三毛田
2024-06-22 12:47:56
1712文字
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No title

2.3配信前日に思いつき、書いたところで公式からお出しされお蔵入り初書き🌹🪦
※口調は基本的に迷子


「でさ、そこでなのがさあ」
「ちょっと穹! それはアンタもでしょ!」
「アルジェンティさん、二人がうるさくてすまない。紅茶のおかわりはどうだろうか」
「いえ、元気でよろしいかと。いただきましょう」
 アルジェンティがカップを差し出すと、丹恒はそこへゆっくりと紅茶を注ぐ。
 今は滅した星の記録にあった、アフタヌーンティーという文化。
 それをアーカイブで見つけた穹となのかは、目を輝かせながらやろう! と丹恒を誘い。
 物資補給に立ち寄った星で買った焼き菓子、キッチンを占領して作った軽食。そして、〝スコーン〟と呼ばれる焼き菓子を焼き。さて楽しむぞと意気込んで。
 そこへ、列車の近くを飛行していたので挨拶がてら立ち寄ったアルジェンティも加わり、穏やかとは程遠いもののティータイムを楽しんでいた。
「むぐっ」
 クリームとジャムをたっぷり乗せたスコーンにかぶりついた穹は、連続で音を立てる己のスマホに驚き一瞬喉をつまらせ。
 慌てて紅茶で流し、一息ついてから手に取る。
「わあ」
 わかりやすく嫌そうな表情を浮かべる彼に、両隣の二人が画面を覗き込む。
「パム。俺たちはこれから羅浮に向かう。他の星にも寄らなくてはならないから、しばらく戻れないかもしれない」
 いち早く状況を飲み込んだ丹恒が丁度歩いてきたパムへ声を掛ける。
「姫子とヴェルトにはオレが伝えておく。気をつけるんじゃぞ」
「ああ。二人共、十分後に集合だ」
「はーい。景元ったら、本当人使い荒いんだから」
「ヘルタもだよ。アルジェンティ、慌ただしくてごめん。ゆっくりしていってね。パム、残りのおやつとかご飯は好きにして。キッチンにもあるから!」
「うむ。姫子とヴェルトへの差し入れに使わせてもらう」
「味の感想聞いておいてね、車掌さん!」
 三人は慌ただしく荷物の準備に客室へ向かう。
「すまんな。客人を放って置くのはオレの意に反するのじゃが、姫子もヴェルトも今は手が離せん」
「お構いなく。ただ、アーカイブ室への入室をお許しいただければ」
「丹恒に聞いておく。あやつらを見送ったら、戻ってくる。ゆっくりしていてくれ」
「はい」
 と、済まなそうな表情を浮かべるパムへ優しい笑顔を向け。それから、残りの焼き菓子へと手を伸ばす。
「なんだあ? 丹恒も穹もいねぇのか」
 その声に、アルジェンティはそちらへ視線を向ける。
「ブートヒル! 穹たちは、羅浮に行く準備をしている。すぐに立つじゃろう。何か用があったのか?」
 焼き菓子と軽食をバスケットに詰めていたパムは、ぴょこんと耳を上げ声の主を見上げ。
「よお、車掌さん。近くを通りかかったから、充電させてもらおうかと思ってな。それと、この間約束した食材が手に入ったから、飯作りに来たんだ」
「うむ。部屋はそのままにしてあるから好きに使え。しかし、しばらく戻らんと言っておった」
「マジかよ。無駄になっちまうな」
 いつも騒がしく出迎えてくれる三人がいないと聞き、ブートヒルは肩を落とす。
「姫子とヴェルトはおる。しかし、二人とも部屋に籠もっていてな。放っておくとすぐ食事を抜こうとする」
「それは車掌さんも気が抜けねえな」
「わかるか?! ちなみに、さっき三人が作ったおやつと軽食を持っていってあるからしばらくは大丈夫じゃ」
「ふーん。じゃ、次の飯の時間だけ教えてくれ。時間が近くなったら作るから、あんたが持っていけ」
「わかった。食材はたくさんあるのか?」
 一人で運べるだろうかと、不安そうにブートヒルを見上げ。
「安心しろ。オレが自分で運ぶから、よ」
 大丈夫だと答えている途中で、彼はようやく、座席でくつろぐ赤毛に気がつく。
「おっと。先客がいたのか。オレは巡海レンジャーのブートヒルだ」
「初めまして。僕は純美の騎士アルジェンティです」
 握手を求めるように差し出された手に、スッと目を細め。それからそっと握り返す。
 アルジェンティに悪意も何もないことに気づくと、口元に笑みを浮かべ。
「赤毛の純美の騎士……噂なら聞いたことある」
「それは光栄ですね。僕も、巡海レンジャーの噂は耳にしております」