剣の道を極めようと志したのは遥か昔。憧れ入った組織は既に腐敗し、その夢は絶たれた。けれども一度属したからにはこの抜け出すことも出来ず、この歳までチンピラ紛いの行為を惰性で続けた。組織から抜け出す努力も、決断も先延ばしにするうち、これでどうして俺には剣の才はなくとも脅しとハッタリの素質らしき才があったらしく、気がつけば腐敗しきった組織の天辺にいた。つい先日まで。
「ねえ、本当にいいんですか?組長」
「おいおい、言葉に気をつけろよう……ヒック、…他のやつに聞かれたらただじゃすまねえぞー?」
「だって……」
忠実な隻眼の部下はしょんぼりと肩を落としてそれでも言葉を続ける。
「だって、あの件がなければ組…アニキは右腕も、地位も失う必要がなかったじゃないですか…!」
「んー…?そーかねえ…あれがなくてもそのうちどっかの路地で落っことしちまってたと思うけどなあ……」
「またそんなこといって…」
貴方ほどの人がそんなヘマをするわけがないでしょう、とぷりぷり怒る部下を見やる。路地裏で拾った事に恩義を感じているのか今も昔もこいつは俺に忠実で、必要以上に俺を特別視する。そんな価値が果たして今の俺にあるものか。右腕の義手をひと撫でし、またぐい、と猪口を呷る。
先日、まあ色々とごちゃごちゃした事情があって親指傘下の組織の上層部が呼び出しをくらった。そこでうっかり親指のアンダーボス に無礼を働いた副組長が下顎を飛ばされ、ついでに別件でヘマをした部下の責任を取って俺は右腕を詰めることになった。それなりにデカいヘマだったので利き腕である右腕を、だ。
もういい加減惰性で属する組織の天辺であれこれ考え忙しくするのに疲れていた。ついでに義手を手に入れたといえど剣の腕は落ちた。丁度いい機会だ。ならばもっと若く有望な奴に頭を任せてやろう。足抜けは出来ずともこの重圧からは解放される。そうして組長の座を譲り、適当なヒラ組員になろう。そんなことを思って行動したのに何故だか目の前の金髪の青年含め幾人もの部下に必死に止められ今の地位に落ち着いた。
「いーんだよ、俺はここで。本当はもーっとテキトーに。責任なんて取らなくていい位置に居たいんだけどなぁ」
「そんなことしたら僕も含め他の組員の気が休まりませんよ…」
「なぁにいってんだ?こんなちゃらんぽらんに気ぃ使うやつがいるわけねえだろう?」
「それに毎日酒盛りして過ごすわけにもいかなくなりますよ」
「あ、そいつぁいけねえや」
けらけらと笑ってまた酒を呑む。部下は額を抑えため息を吐いた。
グレゴール
元組長の姿
惰性で属して惰性で仕事をこなしたら惰性でトップになった
グレおじ族特有の無意識タラシスキルがカンストしてる
ここからしばらくしてバスに呼ばれて本気の殺し合いをしたり剣契との抗争で武の達人と出会ったりで人生が少し楽しくなる
忠実な部下
金髪隻眼の青年
路地裏育ちの子供で組長になる前のグレおじに拾われた
いったい何ーマくんなんだ…
その他今でも慕ってくる部下たちの中にはピンク髪隻眼の少女もいる
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