orikoriko1125
2024-06-18 21:32:49
2281文字
Public ちびすぐ
 

スグリが小さくなる話②

アカマツ編
彼の家族構成を捏造しています

「それでは今日はここまで!」
授業終了のチャイムが鳴るとアカマツは手早くテキストを纏め、クラスメイトへの挨拶もそこそこに教室を飛び出した。向かうは寮の自室、からのリーグ部部室。
昨日、彼の友人のスグリが、ひょんな事から小さな子供になってしまった。
なかなか授業に現れなかったスグリの体調を心配していたが、まさかこんな事が起こるとは
アカマツはリーグ部四天王の中では一番年下で皆の弟のようなポジションではあるが、実際は弟妹がおり小さな子の相手は嫌いではない。むしろ好きで得意である。
昨日少しスグリと遊んだが、弟が小さい時を思い出して楽しかったのだ。今日は自分へのチャレンジャーもいないため、また小さなスグリと遊ぼうと自室で準備を始めた。
「四歳かぁ〜、ゲームより身体動かす方がいいかな。でもスグリゲーム上手いからこの頃からやってるかも。」
Switch、ポケカ、タブレットでアニメを見るのも良いかもしれない。
ポケモンを眺めつつピクニックも捨てがたい。小さな子は辛いのは苦手だろうから、留学生アオイの友人ペパーに教えて貰ったレシピを試すのもいいかも。
荷物を纏め、いざ部室へ。

「お疲れ様です!」
元気よく部室に入ると課題をやってるらしいゼイユの横で、スグリがお菓子を食べながらスマホで何かを観ていた。
「お疲れ様、元気ね。」
ゼイユは少し疲れた様子で挨拶をする。今日はオンラインで授業を済ませたようだが、子供の相手をしながらは骨が折れるようだ。はぁーーっ、と大きなため息をついて机に突っ伏した。
「アカマツにーちゃん、こんにちは。」
「スグリ!遊ぼう!あ、ゼイユ先輩!スグリと遊んでいい?」
保護者の確認を取る前に誘ってしまったが、保護者は突っ伏したまま肯定の意として左手をひらひらさせた。
「スグリ!何する?色々持って来たんだけど〜。」
ゲーム機や何やら出してみたが、スグリは部室で過ごす事に飽きていたようで
「外がいい!」
元気に両手を上げた。今日はヒトカゲ柄のTシャツ。やっぱりほのおタイプ最高!と伝える。
「強火でいいね!ピクニックしよう!」

「本当にスグリくん小さくなってる〜。」
「かわいい。」
「恥ずかしいのかな?」
スグリと手を繋いでテラリウムドームに向かう途中、クラスメイトや他クラスの一年生たちに声をかけられた。その度スグリはアカマツの後ろへ隠れるのであった。
「スグリびっくりしてるからあんまり構わないであげて。弱火でよろしく!」
兄貴ぶってギャラリーを蹴散らすとスグリがにへへと笑った。

「今日はここでピクニックしようか。」
サバンナエリアの見晴らしの良いところでピクニックセットを広げて手持ちたちを出す。
そして預かっていたスグリのガオガエンも。
「ほのおタイプいっぱい!かっけ〜。」
キラキラした眼で眺めてる姿もかわいい。
「ガオガエンはスグリのだよ。ガオガエン、ちょっと小さくなってるけどスグリ。」
ガオガエンが不思議そうにスグリを見つめたが、ややあって「がお」と挨拶した。
「すぐのポケモン?わや大きい。」
「今のスグリはまだポケモンもってないんだっけ?」
こくんと頷く。
「テラリウムドームにはキタカミにはいないポケモンもいっぱいから、サンドイッチ食べながら色々見ようね!」

スマホロトムでアオイに位置を送ると、間もなくスグリのカミツオロチを連れて合流してきた。
「お待たせ〜!材料色々持ってきたよ。今日はわたしも作ろうかな〜。」 
彼女の作るサンドイッチはなかなか独特である。
パルデア流は今のスグリには早いから、今日はおれが作るよ。」
やんわりと制してスマホロトムからペパーおすすめレシピを呼び出した。  
「スグリ甘いの好きだから甘そうな材料にした!」
チョコレート、ブルーベリージャム、りんごジャム、ホイップクリーム、普段のアカマツレシピにはないラインナップだが新しいレシピにチャレンジするのもまた楽しい。
「美味しそう〜!スグリ、アカマツくんが辛くない料理作ってるのレアだよ。」
「たまにはそういう時もあるって〜。りんごサンドできたよ!スグリの故郷のキタカミのりんごで作ったジャムなんだって。」
ペパーが特別講師に来た時、キタカミで貰ったりんごをジャムにして持ってきてくれたのだ。『このりんご、すんげー美味しいんだぜ!せっかくだからサンドイッチに使えるようにしてみた。』
スグリとゼイユにも食べさせたかったからちょうど良かったとアオイが笑う。
「後でゼイユ先輩にも持っていってあげよう。何かすげー疲れてたから元気になるといいけど。」
「すぐがねーちゃんのじゃましたから。」
小さく切ったサンドイッチを眺めていたスグリが呟
く。金色の瞳が潤む。
「べ、勉強大変だから疲れてたんじゃないかな?!ね、アカマツくん!」
「そうそう!おれもすぐ疲れちゃうから〜!」
泣かせるつもりは無かったのだ、小さいスグリだって知らない場所に来て大変なのだ。
小さな手で目を擦る。
「うん。サンドイッチ、半分はねーちゃんと食べる!」
スグリに笑顔が戻ると後方のガオガエンとカミツオロチも嬉しそうに微笑むのだった。

寮の自室に戻り、スマホロトムで今日撮った写真を眺めつつ課題に取り掛かることにした。
小さいスグリもかわいいけれども、一緒にテレビを見たり、ゲームをする約束もあるし早く元に戻って欲しいなと思う。
スグリに食べさせたいレシピを思いつき、メモをしながらいつの間にか眠ってしまうのであった。