ななき
2024-05-16 17:45:39
1030文字
Public 吸死
 

瀬戸内の地誌にみられるおみやさん伝承について(ある図書館報コラムより)

タイトル通り。
★特大注意★一から百まですべて二次創作・捏造です。ミラさんについて多々捏造していますのでご注意ください。

 おみやさん、といえば神社を親しみを込めて呼ぶ庶民の言葉である。しかし、瀬戸内のある一帯の地誌では『おみや』という具体的な人物、または神を指しているかのような伝承が散見されることをご存知だろうか。
 この『おみやさん』、古くは戦国時代末期の文献におけるそれらしき記述を始めに、昭和の直前まで長きに渡って伝承・口伝が残る。概ね若い女性もしくは若い女性に神や仏が変化した存在として記され、地域限定とはいえ人口に膾炙する一方、研究が進んでおらず、由来不明な伝承が大部分で謎が多い。本稿ではこの、『おみやさん』について紹介したい。

 『おみやさん』伝承で最も多く残るのは、村を訪れた娘に悪さを働こうとした不届き者が、その娘自身に懲らしめられ改心する、弘法大師の説話に類似するものである。実は徳の高い尼であったとする話、地蔵尊の化身であったとする話、突飛なものとしては落ちのびた九尾の狐であったというものまである。
 妖物を鎮めた話も多い。面白いのは、娘姿のイメージから連想するような祈りや舞によって鎮めたのではなく、その武芸によって鎮圧したと伝わる点だ。おみやさん伝承は他にも岩を割ったり崩れた橋を支えたりと、女人でありながら怪力の持ち主と表される話も多く、巴御前を彷彿とさせる豪傑のイメージが広くあったようだ。

 剛力・武芸の逸話の多いおみやさんであるが、姫神らしい風習にも関連がある。
 兵庫県南部のある神社に、嫁入り行列を模した祭りがある。これは祭神であるコノハナサクヤヒメの祭祀だが、地域のお年寄りは『おみやさんの嫁入り』と呼ぶのだ。そして、祭りの日は雨になるともいう。おみやさんは水神である龍に嫁いだから、その祝いの雨だということらしい。
 コノハナサクヤヒメの夫、ニニギノミコトは多くの場合農業神とされ、水神とする例は類がない。現在は、この地方で何れかの神と混同され、豊作をもたらす水神としての性質を付与されたとする説が有力である。興味深い例だが、地域に残るおみやさん伝承を鑑みればむしろ、『おみやさん』本人、もしくはそのモデルとなった女性が実際に、龍つまりは治水を司る有力者に嫁いだ出来事が元ではと推測したくなってこないだろうか。
 なお、同様におみやさんを祀る、もしくは関連する社はいくつか存在している。それらは、縁結び、学業、武芸上達の御利益があるとされ、今でも地域で親しまれている。
 愛媛県東北部では狼を伴う姫神としての――
(以下略)