orikoriko1125
2024-07-09 23:28:15
3125文字
Public カキゼイ
 

後輩たちの感想戦

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22026783
の続きの続き
アカタロ〜〜とスグリとツバタ

 「……カキツバタ先輩って、タロ先輩と仲良すぎじゃない?」
「アカマツ、仲良いって言葉の意味さ理解してる?」
「知ってるって!」
カキツバタはうちのねーちゃんが好きっていう大分変わった奴だから、タロみたいなめんこい女の人は好みじゃないと思う。タイプ相性も悪いし」
「それももちろん知ってるけど!あとスグリのお姉さんは美人だし、優しいところもあるよね?」
……それは俺のねーちゃんじゃないと思う」
今季の宝探しも終わってやっとまとまった休みが取れたからタロにお礼をするために、久しぶりにイッシュに来た。
アカマツが手料理さご馳走してくれるって家に呼んでくれて、「皆来る前に話したい事あって……」って真剣な顔で話始めたから俺も身構えたけど……。何で隣のブーバーンも神妙な顔さしてんのかはわかんね。
「だって飲み会のために家まで呼びに行ったりする?!」
「来て欲しかったのに、メッセージ無視してたからだべ?」
「それにスグリのラブレターもわざわざ学校まで渡しに行ってるし!」
「だから果たし状……!」
あ、何か分かったかもしんね。
「タロの周りに他の男がいるのが不安……?」
アカマツが「うぅ……!」と急所を突かれた顔をしたと同時に『着信ロト!!』とアカマツのスマホロトムが叫ぶ。相手は渦中の男だ。
『開けてくれーい!』
ベランダには楽しそうなカキツバタとカイリューが並んでる。
もしかして玄関知らねえのかもしんね。

 「間に合わねーかもと思って飛んできたけど余裕だったねぃ」
ダイナミック訪問の上「椅子って最高だよな〜」とソファで誰よりもくつろぐ男と気まずそうな家主の男……
アオイに『スグリって素直だよね』と褒められるくらいには素直な男の俺は、意外と肝心な事を言えない友達に助け舟を出してあげる。
「アカマツがカキツバタとタロが仲良いのが嫌だって言ってる」
「ちょっ!スグリ!!」
……アカマツ、お前さん……仲良いって言葉の意味理解してんの?」
「だから知ってるってば……
そもそも二人が仲良かった事実なんてない気がするけど。
相変わらず神妙な顔のブーバーンに目を向けると何か通じたように頷いた気がする、うん。
「タロのことは小せぇ頃から知ってるから親戚の子?みてぇな……、本人に言ったらキレそうだけど妹みたいなもんだからなぁ〜」
「確かに、駄目なにーちゃんとしっかり者の妹感あるべ」
「さすがスグリ様、分かってる〜!」
駄目なにーちゃんが嬉しそうにしてるけど、それでいいのか。
カキツバタは何か考えてるような顔をして最悪な質問してきた。
「スグリはねーちゃんが、家の中で全裸でウロウロしてたらどう思う?」
突然したくねぇ想像させるのやめろ。
………家の中にゴルダックが入り込んだかな?って思う」
カキツバタは呼吸できなくなるくらい笑ってるし、アカマツはすんごい顔で笑いを堪えてる。何かごめんな。
……あ〜〜腹いてぇ、死ぬかと思った……。オイラもタロが裸でウロウロしててもオーロンゲがいるなぁ〜くらいにしか思わねぇのよ」
「質問も例えも最悪すぎるべ」
でもこれくらい言えばアカマツもわかんだろ。
「二人が仲良くても兄妹みたいなもんだから気にしないで……ってコト……?!」
「そうそう、タロなんてガキの頃うちの庭にいたオノノクスにビビって漏らしたし、そんな女に今更何も思わねぇよ」
「漏らしてないから!!!驚いたのは本当だけど!漏らしてはない!」
遅れて来たタロが、カキツバタの事をバッグで殴るのを俺とアカマツは眺める事しかできなかった。タロ先輩は怖いべ。

 「二人にちゃんと訂正して」
「タロちゃんパイセンはオノノクスにビビったけど漏らしてません」
「子供の頃の事とはいえ、二人も誰かにこの話したら……分かるよね?」
「ハイ」
優しい顔で「いいこだね!」とにっこり笑い「アカマツくん、怒ったら喉乾いたな〜」って平然と伝えた。
「で、何でこんなかわいくない話題になったの?」
「アカマツにはオイラとタロが仲良く見えて嫌なんだってよ」
「アカマツくんは仲良いの意味知らないのかもね?」
「知ってる!これもう三回目〜!」
台所から抗議の声が聞こえた。
「カキツバタがかわいい二人に余計な事ばっかり言うの本当に困るから、早くパルデア行ってほしいな」
「行くなんて一言も言ってねぇのに外堀が勝手に埋まっていくのよ、もう全てが怖い……
「カキツバタのお陰で俺、臨時ボーナス貰えるかもしんね」
「パルデアって人身売買が横行してるの?すげー!」
久しぶりのアカマツ飯、パワーアップしてて、美味い。
辛くない料理も作れるようになったって言ってるけど普通逆な?
皆が美味しいと喜ぶのを眺めていたアカマツがぽつりと呟いた。
……おれ、ちょっと弱火すぎてダサいかも。タロ先輩なんてかわいすぎて皆好きになっちゃうからさ……」 
アカマツの凄い所は本人と二人きりか、本人がいないとこで話す事を平気で口に出せるとこかもしんね。
「アカマツが心配するほどタロはモテてねぇだろ。少なくともオイラもスグリもかわいいとか思った事ねぇし……
……無いの……?!こんなにかわいいのに??」
「アカマツくんってば!!」
タロが軽くアカマツの肩を叩いて、アカマツの体が揺れる。意外と力あるべ。
タロは真面目でしっかりしてて、信念もあるし尊敬できる先輩だけど付き合いたいとか思うような相手じゃない、あとねーちゃんとは違う方向でわや怖い。
恥ずかしいけど、俺も思い切って友達に伝えたい事さ言ってみる事にした。
「あのさ……人気者が恋人だと不安なのは分かっけど、そん中から選ばれてる事に自信持っても……いいと思う。あと、大切な人の周りにいる人も大切にする方が、何か嬉しい気持ちになれるし」
カキツバタとタロが頷きながら、妙に優しい視線を投げかけて来るのはちょっとウザいけど。
アオイと一緒にいると、同じように思うこといっぱいある。磁石みたいにいっぱい人が集まって来るんだ。
でも「スグリ、大好き」って言葉信じてるから。大丈夫。
……スグリ!!ありがとう!」
アカマツが立ち上がって握手を求めてきた。ちょっとよく分からないけど、俺も立ち上がって握手する。部屋の隅でサンドイッチを食べていたブーバーンも嬉しそうに笑ってくれた。
「ねぇ……見て……!わたしの彼氏とその友達……かわいすぎる……!!」
「おーおー、良かった良かった」
さらに抱きつかれたけど、そういえばイッシュ人って大げさだったなって久しぶりに思い出した。

 ダイナミック訪問したのに帰りは徒歩なんだなと言ったら「スグリとお話したいから〜」と飲み会帰りの女子みたいな返事されてウザかった。
「で、いつパルデアさ来てくれんの?」
「今の学年終わるまでは待ってくんねぇ?いきなり先生居なくなったら可哀想だろ」
それもそうか、あの学校で先生なんてあんまり機能してないけど。本当に先生やってんのか?世も末。
「分かった、俺のボーナス頼むべ。あとねーちゃんが意外にもモテるから気をつけた方がいいかも」
俺の半歩先を歩いてるカキツバタに一応言っておいた。
「そのボーナスの権利、1/3くらいはオイラにあるはずじゃねぇ?……王様やIT社長が来ても、カキツバタが好きって言うゼイユを信じてるからそれは心配してねぇけど」
……こいつも同じ事思ってる!と無性に腹が立ったから後頭部にチョップしておいた。「何でだよ!」って言われても言いたくねぇ。
早く帰ってアオイに会いてえなと、ほとんど星の見えないイッシュの空を見上げた。