カッパ巻き大車輪
2024-04-23 20:11:11
1656文字
Public 小説
 

スネ6♀の小説

首筋のコネクタをめぐり、閣下が621ちゃんの逆鱗に触れてしまう話です。



呼吸の乱れも落ち着き、しっとりとした肌同士の触れ合いが穏やかにベッドの上でなされていた頃。
ふと、背を向けて腕の中に収まったレイヴンの乱れた髪から覗くコネクタに目が留まった。
少女の細っそりとした首筋には不釣り合いなそれは、明るさを落とした室内灯の下でも鈍色を晒していた。
あまり上等ではない施術だったのだろう。
コネクタが埋め込まれた皮膚の周囲が引き攣れ、傷跡が白く盛り上がっている。
アーキバスは強化手術だけでなく、それに伴う手術痕の除去や緩和処置の技術も有していた。
本人が望むなら、その辺りのケアを受けさせても良いのかもしれない。
そんな事を考えながら、何の気なしに傷跡に唇を寄せた時だった。
「んやっ……⁉︎」
予想外に大きく体を震わせたレイヴンは、首筋を押さえると勢いよく体を起こした。
…………
…………
口の端が勝手に上がるのを感じる。
目が合うと不穏な空気を察知したのか、レイヴンは咄嗟に身を引こうとした。
体格差でもって強引に引き寄せ、無駄な抵抗を繰り出す小さな体を組み敷く。
「やっ、やだ、そこさわんないで……!」
うつ伏せに押さえ込んだ体に乗り上げ、晒された首筋に舌を這わせる。
コネクタ周辺の皮膚を舌先でなぞり、盛り上がった傷跡に軽く歯を立てた。
「〜〜っ、ゃやだぁ……っ」
触ればどこもかしこも敏感なレイヴンだが、こんなに反応の良い箇所を隠していたとは知らなかった。
火照って赤く色付いた肌に、傷跡が一層白く浮かび上がっている。
びくびくと震える体を抱き竦め反応を楽しんでいると、やがて鳴き声に本気の泣きが入り混じり始めたので解放してやる。
よろよろと身を起こしたレイヴンは、涙を浮かべながらキッと睨み付けると、両手を伸ばしてこちらのコネクタ周辺を弄り始めた。
……あれ?スネイル、ここさわられても平気なの?」
「まあ、多少擽ったくはありますが」
「えっゾワゾワしちゃうのって、私だけ?」
「もう一度見せてください」
上半身を起こして告げると、警戒を露わにしたレイヴンは疑わしそうにこちらを見ている。
……もうしませんから」
恐々とこちらに背を向けたレイヴンの首筋の髪をそっと避け、改めてコネクタを視認する。
……旧世代型のコネクタは規格そのものが大きいですから、肌に触れる面が多い分、感覚神経への干渉が強いのかもしれませんね」
「ふーん」
「それとはまた別ですが、コネクタ周りの引き攣れや傷跡を消す医療に心当たりがあります。一度カウンセリングを受けてみますか?」
「うーん……
思ったより薄い反応を返すレイヴンを抱き寄せ、上から表情を窺う。
「そういった手術は、気乗りしませんか?」
「ん?ううん、そうじゃないけど……
大人しく胸元に収まった少女は、こちらを見上げた。
「自分じゃ見えないとこだから、気にしたことない。見せるとしたらスネイルだけだし」
…………
スネイルは、した方がいいと思う?」
……いいえ。貴女が気にしていないなら、いいでしょう」
どこかほっとした様に微笑んだレイヴンは、体の力を抜いて寄り掛かってきた。
貴方にしか見せないから、そのままでいい。
そう言われると、この傷跡も何か特別なものに感じられた。
汗の引いた薄い肌の上を、さらりと白い髪が流れている。
争いとはまるで無縁であるかの様な華奢な少女を、確かに強化人間たらしめている傷跡に、引き寄せられるように唇を滑らせた。
「ぅやっ⁉︎……もうっ!しないって言った‼︎」
勢いよく振り向いたレイヴンに突き飛ばされ、よろけた拍子に枕を奪われる。
後頭部に枕を乗せて丸くなった少女は、首筋のコネクタこそ隠せているものの、滑らかな背中も丸い尻も無防備に晒していて思わず笑ってしまう。
そっちが駄目ならこっちでもいいかくらいのつもりで、なだらかな丸みに指を這わせたのだが、その行動が逆鱗に触れたらしく、顔を真っ赤にして起き上がったレイヴンに、顔面に枕を叩きつけられてしまった。