カッパ巻き大車輪
2023-12-08 18:56:07
682文字
Public 小説
 

スネ6♀の小説

自分がされて嬉しかった事をしてあげたかった621ちゃんと立場が逆転して驚く閣下の話。



眠りから覚めると、起きるにはまだ随分早い時刻だった。
確認の為に手にしていた端末をヘッドボードに戻し、ずれたブランケットを引き上げる。
不意に胸元の温もりが身じろぎしたので視線を向ける。
こちらに背を向けて腕の中に収まっていたレイヴンがむにゃむにゃと何事かを発しながらころりと寝返りを打つところだった。
向かい合わせになった少女の寝顔を見ていると長い睫毛が震え、やがてゆっくりと緋色の瞳が姿を表す。
数回瞬いてからこちらの視線に気付いたレイヴンがぼんやりと見つめ返してきた。
まだ寝ていて良いですよ」
そう告げて眠りを促すように頭を撫でてやる。
気持ち良さそうにとろりと細められた瞳にこちらも眠気を誘われる。
もう一眠りするかと目を閉じようとして自身の髪に触れる柔らかい手の感触に思わず目を見開き撫でる手を止めた。
見ると先程とは違いぱちりと瞳を開けたレイヴンが同じように動きを止めこちらを見ていた。
「いやだった?」
いえ、慣れない事で驚いただけです」
こちらの反応から不興を買う行為だったかと心配する少女にそう答えると、不思議そうな表情を浮かべたレイヴンは何かに気付いたように小さく笑って再び手を伸ばしてきた。
「スネイル、背が高いもんねぇ」
細い指がこめかみ辺りの髪を梳くこそばゆい感触に目を細める。

身長云々がなくともV第2隊長の頭を撫でてやろうなどと考える奇特な奴はいないという話なのだが、少女を見ると並び寄り添う自分だけの特権を得たとばかりに嬉しそうにしているので、何も言わずに触れる手の温もりと再び訪れた眠気を受け入れ目を閉じた。