ぎん
2024-06-13 15:50:51
1296文字
Public アオアイク
 

アオアイク 馴れ初め side:アオ

アオ×アイク

ウルダハの夜。採掘師ギルドに納品をし終え、明日の仕事は何をしようか思案しながら、いつもの酒場に向かう。
パールレーンの寂れた酒場。そこに行くやつらの大抵は安酒と宿と女目当てだ。

いつものように生温いエールを飲み、つまみを食べる
今日は客引きの女が少ないのか、周りを見渡しても大抵いつもの酒飲みの常連ばっかりだった。

「特にミコッテの中でも希少な男ときたぁ、そりゃあ稼げるだろうよ。
ここでえ日銭を稼ぐんだ。客くらいは取らねぇと。服ちらつかせてにこりと笑うくらい技ぁ磨かねぇとなぁガッハッハ」

大柄の男性の笑い声が酒場に響く。耳を抜けるその声はもうすでに出来上がった声で、俺にとってはただ耳障りな音だった。
ぐいっとまたエールを飲み干す。酒がきれたので店主の親父に酒が無い事をアピールする。

「エールです」
「あぁ」

先ほどの酔っ払いに絡まれていた、ミコッテ族の少年がこちらにエールを運んできた。
整った顔立ちで、どこか優しげな面持ちの少年だ。

「珍しいな、男のミコッテか」
「えぇ、まぁ珍しいとは聞きます」

そんなたわいもない会話をして、少年に目を向ける
さっさと酒を渡して、帰ればよいものを顔をそらし、自分から視線を外した少年のその行動は、
自分を買ってくれと言わんばかりだった。

「今日はこれでいいか、少し待ってろ」
「え」

ミコッテの少年は小さく驚きの声を少し上げる
グイッと先ほど渡されたエールを一気に飲み干し、立ち上がる
少年の腕を掴み、そのまま歩き出す

「ちょっ」

身じろぐ少年は、決して自分の手を振り払わない。これも誘っている証拠だろう。

「親父、上借りるぞ」
「へい、3号室が空いてます」

‘‘いつも‘‘のように、部屋に連れていく。安物のベットに少年を投げ入れ組み敷く
シャツの下に手を滑らし、肌触りを確かめるようになぞっていく

「ッ、待って」

ぐいっと身体が押される、明らかな抵抗だった

「待つ?この店がどういうところかわかってるだろう?」

耳元で、息を吐くかのように囁く。今更何を、と言わんばかりに

「、待っ、て
アンタの名前、まだ聞いてない」

少し面を食らう、名前を聞かれたのは初めてで、抱いた奴の名前なんかみんな聞いてこないのに
少し間をおいて、自分の名前をいう。

アオだ」
「俺は、アイク。……アオ、やさしく頼むよ」
……嗚呼。優しくしてやる。たっぷりな」

窓から差し込む月明かりが少年の白い肌を怪しく照らし
少年アイクの少しだけ高揚した頬をなぞるように、舌を這わせて、怪しく笑った。


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煙管を加え、窓から外の景色を眺める。外の月を覆うように曇がかかり、星一つ見えやしない。

「薄汚れた俺には性に合う夜空だ」

そう呟いて、嗤う。
隣には、眠っているミコッテ族の少年。はだけたシーツを掛けなおす。
もう風はやんでいた。煙はまっすぐ上に立ちのぼって、夜の闇の中に消えていった。



―――出会い編 side:アオ