頻子
2024-07-02 12:02:22
1075文字
Public KODR二次
 

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ほのぼのベケニュ
ニュートの浮気者(かわいい子の血なら飲める)

「ニュート、一口だけでも食べてみよう。ホラ!」
 ニュートは少し成長していた。赤ん坊のころと比べれば。離乳食にちょっぴり混じった野菜を嫌い、気に入らなければ容赦なく床にたたきつける横暴ぶりだった。叩きつけないだけマシになったともいえるが、無理やり食べさせる手段はなくなった。ちらっと伴侶の吸血鬼の顔を見て、丁寧に結構ですと言ってお皿を押しやった。真っ赤な血のスープだ。魔界王のために丁寧に裏ごしされている。ニュートは魔物になったくせに未だに人間界の味覚にしがみついている。
 ただでさえ好き嫌いの激しい魔界王は、「血液を口にするなんてとんでもない」……と、血の食事を拒否しているのだった。
 代わりに(チョコレートがパリパリかかっただけの)組成のあやしいパフェを食べはじめた。
「ニュート。食べ物は大切にしないといけないぞ。ほら、血液さんもおいしく飲んで欲しいって言ってるぞ」
「あ、……そうですね。僕もおいしくニュート様に召し上がっていただけたら……
「血液風情が余計な口をきくな」
「ぐえっ」
 ウルハムの首元が引っ張られて首が絞まった。
 かわいそうだからやめてあげてね。
 やっぱり生きている生き物をどうこうするなんて無理だ。そんなことができるなんて、どうかしているとしか思えない。
「なんだって? お前を嚙んだ俺の心が冷たいって?」
「ひえひえですわー!」
 ゾービナスが茶々を入れる。
 ひえひえだ。ベーケス2世は冷たい。ニュートはきっぱり言って、デジカメ(?)で写真(?)を撮ってからパフェを崩し始める。ピースをするゾービナスも、撮影用のピンクの長い棒のことも、何もかも理解できないがとりあえず笑顔を作った。
「ほら。一口だけいってみよう。な? ベリーソースと変わらないだろ?」
 ニュートは仕方なくウルハムをふきんでふくと鼻先を寄せた。
「あ、く、くすぐったい……いひひ! わーっ」
 念力でウルハムが持ち上がっていった。
「直接も飲めない。ボトルを出しても飲まない。じゃあどうすりゃいいんだ? ずっとずっとチョコレートで暮らすつもりか?」
「大丈夫だよ、ニュート」
 デビイがボトルにそっとイラストを貼った。麗しい魔女、というか、ウィンチのイラストだ。
「ほら、かわいい魔女のイラストだよ。これなら飲めそうじゃない?」
「そんなバカな……
 ニュートは信じられないことに少し飲んで、それからすいすい飲み始めた。
 おいしい。
「お前は! 顔が好みならなんでもいいのか!」
「っていうか、それ、偽装表示じゃないですか……?」