薄い腹に腰を押し付けると、竜也は顔を赤らめた。
「マジかよ
…
」
呆然とする竜也であったが、もう遅いと分かっている。
「こういうの、年が明けてからなんじゃ」
俺を何とか止めさせようとしているつもりだろうが、全く効果はない。 口の中には未だに蜜柑の甘酸っぱさと、竜也の指がある。
俺は口で指先を柔らかく食んだ。そのまま舐めると、口から出す。べっとりと俺の唾液が竜也の指先についている。
「年明けまで待てるかよ」
そういって笑った俺に、竜也は顔を赤らめながら項垂れた。
おわり
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