かずわや
2019-11-26 01:08:40
3331文字
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【ポケモン剣盾ネタバレ】ホップくんのレアリーグカードのサインに関する主ホプ


ホップくんのレアリーグカードのサインがかわいすぎる件について
め っ ち ゃ ヘ タ
人生で初めてサイン書きました!って感じのヘタさ加減 もうなに?かわいいむり
線もよれよれで書き慣れてない感すごく伝わるし、おまけに顔も書いちゃうの、もう〜〜!!きゃわ〜〜〜!!K A W A I I〜〜〜!!!おちゃめか!
ほんとに人生で初めてサイン書いたんだろうな
その人生初めてのサイン、主人公くんちゃんが一番最初に貰ってたらいいな……というか貰いたい
ホップの初めて貰いたい(気持ち悪い)
ホップくんの初めてがほしい!!!!!(クソデカボイスおじさん)



※それを踏まえてここから主♀ホプ

「ホップ!」
 声が聞こえて振り返る。誰もいない。もう一度ホップ!と呼ぶ声が、今度は上から聞こえて、ハッと見上げると先日チャンピオンになったばかりの幼馴染が、アーマーガアから飛び降りるところだった。
 ブラッシータウン、ポケモン研究所前。突如羽ばたいてきたアーマーガアの巨軀に驚いて、ウールー達があちこちへ転がっていく。相棒のバイウールーが、慌てて彼らを追いかけていくのを横目で確認する。彼らのことはバイウールーに任せておけば大丈夫だろうと気を取られていると、「こっち見て!」ぐい、と腕を引っ張られた。
「うわあ、オマエ、どうしたんだよ!」
 久しぶりに見た幼馴染は、ずいぶん短く髪を切っていた。もとから短いほうだったが、今は髪の毛が耳に少しかかるくらいしかなくて、はたからみると少年のようだ。
「その髪、どうしたんだ? 何かあったのか?」
「ふふん、髪切ったからリーグカードを新しく印刷したんだ。貰ってくれる?」
 いや、聞きたいのはそういうことじゃない。それでもしぶしぶとカードを受け取って、覗き込んだ瞬間にふ、と頰が緩んだ。薄い紙に、世界で2番めに大好きなチャンピオンが、とびきりの笑顔を浮かべ両手をこちらに広げたポーズで収まっている。良い写真だ、ファン受けもするだろう。ポーズはキバナさんあたりから教えてもらったのかもしれない。
「いいな、これ」
 笑顔を浮かべて、努めて明るく聞こえるように言う。一生家宝にしよう。
「でしょ。ホップのも頂戴」
「? おれのは、旅に出た時に渡したぞ」
「違うよ、今のホップの写真が欲しいの」
 びく、と肩が揺れた。そんな言葉を、まっすぐ見つめながら言われてしまうと、首、頰、耳までかっかっかっと熱くなって困ってしまう。いつからこんな直球な言い方をするようになったんだろう。旅に出たばかりの頃はそんなじゃなかった。ビートに負けたり、チームメンバーの編成に悩んで、落ち込んだり焦ったりしてた頃から、どんどんまっすぐと言葉をかけてくるようになった気がする。それは、別にイヤじゃないけど。気恥ずかしさが募って、前よりまっすぐ彼女の目が見れない。
「で、でもおれ、まだ博士になれてないし」
「そんなの別にいいよ! ほらほら、撮りに行こ!」
 明朗な彼女の声に引っ張られて、あれよあれよと言う間にポケモンセンターで新しくリーグカードを印刷してしまった。結局ノリにノって、かっこいいやつにしたいって言って兄貴と同じリザードンポーズを決めて撮ったし、ユウリはすごく喜んでくれた。

「ほらもう、これでいいだろー?」
「じゃあホップ、ここにサイン頂戴」
「えっ!?」
 ようやく解放されたと思ったら、ユウリはにこにことカードを突き返してくる。サインなんて書いたことがない。旅に出る前は、自分がチャンピオンになったことを夢見て、どんなのにしようか考えたり練習したりしてたけど。旅の途中はそんなことを考える余裕もなかったし、最後は……そう、そんなの必要ない、って思っていた。
「おれの……サイン……?」
「ホップ、考えてないの?」
「そうじゃないけど……。おれで良いのか? チャンピオンでもないし、ジムリーダーでもないのに」
 そう言うと、ユウリはすこし怒った顔をした。
「ホップがどんなだろうと関係ない。ホップの一番新しいリーグカードに、一番最初にサインを書いて貰いたいだけだよ」
 私の宝物にするから。
 喉から変な声が出そうになるのを必死に押し留めた。他でもないユウリにそんなことを言われたら、めちゃくちゃに嬉しくて、飛び上がって喜んでしまいたくなる。でも、目の前にいるのはガラルの若き天才トレーナーで、チャンピオンで、みんなの憧れだ。その言葉を、自分一人が貰ってしまうのは悪いことだと、思って。
 けれど、顔を上げた先にあるユウリの目は、いつでもまっすぐ自分を見つめていた。自分が迷った時も、焦った時も、彼女の瞳はなにひとつ変わらなかった。
 そこにいるのは、ガラルの期待の新星でも、新チャンピオンでもない、ただのハロンタウンのユウリで。
 少年のように髪が短くなっても、おれの大好きな幼馴染だった。
……じゃあ、書くけど」
「うん」
「初めて書くんだからな! へ、ヘタでも笑ったりするなよ!」
「わかった!」
 サインを書くだけで指が震えた。ノートいっぱいにサインを落書きしていた頃を思い出した。あの頃と同じ夢は、もう見れないけれど。
 初めてのサインで緊張して、やっぱり字のバランスが崩れてしまったし、お世辞にもかっこいいサインじゃない。正直書き直したかったけど、ユウリは「これが良い」と言って絶対に返してくれなかった。

「ありがとう、ホップ」
「もう、ほんとだぞ。急に来るから何かと思ったし」
 既に日はとっぷりと暮れて、風の音が静かにブラッシータウンの街並みを渡っていく。ユウリも今日は研究所に泊まるらしい。ソニアが腕を振るってくれることを期待して、二人で街灯が照らす土の道を歩く。
「そういえば、その髪。本当にどうしたんだ?」
 改めて訊くことができて、胸を撫で下ろした。女の子が髪をばっさり切る時なんて、一般的にいえば失恋とか。そう言うことじゃないのか、なんて思ってしまう。自分が研究所で忙しくしている間に、ユウリは誰かに恋をして、そして振られてしまったんだろうか。この最高に強くて凄い幼馴染を振るなんて、見る目がない男もいたものだ。名前がわかったらゴリランダーを連れて絶対にぶっ飛ばしに行く。そう思いながら人知れず拳を握りしめると、
「たいしたことじゃないよ」
 珍しくユウリが照れたように笑った。
「こんなふうに勢いよく切っちゃえば、流石に誰かもなにか言ってくれるかなって」
「誰かって誰だ?」
「似合う?」
 もう、相変わらず質問に答えない。ユウリは立ち止まって、まっすぐ見つめて訊いてくる。
 そんなこと。
「もちろんだ、似合うぞ!」
 ファッションセンスには疎いけど、贔屓目なしでユウリはなんでも似合うと思う。今の髪が短い姿も、前よりかっこよさが増したからきっとより人気が出るだろう。自分はそれを誇らしく思う。おれが世界で2番めに大好きな人は、何をしてても最高なのだ。ユウリは眉を下げて笑った。

 翌日の早朝に、ユウリは慌ただしく出て行った。チャンピオン業は大変なんだろう。「もっとゆっくりしていけないのかねー」ソニアがコーヒーを淹れながらぼやく。
「ホップ、チャンピオンの新しいリーグカード、一番最初に貰ったんだって?」
「えっ、おれが最初だったのか!?」
「ユウリが言ってたよ。私に渡す時に、『ソニアさんが二番目です!』って」
 愛されてるねえ。
 にやにやしながらソニアに言われて、思わずぼふ、とバイウールーの体毛に顔をうずめた。自分で思うのはそんなにダメージは無いけれど、他の人に言われるとめちゃくちゃに照れる。
「いつ結婚するの?」
「ま、まだしないぞ……
 ソニアは冗談で言ってるんだろうけど、陥落するのは早い気がする。何年後、何十年後でも、ユウリに言われたら速攻でOKしちゃいそうで怖い。自分でもわかってる。枕にされたバイウールーが、呆れたしゃがれ声をあげた。





ご清読ありがとうございました!たとえ女主人公でも主ホプです。ホップのこと幸せにしてあげたい。ありがとうございました