【能楽鑑賞】#142 宝生能楽堂 四十五周年記念公演

能「翁」「関寺小町」「鞍馬天狗」 狂言「二人袴」

宝生能楽堂 四十五周年記念公演 一日目

宝生能楽堂
2024年7月14日(日)13:00開演

能「翁」
  翁:宝生和英
 千歳:亀井雄二
三番叟:三宅右矩
 面箱:三宅近成
  笛:松田弘之
 頭取:幸信吾
 脇鼓:住駒匡彦、森貴史
 大鼓:佃良勝

狂言「二人袴」
   舅:野村万作
   親:野村萬斎
   婿:野村裕基
太郎冠者:月崎晴夫
  後見:内藤連

能「関寺小町」
小野小町:大坪喜美雄
  稚児:大坪海音(子方)
  住職:宝生常三
   僧:舘田善博、梅村昌功、則久英志

 笛:藤田朝太郎
小鼓:大倉源次郎
大鼓:國川純

能「鞍馬天狗」天狗揃
   山伏:宝生和英(前シテ)
  大天狗:武田孝史(後シテ)
   牛若:内藤瑞駿(子方)
   花見:内藤成鵬(子方)
    〃:亀井皐月(子方)
    〃:木下蓬 (子方)
    〃:佐野新太(子方)
    〃:宗形龍之介(子方)
   天狗:野月聡
    〃:水上優
    〃:小倉伸二郎
    〃:小林晋也
    〃:佐野玄宜
    〃:内藤飛能
    〃:今井基
    僧:野口能弘
   従僧:御厨誠吾
    〃:小林克都
   能力:大藏彌右衛門
木の葉天狗:大藏彌太郎
    〃:吉田信海
    〃:小梶直人

 笛:藤田次郎
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:安福光雄
太鼓:小寺真佐人

*・*・*

『翁』

宝生能楽堂で『三番叟』のみは観たことあるけど、『翁』の形で観るのは初めてだったかも(記憶にないので)。

宗家が出てきた瞬間、顔小さっっ!と思いました😂
体を鍛えていらっしゃるので、やはり他の能楽師さんとはまたひと味違う雰囲気を感じます。どこの流派も宗家の翁というものは特別感がありますね。凛とした空気が漂います。

三宅右矩さんの三番叟は初めて拝見しました。
これまでもいろんな人の三番叟を観てきましたが、その中でも比較的、見慣れた野村家の三番叟に近いような気がしましたが、でも違う。揉みの段は力強く、袖を振る所はまるで大旗を振るような優雅さがあり、まさに大地の舞といった感じでした。

後半の烏飛びは同じ場所で3回飛ぶんですね。面返りもトメがなくスルッと上を向く感じで、シンプルなものでした。足の運びも狂言師らしいユニークさを感じたし、やはりお家が違うと舞い方も違うんだなと実感しました。

てか、こんだけ違うと、他家(他流)同士で双の舞しても面白そうだなと、ふと思ってみたり🤔

あと松田さんの笛の音が好きなので、今回はそれが聴けたのもポイント高し(笑)



狂言「二人袴」

翁が終わるとノンストップで『二人袴』へ。今回は野村家親子三代がシテ扱いになってました。狂言は状況によってシテとアドの扱い変わるからその辺がややこしや〜😅

『二人袴』は何度も観てきたけど、この親子三代揃ってのパターンは初めて観ました。当然ながら見事な息のあった芝居でした。やはりこの3人最強。他の演目も3人でドンドンやって欲しい。

ところで裕基くんが舞う時、万作さんは純真な瞳で、舅らしく優しげに観ているのだけれど、パパンは目の奥に厳しいものを感じるのは気のせいか?😂

今回は三代揃ってるからか、萬斎さんの裕基くんへのツッコミ(扇で叩く音や表情)が、いつも以上に気合い入ってる気がしました😂イイカオシテタナー

あとお酒を飲む時に、喉を2回鳴らしてから呑んでたのが印象的で、やはり息子の言う通り酒好きなんじゃーん!って感じがして良かったです🤭ホントニオイシソウニノムンダカラ



能「関寺小町」

初見。能の世界では特に重く扱われる【老女物】のひとつ。百歳になり老いた小野小町が主人公。七夕祭に招かれ、稚児の舞を観ている内に若かりし頃を思い出し、自らも舞を舞うことにするが、心は昔を取り戻せても、身体の老いは隠せない。そんな老いの無常と心の変化を描いた深い作品。ちなみに宝生流で正式な形で演るのは121年ぶり(!)とのこと。

この曲、シテの身体の老いをリアルに描いてるなだけあって、シテは殆ど動かず、地謡の謡も多めなだけに(しかも宝生流の謡は気持ちよくなりやすい😂)ので、正直、日々の残業で疲れた身体では瞼が重くて重くて仕方がなかった😂

小野小町は、老いた自分を他人に知られることを恥じたりしてるけど、人間誰しもいつかは老いるわけで、そんな人間のありのままの姿を曲にしたところに、能の美しさと奥深さを感じました。



能「鞍馬天狗」天狗揃

前回(初見)は観世流だったので、宝生流で観るのは初。宝生流の小書き『天狗揃』は、後シテの大天狗が白頭になり、更に七人の赤頭の天狗を引き連れて登場し、牛若に稽古をつけるという演出。なかなか華やかな演出で、これは見応えがありました。

また、大蔵流のアイでは、木の葉天狗が複数人出てきて稽古の様子を見事な立ち回りで魅せるという演出で、このパターンも初めて観ました。お陰で、只でさえ登場人物が多いのに、更に増えて見どころ満載の『鞍馬天狗』でした。


能「関寺小町」あたりで押したのか、予定より30分ほど伸びて約6時間の長丁場でしたが、記念公演に相応しい内容で、充実した1日となりました✨



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