俺達が死ぬと、管理人が苦痛を伴いながら時を戻す。死者蘇生は都市で禁止されているので、巻き戻し。どこから引っ張ってきたかわからない時を使った巻き戻し。T社のお偉いさんからなにやら忠告をされたらしいが俺たちに選択肢はない。何度も、何度だって殺されて。それでも生き残る。このひとを守りながら、敵を殲滅する。
それはあの真っ赤な戦場にいた頃にも似ているが心持ちは正反対だ。望まぬ英雄として担ぎ上げられ、殺したくもない人間を沢山殺した。
戦場から逃げ出したら今度は罪に耐えきれず、死にたくなって。何度も、何度も死を試みた。けれど虫ケラのようにしつこく、しぶといから無理矢理、強制的に生かされた。
しかし、今は違う。色々あってこの会社に入社したけど俺は案外この場所を気に入っている。ちゃんと属せているか、と言われれば自信を持って是と答えられる自信はないが、少なくともここの囚人仲間と管理人のことは好きだし、運転手と案内人のことも嫌いじゃない。
ここでは殺すのだって大体は正当防衛。時たまわざと狙われるように動いて燃料にする人間を集めることもあるけどまあ、それはそれでこれはこれ。
罪悪感はないわけではないがひとりじゃない。腹に一物も二物も抱えた曲者ばかりだけど、たったひとり旗を振って戦場を駆ける必要はない。それだけで心はずっと軽くなる。
そして、とある技術者の話によれば俺達の時間はこのひとと、管理人と共有されているらしい。
そういえば初めての戦闘、一方的に嬲り殺しにされたあの時にがちゃりと鎖のような何かと繋がれたら感覚があった。あれがきっと、そうだったのだろう。とにかく、俺達と管理人はそれなりに強い力で結ばれているらしい。俺はそのことでなんだかすごく、安心した。
俺の思い込みでなく、このひとと俺達は特別な縁で結ばれている。虫ケラもどきの俺が、人間 と同じように扱われてる。それがどれほど幸せで、嬉しいことなのか。きっと虫ケラもどきの俺以外にはわからない。他の囚人にも、管理人にも。もしかしたらあの天才を自称する賢い彼女ならばわかるかもしれないが、実感はないだろう。
俺は幸せ者だ。職に恵まれ、上司にも恵まれて。ヒトのように過ごせて。だから俺はこの時間が少しでも長く続くことを望んでいる。やらなきゃいけないことは山積みで、いつまでも停滞しているわけにはいかないけれど、もう少しだけ。もう少しだけこの夢のような場所で微睡んでいたい。そんな贅沢なことを俺は望んでしまうのだ。
グレゴール
属せないおじさんなのでこういう“みんなと一緒のこと”があると喜びそう
明らかにまだまだ隠してたり嘘吐いてたりすることはありそうだけど囚人やダンテへの気遣いは本物であって欲しい…
ダンテへ恋愛感情はあってもいいしなくてもいい
ダンテ
ほんと頭の時計ってどういう存在なんだろうね…
恋愛感情は多分無い、みんな大事
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