夜明 奈央
2024-06-16 13:49:09
996文字
Public 中太SS
 

出会い頭にちゅーする中太2本立て

2つは特に繋がってません!
2024年6月7日初出

中也→太宰にちゅー

 会議へと移動中、遠くを走る中也を見かけた。最近は無関係の仕事をしていたから、姿を見かけるのも久しぶりだった。中也は猛然とこちらへ向かって走ってくる。何やら急いでいるらしい。
 ちらりと時計を確認する。会議の開始時間までもうあまり時間はない。向こうも急いでいるようだし、せっかく顔を合わせたが、碌に話をする時間もなさそうだった。
 残り数メートルまで近づいてきたところで、中也がこちらに気づいた。通りすぎる瞬間に視線が絡む。そのまま通りすぎるだろうと思っていた中也が急にスピードを落として腕を引っ張る。予想していなかった所為で抗うこともできず、廊下の端で中也に唇を奪われた。
 こんなところで、と焦ったが、計算ずくなのか植木鉢の陰になっていて、周囲を歩く他の構成員に気づかれた様子はない。
「じゃ、俺急ぐから」
 声を掛ける間もなく再度走り出す。嵐のように駆け抜けていった後ろ姿をぼんやりと見つめる。数秒後、会議の存在を思い出して慌てて歩き出す。大丈夫、遅刻する程の時間はロスしていない。唇に残った感触を舌でなぞる。認めたくはないが少し、ほんの少しだけ。浮き足立つような気持ちになった。


太宰→中也にちゅー

 最近は太宰とのすれ違いが続いていた。住処を共にしているから存在は感じられるが、帰宅時間が合わずに長らく姿を見ていない。4年会っていなかった頃には遠く及ばないが、会える可能性があるのと会えないとわかっているのとは大きな差がある。
 この時間帯なら、今日もまた太宰は出社してしまった後だろう。
 そう思っていたのだが、自宅の玄関を開けようとしたところ、それより早く扉が開いた。中から出てくるのは当然同居人の太宰だ。まさかまだいると思ってはいなかった。
 呆気に取られて「ただいま」なんて無意味な挨拶をしている間に腕を引かれて部屋の中へと連れ込まれる。扉が完全に閉まりきるよりも先に唇に柔らかい感触が触れた。すぐに離れてしまったのがどうにも惜しい。
「電車遅れちゃうから」
 太宰が扉を開けようとするのを後ろから阻んだ。そのままもう1度唇を塞ごうとしたが、太宰にぐいと押し返される。
「ちょっと、急ぐって言ったでしょ」
「送ってやるから、もう1回」
 嫌そうな目を向けられたが、今度は阻まれることはなかった。短いキスを交わすと、今度こそ外へと踏み出した。


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