ある朝、いつものように散歩をしようと外に出たところ、雨が降っていた。小雨なら平気な顔をしてそのまま歩いていくのだが、その日は傘がいると思えるくらいの強い雨だった。やむなく普段使っている黒色の折りたたみ傘をさして散歩に出かけた。
歩きだして数分も経たない内に頭に雫が落ちてきた。傘をよく見ると雨を弾かずに染み込んでしまっている。これでは使い物にならない。仕方なくコンビニに傘を買いに行った。
よくよく考えると傘を買い替えるのは久しぶりのことだった。ビニ傘の値段は記憶の中の値段とあまり変わってはいなかった。それよりもびっくりしたのは折りたたみ傘の値段であった。ビニ傘の2倍以上である。こんなに高いと売れないのではないかと思えるほどである。たた、そのコンビニでは折りたたみ傘は無かった。全部売れたのか、入荷を待っていたのかはわからない。ともかく、ビニ傘を買った。
散歩の続きをしようと傘をさしてみて、ふと、空を見上げた。今まで使っていた黒色の折りたたみ傘だと空なんて見ることは出来なかった。久しぶりに曇天を見た。晴れのときの青さや雲の白さとのコントラストなんてものはない。全面白色の空の中にあるうごめきや僅かなコントラスト、たまにはこんな空も悪くないと思った。
ただ、私は気圧差で体調がすこぶる悪くなりやすいので、この症状がもっと軽いものだったらこの曇天をもっと愛することができたのになと感じながらも、雨の中を歩いていくことにした。
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