【能楽鑑賞】#140 代々木果迢会 別会

能「絵馬」「正尊」 狂言「寝音曲」

浅見慈一 還暦記念
代々木果迢会 別会

国立能楽堂
2024年7月6日(土)午後1時開演

能「絵馬」
尉/天照大神:観世銕之丞
     姥:小早川修
  天鈿女命:小早川泰輝
  手力雄命:小早川康充
    勅使:大日方寛
  蓬莱ノ鬼:飯田豪

 笛:一噌幸弘
小鼓:田邊恭資
大鼓:柿原弘和
太鼓:小寺眞佐人

狂言「寝音曲」
太郎冠者:野村萬斎
   主:深田博治
  後見:飯田豪

能「正尊」起請文・翔入
 正尊:浅見慈一
 弁慶:宝生欣哉
 義経:片山九郎右衛門
静御前:武田智継(子方)
 江田:馬野正基
 熊井:北浪貴裕
 姉和:味方玄
 郎等:長山桂三
  〃:長山耕三
  〃:武田宗典
  〃:坂井音晴
  〃:武田祥照
  〃:武田崇史
  婢:野村裕基
 
 笛:松田弘之
小鼓:大倉源次郎
大鼓:國川純
太鼓:梶谷英樹

*・*・*
 
能「絵馬」

【あらすじ】伊勢神宮の斎宮に参拝した勅使(ワキ)が、絵馬を掛けられる行事を見物してから帰京しようと待っていると、日照りを占う白絵馬と雨を占う黒絵馬を持つ老夫婦(前シテ・前ツレ)が現れる。老夫婦はそれぞれ自分の持つ絵馬を掛けようと言い争うが、最後は晴雨が和合し万民が喜ぶようにと両方の絵馬を並べ掛け、更に自分達は伊勢の二柱の神だと明かして姿を消す。

すると勅使の前に、天鈿女命(後ツレ)と手力雄命(後ツレ)を引き連れた天照大神(後シテ)が現れ、天照が舞を舞うと、「天の岩戸隠れ」の昔を再現し、国土の繁栄を寿ぐのであった。


初見。日本神話にある「天の岩戸隠れ」が、
このような形で観れるとは☺️✨
後シテ、後ツレの舞が美しい演目でした。

特に手力雄命の出番になると、お囃子もアップテンポになり、女性陣とは対照的なカッコイイ舞になるのが印象的でした。
あと岩戸から「早く出てきなさい!」と言わんばかりに天照を連れ出す所も印象的でした🤭



狂言「寝音曲」

以前、大蔵流の山本家で観た演目⬇️
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/26613

これがめちゃくちゃ面白くて、萬斎さんでもいつか観たいなと思ってたから、今回は有給を取って飛び付きました(そしたら能2番も素晴らしくて結果的に大満足よ✨)

前回の感想に「主人がそっと太郎冠者の頭を起こすと森●一さんみたいな声になってしまうという」と書いてますけど😂、萬斎さんの場合、表情までもオーバーリアクションで(良い意味で!)ヒドかったですね🤣🤣🤣

でも寝ると、すっっごいイケボで謡うでしょ。
そして調子に乗り過ぎて舞まで舞っちゃうでしょ。

もう、野村萬斎の芸が光ってましたねぇぇ!!✨✨✨

深田さんの良い時と悪い時の表情の変化も絶妙で、二人合わせて凄く良かったですね!

あと萬斎さんの着物と肩衣のコーディネートがグリーン系でまとめられてて爽やかで素敵でした🥰

萬斎さんの「寝音曲」が観たいという夢が叶って、とりあえず満足🥰



能「正尊」起請文・翔入

【あらすじ】義経(ツレ)を討つために、鎌倉から頼朝の配下・土佐坊正尊(シテ)がやってくる。そこで弁慶(ワキ)は正尊に上京した理由を詰問するが、神仏に誓って熊野参詣の為だと答え、起請文を読み上げる。それを聴いた義経は偽りだと知りつつも見事な起請文を褒め、酒宴を催して静御前(子方)に舞わせ、正尊を歓待し、一旦帰す。
その後、弁慶が女(アイ)を使って正尊の宿を探らせ、夜討ちを察知すると、義経一行は襲撃に備える。そして正尊の軍は予定通り攻め入るものの義経一行に次々と討たれ、正尊も最後は生け捕られてしまうのであった。


初見。土佐坊正尊が源義経に討ち取られた史実をもとにして作られた「現在能」。なので、全員直面で演じられます。また、登場人物が多く、起請文を読み上げるシーンは「安宅」を連想します。

ちなみに最後はシテが捕らえられてしまうので(しかもすごい勢いで義経の家来/後ツレ2名に両脇抱えられて引きずられるようにして退場するので😂)誰が主人公だか分からんな😂と思ったけど、後から調べたら、観世流・宝生流・喜多流では正尊がシテ、金春流・金剛流では弁慶がシテで、正尊はツレになると知り、へぇ!😳と思いました。

まぁ主人公が敵役でやられて終わる演目は他にも沢山ありますがね。歌舞伎と違って、ありのままやられる姿まで素直に描いてるのが能の面白さでもあると思います。


またこの演目では、派手な殺陣シーンがあるのも魅力。能に、こんなアクロバティックな演目があるんだ!と感動しました😳✨

ツレで出演されていた武田宗典さんのインスタライブでの解説で知りましたが、斬られ方には、飛上り安座、宙返り(前転)、仏倒れ(後倒れ)、前倒れ、といろんなパターンがあるんですね。今回はコレ全部観れたんですよ!凄かった〜!!👏👏👏

特に仏倒れと前倒れは、思わず私含めて見所から「おぉ~」と声が漏れました✨
仏倒れは直立したまま後ろに倒れるので背中打ち付けてたし、前倒れは両手広げて前に倒れるのですが、一歩間違えば顔を打ってしまうので一番難易度が高い技なんだとか。
いやぁ~凄い迫力でした!!👏👏👏


そして何より九郎右衛門さんが義経(直面)で、
欣哉さんが弁慶なのは胸熱でした✨
両者とも大好きな方達なんで🥰✨
(てか二人がカッコ良すぎるから主人公誰だったっけ?ってなるんよ😂)

特に欣哉さんは、普段、僧を演じてる時とは違って弁慶らしく力強い構えだったのが、新たな一面が観れて良かったです🥰
シテが中入りした時に、ワキも後見座で戦闘モードにお着替えするので、それも見応えがあり、てか登場人物全員に見せ場があって面白かったです。


そして本日の主役、浅見慈一師(パンフに載ってた超個人的年表が面白かったです😂ユーモアのある人なんだなァ☺️)ですが、凄く印象に残ったシーンがあります。

それは酒宴から帰る時、橋掛かりの上から義経一行の方を見る場面があるのですが、その時の目線がね、能楽師というよりは“能役者”だな、と感じたんですよ。それくらい目から訴えるものが凄かった。

基本的に狂言方と違って、シテ方は直面でも表情では演技しませんので(直面も能面の一部なので)、その分、視線に力が入るのか、そう見えるのか直面の演目も面白いなと改めて感じました。

てか、あまりの面白さにまた観たいな!と思ったのですが、今回の配役が素晴らし過ぎて、コレを超えられるものがあるんだろうかと、ちょっと思ったり😂



過去の観劇日記はコチラから⬇️
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