はるれに
2024-06-10 23:52:09
666文字
Public #SS(1〜30)
 

溜め息


 またもや誰もいない喫煙室にランサーは連れ込まれた。
 キャスターとの付き合いは他のクー・フーリンよりも長く、年齢も大体同じとあってか相談されることが多い。相談内容は全てプロトについてである。
「昨日プロトと初めてヤったんだが」
……お、おう」
……あまりに具合が良すぎて男とヤるのはオレが初めてか心配になって問いただしたら出禁になった」
……
……
 え、オレがここから話広げなくちゃならねぇのか? 機転の利くランサーは咄嗟に会話の糸口を探る。
「そ、それでそんなにボロボロなのか……?」
「いや、これはもしかしてオルタがって聞きに行ったらボコられた時の」
 次に来る台詞にピンときたランサーは先回りして告げる。
「オレも手出ししてねぇからな!」
 キャスターは開きかけた口をポカンとさせて、ハッとしてから気まずそうに目を逸らした。
「お前のことは疑っちゃいねぇよ」
 いや、かなり疑われていた。危なかった。高まっていた魔力が霧散したのを肌で感じ、ランサーは胸を撫で下ろす。プロトのこととなると知能が下がるキャスターを冷やかしたり宥めたり酒の肴にするのは楽しいが、敵対されると厄介だ。めんどうくささが半分と、そのめんどくさいやつをプロトだけに押し付けるのは可哀想だという慈愛でできているランサーは、キャスターの無神経な質問を優しく諭し、オレの言った通りに謝ってこいと尻を叩くのだった。

















タイトルはお題配布サイト( https://nanos.jp/iwantfly/ )より