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カッパ巻き大車輪
2024-03-29 20:08:42
949文字
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小説
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スネ6♀の小説
判断基準が全部閣下になってる621ちゃんと、世界を広めてやるつもりがすっかり仕舞い込んでる閣下の話。
スネイルみたいでかっこよかった。スネイルみたいに大きかったよ。スネイルが言ってた通りだった。スネイルから聞いて思ったんだけど。
「
……
、
……
」
会議室に響く然程重要でもない説明を聞きながら思うのは、何かにつけて私の名前を出す少女のことだった。
最近、レイヴンの物事の判断基準が全て私になっている気がしてならない。
特殊な身の上からか、少女の一般常識や教養には著しい欠如が見られた。
関わる人間が極めて限られていることも、その要因だろう。
恋人関係にある今、傍に置く者としてあまり無知なのも困ると、本を与えたり疑問に応えたりと世話を焼いていたが、それが裏目に出たらしい。
事あるごとに引き合いに出され、名前を口にされるのは
……
。
レイヴンの場合、話題にするのは良いと思った事ばかりなので、悪い気はしない。しないのだが。
知ろうと思えば幾らでもその術がある時代に、気に入って囲い込んでいる少女の世界があまりに小さくまとまっている様は、考えさせられるものがあった。
狭い世界に閉じ込めておきたい訳ではないのだ。
首輪を外し、何処へでも行って好きにしろなどと言うつもりは毛頭無いが、もう少し見聞を広げさせても良いのかもしれない。
そんな事を考えているうちに、打ち合わせは終わっていた。
席を立ち、足早に会議室を出る。
急遽発生した確認作業の為に、レイヴンを一人カフェテリアで待たせていた。
入り口に辿り着くと、窓際の席に掛けた少女の後ろ姿が見えた。
所在なげに外を見つめ、つまらなそうに足を揺らしている。
まるで留守番を言いつけられ落ち込む子犬のようで、哀愁すら感じさせる小さな背中に苦笑して名前を呼ぶ。
ぱっと振り向いたレイヴンはこちらの姿を見とめると、高めの椅子から飛ぶように降りて真っ直ぐに駆けてきた。
「スネイル、お仕事終わった?」
目の前に立ち、真上を向くように見上げてくる瞳には、私以外映っていなかった。
前で手にしていた資料を下げてやると、嬉しそうに抱きついてくる。
与えられた小さな世界の中で、少女が自らの手で選び取ったものの一つが私だった。
そう考えると、やはり悪い気はしない。
押し付けられる頭を撫でてやりながら、もう少し閉じ込めておいてもいいか、などと思ってしまう程度には。
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