はるれに
2024-06-05 23:29:25
610文字
Public #SS(1〜30)
 

くせ


 吸い終わった煙草を灰皿に押しつけて燃やす癖。キャスターの指先から青い火花が散る。
 味覚の嗜好。近頃は辛口の酒を好んで口にする。つまみと酒瓶を手にしたキャスターに、お前もどうだと晩酌に誘われる。オレはオレで自身の舌に合う酒を持ち、キャスターの部屋へ赴く。
 笑い方。オレはそんな風に笑わない。
 同じオリジナルを元にしていても違いが出るのはクラスが違う故か、切り出された年齢故か。他者にはひとくくりにされがちだがオレ達は違っている。まだなっていない記憶等を閲覧してもオレという実感はない。英霊であることクー・フーリンであることは理解している。いつも通り役割をこなすだけだ。
 キャスターとの違いを数える。もっと違っていれば自分大好きかよと自嘲しなくて済むのだが。
 キャスターは余裕のある笑みを浮かべる。知らない。けれど知っている。キャスターはオレが諦めるのを待っている。長々と言い訳を並べ、同じだから居心地が良く、違うから否定できるのとどちらもどっちでもいいじゃねぇかと切り捨てる気だ。
 霊基と霊核からつくられた心臓が鳴っている。
 目の前の男に惹かれているのが腹立たしい。以前はこうではなかった。
 オレはキャスターから酒器を奪い取ると一気に煽った。不味い。喉が焼けるように熱い。

















タイトルはお題配布サイト( https://nanos.jp/iwantfly/ )より