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mikagami3
2019-04-08 21:16:20
1133文字
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エスコンZERO ピクサイ
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8月の昼下がり
即興二次小説(
http://sokkyo-niji.com/)で即興で書いた作品を、少し手直ししました。
サイファーの息子ブレイズと、半同棲しているピクサイの夏の昼下がり
8月の昼下がり
夏の日差しに、木陰を探して彷徨う。
ようやく入れた休日に庭仕事に集中していたら、いつの間にか熱中症一歩手前だった。
日陰に入れば何とか過ごしやすいはずだからと、男は唯一の庭木に近づく。
「おや。こんなところで何をしている?我が息子」
「パパ!」
柔らかな視線で見つめられた青年は、嬉しそうに返事をした。
黒髪に青い目の、何処にでもいそうな優しい顔立ちの青年だ。
その父親は対照的に白く儚い雰囲気で、今にも夏の日差しに溶けてしまいそうだった。
「パパ、草むしり終わったの?」
「だいたいは。疲れたし、暑いから休憩だ・・・少し無理をしすぎたかな」
「大変!パパ、はい。ちゃんと水分とらなきゃ」
「ありがとう」
あまり似ていないこの親子は、実は最近自分たちが血縁関係にあると知ったばかり。
息子、とわざわざ呼んだのは、父であるランスロットが彼を息子だと確認したいからだ。
自分の息子。かつて愛した女性が、自分に秘していた子。
自分には全く似ていないけれど、息子・レオンハルトは、別れたあの時の彼女にとても似ていた。
「パパ、おじさんは?」
「買い物に行ってもらった。お前が気まずいだろうと思ってね」
「そ、そんなこと
……
ないよ」
「無理をするな。俺たちは、少しばかり、世間とは違う家族だ。急に受け入れられるとは思わない」
「パパ
……
」
「お前にパパと呼ばれるのも、照れ臭いやら恥ずかしいやら、なんだかくすぐったいしな」
息を飲むほどの美貌で微笑む父の、その横顔に息子は胸が痛くなる。
自分がこの世に生まれたのは、母が父を騙したからだと知っている。
こんなにも優しく美しい父を騙してまで、母は自分という証が欲しかったのだ。
《ランスロット・シュミットという人に愛された》証が。
何もかもが信じられないことだ。
この美しい人が父であること。
父が、伝説とも言うべき逸話にまみれた傭兵だったということ。
今は、かつての同僚と深い関係にあること。
父にとっての自分の存在が受け入れがたい事実であると同時に、自分にとって父を構成する全てが信じがたい。
でも、それでも息子は父を愛したいと思っていた。
人として、この人は好ましい人だ。
「レオン、お前は暑くないか?」
「俺は、平気。来週からはもっと暑い場所に行くんだ。今から暑さには慣れないと」
「そう
…
だな。頑張れ」
「うん」
「ただいまー」
「あ、おかえり」
「おじさん、おかえりなさーい」
買い物に出ていた、父の元同僚が帰ってきた。
きっと彼とも、いつかちゃんと仲良くなれる。
それだけは、このうだるような暑さの中でもちゃんと分かっていた。
8月の木陰は、爽やかに彼らを受け入れていた。
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