みみみ
2024-06-17 22:20:21
757文字
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Migraine

偏頭痛OXといつもよりちょっと優しいPD。
だいぶ中途半端。

 チカチカと、目をつぶっても視界に現れる閃光。
目の奥に釘でも刺されてるみたいな
血管が脈打つ度に、疼くような痛みに歯を食いしばると、ジンジンと響く耳鳴りが一層大きくなる。
喉の奥はカラカラなのに生唾が止まらない。
薬を飲むタイミングが遅かった。
後悔先に立たずの言葉を噛み締めながら、キオは事務所のソファに寝転んで波が引くのを待っていた。

「何をしてやがる」

 不意に響いた低い声に顔を上げる余裕もなかった。 
「あ〜ごめん部屋で寝るわ」
……今日は来客の予定もない、好きにしろ」
口の中に溜まったツバを飲み込んで頭を起こそうとした矢先、そんな言葉と同時にブラインドが下げられて頭の中で痛みと共鳴するみたいに響いていた雨音が遠くなる。
「薬は飲んだのか」 
その言葉に、キッチンの方を指差すと洗うのも億劫で出したままにしていたマグカップと空の薬包が見えたのか、そうかと小さな呟きが耳に届いた。
「あ〜膝枕でもしてもらえば元気になるかも」
 そんな軽口を叩いてみれば、デコをべしんと叩かれる。
「痛〜ッッ!!」
「寝言は寝て言え」
 その言葉の後に額にひんやりとした清涼感が続いた。
(何だかんだ優しいんだよなあ)
 冷えピタなんて焼け石に水だけど、その気遣いにほんの少しだけ最悪な気分がほぐれていく。
「少し詰めろ」
 頭の方から聞こえた言葉に、足をソファの外に投げ出すようにモゾモゾと体を動かすと、頭の横にドカリと腰が落ち着く音と振動。
……マジで?」
「いらんのなら俺は仕事に戻る」
 慌ててその腿の上に頭を乗せてみる。
硬い筋肉と伸縮性の無いスーツ生地はお世辞にも寝心地が良いとは言えなかったけど、思いがけない膝枕に目が開かないことを惜しみながら、こめかみをグリグリと押し付けた。