はるれに
2024-06-01 01:47:53
693文字
Public #SS(1〜30)
 

視線


 最近プロトが構ってくれない。他のサーヴァントと連れ立ってシミュレーションに行ったり、帰ってきてもああして楽しげに話し込んでいる。
「またアイツらと話してる……
「おい、そんなに見てやるなよ、過保護だぞ」
「うるせーランサー、可愛いものは自然と目に入るんだよ」
「じゃあオレを見とけよ」
「お前は可愛くない」
「おい」
 食堂のテーブルをいくつか挟んだ先の席。談笑しているプロトをキャスターは眺めていた。
 眺めていた、という表現は生温い。穴が空くほど見つめていた。プロトと話していたサーヴァントがキャスターとプロトを交互に見やりおろおろしだすほどガン見していた。
 がたん、と椅子を鳴らせてプロトが立ち上がる。
 お、怒ったか? キャスターはプロトがやってくるのを胸を高鳴らせて待った。

「よぉ、プロト」
 プロトはキャスターのケープを掴んで引き寄せると、キャスターにだけ聞こえるよう耳元で囁いた。
「部屋に戻って待っててくれ、後から行くから」
 顔が離れるときに互いの視線が交差する。
 怒りでも呆れでもない、プロトの瞳に滲んだ色をキャスターは正確に受け取った。
「わかっ、た。……あ、ランサーオレ先に部屋戻るわ」
 ひらひら手を振り、どことなくふわふわした足取りで食堂を出ていく背を見送り、ランサーはプロトを振り返る。
 にやりと笑うプロトに全てを察したランサーは、ひゅう、と口笛を一吹きして冷やかした。お前キャスターの扱いが上手くなったな。


















タイトルはお題配布サイト( https://nanos.jp/iwantfly/ )より