【ノエ・ウヴィルシン】
23歳。イシュガルド系エレゼン族。イシュガルド皇国出身。
グリダニア冒険者ギルドに登録されている冒険者。剣と盾を使った戦いを得意とする。
冒険者ギルドに登録されている冒険者であっても、自身の利益を第一に行動とする者も少なくない。
その中で、ノエは人一倍依頼に対して誠実であり、絵に描いたような善人として振る舞っている。
そのため、ギルドに登録して半年が過ぎた頃には、ギルドの構成員にも『信頼できる冒険者』として一目置かれるようになった。
ノエは、常に自身の行動が『正しい』ものであるかを意識して行動する。彼が保護している少女との関係も、元はといえば自身の『正しさ』から放っておけないと思った故の行動だった。
そんなノエの幼い頃の夢は、正義の味方になることだった。だが、それは彼にとっては、己を取り巻く世界に対する必死の抵抗でもあった。
***
ノエは、グリダニア出身のエレゼン族ではない。彼はイシュガルド皇国の貴族の子供だった。ただし、彼は正妻の子供ではなく、妾の子供として生を受けた。
イシュガルドの一般的な貴族において、愛人との間に子供が生まれるのは珍しいことではない。
だが、通常の貴族なら放逐するところを、彼の父親は愛人とその息子を別邸に匿い、貴族と同等の裕福な暮らしを与えた。それが、通常の貴族との大きな差異であり、後の悲劇の種となった。
己の出自がそのような複雑なものであると知らずに、ノエは何の憂いもなく成長していった。優れた剣の腕を持つ伯父を武芸の師として、時折屋敷に訪れる父に土産をねだり、母との優しい時間を過ごす。それが、幼いノエにとっての当たり前だった。
とはいえ、そのような平和な時間は長く続かなかった。妾でありながら男子を産んだノエの母と、正妻でありながら娘を産んだ正妻との間に生じた亀裂は密かに深まり、やがて取り返しのつかない断絶となった。
ある日、父の正妻である女性は、妾が暮らす別邸に乗り込んできた。彼女は、自身の夫を誘惑し続ける雌狐に、一言言ってやらねばならないと常々思っていたのだ。それは、本来なら二人の妻の口げんかに終わるはずだった。
しかし、何が一体切っ掛けとなったのか。当時、茶会という体裁で妾と話をしていた正妻は、突如身もだえしたと思うと、おぞまき竜へとその姿を変じたのだった。何が起きたかを理解する前に、ノエの母親は竜と化した正妻に体を引き裂かれた。
イシュガルドにおいて、竜へと変じるのは異端者の証だ。理由は定かではないものの、屋敷を守護していた兵士たちは、竜に変じた異端者を始末するためにすぐさま剣を手にとった。
幸い、兵士の奮闘の甲斐あって、竜に変じた正妻は無事に仕留められた。しかし、彼女にとどめを刺したのは兵士ではなく、ノエであった。
既に瀕死であった正妻に襲われかけた彼は、咄嗟に自身の側に転がっていた剣で彼女を仕留めたのだ。
竜に変じていたとはいえ、人を殺めた。その事実は、ノエが大人になってからも、彼が剣を人に向けるのを躊躇する大きな理由となった。
竜は無事に仕留められたものの、事件はそこで終わらなかった。
貴族であるはずの正妻が異端者に変じたとあれば、夫であるノエの父とその家名には大きな傷がつく。そこで、ノエの父は自身の家を守るために、竜に変じたものを逆転させた。すなわち、妾が正妻を妬んで異端者へと墜ち、正妻を手にかけたのだと。
その偽装工作により、妾は異端者の烙印を押され、ノエは異端者の息子となった。
異端者の関係者も、また異端者である。当時八歳の少年を尋問した異端審問官はそのように結論をくだし、ノエの父もまた、その判決に否を言わなかった。
結果、ノエは竜であるかどうかを判別するために、クルザスの急峻な崖から突き落とされることとなった。
幸運なことに、崖から落ちて潰れるのを待つばかりの運命であったノエは、崖下を彷徨っていたルガディン族の老傭兵
――ウヴィルトータに助けられた。
落下してきた少年は、ウヴィルトータが操る黒い使い魔によって救出され、それ以後ノエはウヴィルトータと共に行動するようになる。
傭兵として戦いの中に身を置いていたウヴィルトータは、ノエを決して甘やかさなかった。ノエが望めば、ウヴィルトータは己の武器である鎌を振るい、実戦とは何かを教えた。仕事の手伝いがしたいと言えば、遠慮無く戦闘要員として勘定した。
一方、ウヴィルトータはノエの精神的な揺らぎにも感づいていた。
偽りの幸せに甘んじていた自分と、己を騙していたばかりか助けようともしなかった父への怒りや失望。それらを拒絶するあまり、飢えた子供のように『正しさ』を求めるノエの姿を知るウヴィルトータは、彼に何度も現実の残酷さを突きつけ続けた。
それでもなお、己の生き方を変えようとしないノエを、時に母のように導き、時に戦友として支えながら、ウヴィルトータは彼を一人の青年へと育てていった。
第七霊災を経て、病がちとなったウヴィルトータがついに亡くなり、ノエは自立を余儀なくされた。
しかし、彼には目的がなかった。傭兵として日々の稼ぎを得る技術はあれど、ノエは自らの人生における具体的な道筋が見えていなかった。
彼が求めているのは、自身が『正しく』あること。ただそれだけだ。だが、具体的に何をどうしたいのかという自発的な欲求が彼には欠けていた。
ウヴィルトータが亡くなった数日後、ノエはクルザス中央高地にて、傷だらけの姿で彷徨っている幼い少女を見つける。何やら訳ありらしい少女は記憶を失っており、自身の名すら分からないと狼狽えるばかりだった。
困っている子供がいる。ならば、助けなければならない。己の中の正しさに従い、ノエは少女を保護する決意をする。
身につけていた服に辛うじて残っていた縫い取りから頭文字を読み取り、ノエは少女に『オデット』という仮の名前を与えた。オデットもやがてノエを信頼するようになり、彼を『兄さん』と呼び、慕う姿を見せるようになった。
自分だけならともかく、このような子供に野宿をさせ続けるわけにもいかない。そこで、ノエは最も近くにあったグリダニアに来訪し、自身を冒険者として登録して、日々の生活の糧を得るために依頼を受けるようになる。
オデットを助けたのは、それが正しいことだからだ。ノエはそのように信じて行動していた。
だが、その救済は、本当に正真正銘の嘘偽りない『正義』だったのだろうか。
かつて、誰からも救われることのなかった幼い自分を救いたいがために、誰かを助けて己の心の傷を慰めていただけではないか。
その疑問を抱くようになったとき、ノエの中の『正しさ』は揺れ、天秤の針は問うだろう。果たして、己が目指す『正しさ』とは何かと。
***装備変遷図***
| 部位 | ~1話その3まで | ~2話まで | 3話その2より |
|---|
| 頭 | (描写なし) | (描写なし) | コバルトマスク |
| 胴 | ドクトルチェーンメイル | ドクトルチェーンメイル | オルタード・コバルトキュイラス |
| 手 | ドクトルヴァンブレイス | ドクトルヴァンブレイス | オルタード・コバルトガントレット |
| 脚 | ドクトルトラウザー | ドクトルトラウザー | ウールディフェンダートラウザー |
| 足 | ドクトルソルレット | ドクトルソルレット | オルタード・コバルトサバトン |
| 武器 | インクイジタータック | ブラスヴァイキングソード | チタンバスタードソード |
| 盾 | サラシアンシールド | サラシアンシールド | チタンカイトシールド |
| 7話後の閑話にて | 10話その1にて | 13話以後(新調している) |
|---|
| コバルトマスク |
| オルタード・コバルトキュイラス | ディファイアントコート | ディファイアントコート |
| オルタード・コバルトガントレット | ディファイアントグローブ | ディファイアントグローブ |
| ウールディフェンダートラウザー | ディファイアントトラウザー | ディファイアントトラウザー |
| オルタード・コバルトサバトン | ディファイアントブーツ | ディファイアントブーツ |
| チタンバスタードソード | ヘヴィアロイ・ロングソード | ヘヴィアロイ・ロングソード |
| ヘヴィアロイ・カイトシールド | ヘヴィアロイ・カイトシールド | ヘヴィアロイ・カイトシールド |
1話その3にて、妖異との戦闘中に剣を折る
2話、レドロネットとの戦いの際に毒により剣と盾が溶ける。あわせて防具を全面的に買い換え。
7話ドルヴァ戦にて、盾を破損。買い換える。
9話に帝国軍に捕まった際に剣と防具を破壊される。
12話のマザーボム戦にて防具・武器全損。武器・防具は同じ物を用意してもらった。
***私服***
| 部位 | 私服 |
|---|
| 頭 | (描写なし) |
| 胴 | スプリングシャツ |
| 手 | なし |
| 脚 | スプリングボトム(ベージュ系染色) |
| 足 | アイルファーマーブーツ |
| アクセサリ | 左の親指にシグネットリング |
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