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カッパ巻き大車輪
2024-02-02 20:48:22
687文字
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小説
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スネ6♀の小説
注意!瞳の色の捏造設定あり。
川を渡るまでの話。
「見て」
応接用ソファに座って大人しく本を読んでいたレイヴンが傍らまで来て差し出したページに目を遣ると、そこには色とりどりの宝石が描かれていた。
書類を一度デスクに放って少女と向き合う。
細っそりとした指が指し示す先は、紫色の石だった。
「アメジストですか」
「そう。これ見た時、スネイルだと思ったの」
「私?」
レイヴンはこちらの顔を覗き込むようにして微笑んだ。
「スネイルの目みたい」
そう言って柔らかく細められた、それこそ宝石のように赤い少女の目を見つめる。
細い腰を引き寄せると、デスクチェアに掛けたこちらの膝上を跨いで従順に乗り上げたレイヴンは、胸元に寄り添うと上目に見つめ返してきた。
〝赤〟を意味する名を冠したルビーのような瞳は、コーラルの強い浸潤を受けたものだ。
ある意味で、この少女はこの辺境惑星を象徴する存在なのかもしれない。
ルビーと同様に〝赤〟に由来する名を持つルビコンの、後戻りできない道を進む決断を意味する、小さな川。
引き寄せれば簡単に腕の中に収まる小さな体は、しかしその全てを手中に収めようと川に一歩を踏み出した時、もう後戻りなど出来ないのだ。
円い頬を包んで覗き込んだ瞳に映るアメジストなど、圧倒的な赤の奔流の前には一瞬で飲み込まれてしまうのだろう。
「
……
今度、本物のアメジストを見せて差し上げますよ」
「ううん、こっちの方が好きだから、いい」
微笑みと共に頬に触れてくる小さな手は、柔く儚い。
まるで〝全て貴方のものだ〟と錯覚させるように。
後戻り出来ない一線のその先。
赤い川の向こう岸で、無邪気なルビーの瞳が笑っている。
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