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mikagami3
2018-12-15 22:06:44
1353文字
Public
エスコン6 イリタリ
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花数えの色を読む~内緒話~
ACE6二次創作短文。ごくごく短いイリヤ×タリズマン。
以前アンケートしたお題で投票してもらった「内緒話」を彼らなりにしてもらいました。
続きの短編も計画中
花数えの色を読む~内緒話~
最初は、一輪の薔薇だった。
いや
…
《あの時》の花束から数えるなら、あの薔薇は3度目。
《あの時》は、彼が腕に抱えきれないほど、たくさんの薔薇を使った花束だった。
送り主の名は無かったが、今なら彼にも分かる。
戦時下にあって、朝露に濡れたように瑞々しい、清らかな白と平和を願う黄色の薔薇。
次に贈られたのは、手ずから渡された真紅の薔薇。
ビロードのように上品な光沢の花弁とふくよかな香りを、彼はまだ覚えている。
あれも両手に抱えきれないほど立派な花束だった。
何より忘れられないのは、真摯な瞳とあまりにも情熱的な愛の告白だったけれど。
ある日の午後、訓練の後に届けられたのは赤いチューリップの花束。
ずいぶんかわいらしい花を選んだな、とその時は思った。
幼い頃に庭に咲いていたチューリップのことを思い出し、懐かしくも思った。
素直に受け取り、しばらく家の自室に飾っていた。
退屈な──しかし緊迫感に満ちたパーティーで差し出されたのは、豪奢な薔薇の花束の一輪。
顔のいい男は豪奢な花も似合うものだ、と見上げていた。
それに気づいた彼は、花束の中から一輪抜き取って、胸ポケットにねじ込んだ。
お裾分けだ、と気障っぽく片目をつぶりながら。
花に罪はないし、そのまま貰って、戦友たちとのクリスマスパーティーへ向かった。
バレンタインには高級そうなチョコレートと一緒にパンジーが送られてきた。
これは花の砂糖漬けだった。
添えられたメッセージカードには、頬が紅潮するような愛の言葉と「砂糖漬けは手作りだよ」の文字。
(菓子作りもするとか、完璧超人か)などと思いながらチョコレートを口に放り込んだ。
華やかな香りとコクのある苦みに舌つづみを打ちながら、自分の送ったチョコでは不釣り合いだと反省もした。
仲間たちにバレると捨てられそうだったので、勿体ないがその日のうちに全部食べてしまった。
そして今日は、グラジオラスの花。
メッセージカードには2週間後の日付と、地図。
タリズマンは首を傾げた。
地図には印がついている。此処に来いと言うことなのだろう。
だが、用件が書いていない。何の用で呼び出すのだろうか。
グラジオラスが、意味ありげに微笑んだ気がした。
「グラジオラス。グラジオラスね
……
うーん?」
特に好きな花でもない。誕生日に関係するわけでもないし、故郷の地域に自生しているわけでもない。
意図を探るべく、まずグラジオラスをネットで調べようとスマホの画面を軽く突く。
とん、とん。
行きついた先のページでは花言葉が載っていた。
【グラジオラスの花言葉:密会・用心・思い出・忘却・勝利】
「
……
回りくどい誘い方しやがって」
悪態をつきながら、しかし唇は微笑んでいた。
理由は、メッセージカードには可愛らしい花が印刷されていたからだ。
その花は、タリズマンの実家の庭に植えられていたこともあって良く知っていた。
シザンサス。
母親に教えられたその《花》の花言葉は【一緒に踊ろう】
「天使と踊ろうってか。まったく、気障な野郎だ」
花瓶を探そうと家の奥に歩きながら、彼は考え始めていた。
回りくどい内緒話が好きなあの男に、どんな返事を贈ろうか、と。
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