MN*B
2024-06-21 02:14:19
2792文字
Public 二次創作単発:pixivバックアップ
 

伊地知潔高の限界ご飯。 ― なんちゃって出汁茶漬け篇 ―

伊地知さんがご飯作って食べてるだけの小説です。謎時空。
限界なのは書き手の料理センス。

似たような作品
伊地知さんの限界ご飯。 ― 虎杖と一緒! ―【 novel/18196628 】

#呪術廻戦 #二次創作 #伊地知潔高
2022年12月3日 19:03


 今年もまた無事に忘年会の季節を迎え、私たち補助監督もささやかながら、そういった飲み会を開く運びとなった。
とはいえ、繋がりがある者同士で、且つ、任務などの予定が入っていない者に限るので、規模としては本当に小さいものだ。
それが何度かに分けて開催されているが、私は基本的に一度か二度程度しか参加しない。というか、できないのだけれども。
 誘いの声自体は幾度となく掛けられるのだが、仕事がそれを許してくれないので。断るのも申し訳なくなるくらいだ。
そのたびに、やっぱり大きなのを一度で済ませたほうが……という意見も出るのだが、仕事に穴は空けらない。
結局、重ね合いによって、一度に集まれるのは少人数になってしまうのだった。

 そんな飲み会帰り。次の日に残らない程度にお酒を嗜み、気分がいい。
フワフワとした足取りで自宅のドアを開けた。寝室へ向かう道すがらで上着を脱ぎ、すでに緩まっているネクタイも外す。荷物を適当な場所に放り出してしまいながら、軽く伸びをする。……事務仕事で凝りがちの身体がパキパキと悲鳴をあげた。

 ふぅと息を吐きながら、感じる物足りなさにお腹をさする。程よくアルコールが回り、少しばかり腹具合に空きができてしまった。
それと、呑みすぎてしまった人を介抱したりしていたら、シメを頼むのをすっかり忘れてしまっていて、そのせいかもしれない。
……ちょっとだけ悩んだ末に、欲求を満たすことにした。

 冷蔵庫を開けて、回転が緩い頭を回しつつ、何にしようかと視線を揺らす。
野菜室も覗き、そうだと、思いつく。一度冷蔵庫を閉め、肝となる調味料があるのか確認する。……よし。
 材料があることを確認して、シャツの袖を捲り上げた。


なんちゃって出汁茶漬け 分量

白ご飯  好きなだけ
キャベツ 好きなだけ
白だし  適量
昆布茶  適量
ごま油  適量
白ゴマ  お好みで
お湯   好きなだけ


 まずはお湯を沸かす。量は汁として味わいたいだけ。それか、それにプラスして、白湯やお茶を飲みたい分だけといったところ。つまり、適当。
 私は今回、汁を多めに味わいたいので、少し多めに沸かす。お茶漬けのときと比べて1.5倍といったところだろうか? しかしそれにしたって、なんとなく多め多めでお湯を沸かし始めてしまう。
 何もなくとも多めに沸かしてしまうのは、日頃からの癖だった。なにせ、人が休憩しているところにいきなりやって来て「僕の分のお茶ないの?」と尋ねつつ、人の湯飲みを強奪していく上司がいらっしゃるので。

 世知辛い出来事を思い返しつつ、冷凍庫から小分けの白飯を取り出してレンジで温める。
オレンジ色に光る窓をぼぅっと眺め、その天板の上に薄っすらと積もる埃も見つけて、最近お掃除してなかったななんてことを考えた。

 そんなレンジが温めてくれている間に、野菜室からキャベツを取り出す。アルコールが回り温まっている指先で、ノロノロと一枚一枚葉を剥き、ザルに入れていく。
食べたいだけ剥くと、それを水ですすぎ、軽く水気を切った。そしてそのままザルの中で、キャベツを食べやすい大きさに千切っておく。……これで下ごしらえは終わりだ。

 ちなみに、冷や飯で作るときは、そのご飯と一緒にキャベツもチンする。それがちょうど良いのだが……まあ、お湯をかけるので、そこまで気にすることでもない。あんまり違いはない、はず。

 テキトーでいいのだ。と、ふわふわした心持ちのまま、誰にともなくウンウンと頷く。
そのタイミングでレンジが仕事上がりを告げてくる。
 暗くなったドアを開けて、アチアチとなりながらラップに包まれたご飯を取り出し、パタムと閉めた。……今度のお休みにでも大掃除として、レンジも掃除しようかな、なんてことを思う。

 ご飯茶碗一杯分程度の湯気の上がる白飯をどんぶりへと盛って、その上から調味料をザッとかける。
 昆布茶は粉末状のものを、ご飯の表面を覆う程度に振りかける。白だしはご飯に対してぐるっと一回し、もしくは一回し半くらいだろうか。ごま油も軽く一回し。
 ここでの味付けは、汁をどれだけ味わいたいかと、ご飯とキャベツの量によるので、本当に感覚で味付けをする。食べたときに味が濃ゆかったらお湯を足し、薄かったら調味料を足せば良いのだ。
昆布茶も、昆布がそのまま入っているタイプなら、それがそのまま具になるので、それはそれで良かったり

 そうこうしているうちに、お湯が沸く。
キャベツをご飯の上にドサッと乗せ、その上からお湯を回しかける。……っと、いけない。
少々慌てながら、白ごまをパラリと振りかけた。うん、これで完成。

 足取り軽く、しかし慎重に、出来上がったそれを机へと運ぶ。その片手間で、引き出しから匙を取り出した。
用意したものを机に並べ、いそいそと椅子に座り、手を合わせる。

「いただきます」

ふわりと漂う湯気に辛抱溜まらなくなり、さっそく匙を手に取った。

 どんぶりの中身を軽くかき混ぜると、サラリとした汁の中で米が踊った。それを匙いっぱいに掬い取る。
ズッと音を立てながら、米と汁を啜る。柔くなった米粒を噛み、汁と共に飲みこむ。ほぅと熱い息が漏れた。
 これだ、これこれと、頬を緩ませる。さらに匙を動かし、今度はキャベツも一緒に口へ。
食感が残る葉をシャクリしゃくシャクと噛みながら、その間にあるプチプチとしたゴマの感触も楽しむ。……ふぅふぅと、湯気混じりの息を口の中から逃がす。

 この料理は、小腹が減ったときや、夜食にちょうどいいのだ。優しい味付けだが、ごま油を入れているので満足感も増しているように感じる。
 それに、お茶漬けの素を使うとご飯ばかりで健康的に罪悪感のようなものが湧くときもあるが、これにはキャベツという免罪符 やさいが入っている。実に健康的!なんて。
 実際は寝る前に野菜を食べるのは消化に良くないと聞くものの、そもそも寝る前の食事なので変わらないだろう。それに、入ってるほうが美味しいし。回っていない頭でそんなことを考えた。

 ご飯を掬い、キャベツも掬い、食べ食べ。…………遂には無心になって食べ進める。
最後に、どんぶりに残った汁をゴクゴクゴクっと、一気に飲み干す。
空になったどんぶりの底を見つめ、ひと際大きく息をした。そして器を置く。

「ごちそうさまでした」

合わせた手が、さらにぬくぬくとしているのを感じる。
 内側からぽかぽかとしながら、目を鈍間に瞬かせた。
洗い物は少なく簡単だし。それをちゃんとやってから寝るか、もう寝てしまうか……寝たい。眠い、けど。いや、お風呂も……あ~…………

 新たな誘惑は、回りの遅くなった私の頭をまたもや悩ませる。