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出口
2024-05-15 17:11:43
1820文字
Public
夏虎
「連れだって地方任務へ行った呪専夏虎SS」
呪専パロ夏→→→虎。
タッパもあって足の長い夏油先輩は、いつも机の下に収まり切らない足をしている。
五条先輩もデカいし足長いけど、夏油先輩は幅のあるズボンを穿いているから余計だと思う。
よくよく見ていると、意外と足癖が悪かったりもする。持て余すのだろうか? 机の向こうにニョキっと突き出た足首が交差していたり。
そんな夏油先輩だから、公共の交通機関でもその足の収納はなかなかの難題のようで。
だからと言って電車のなか立っていても威圧感あるし、吊り革に顔をぶつけそうで危うくもある。
それでも幸いにして今日の任務に向かった土地は山深い田舎にあり、近づくにつれて電車内も空いて来たし、駅からのバスだってほとんど人の乗り合わせない閑線だった。
今日は俺と夏油先輩の同行2人。俺ら1年だけの任務の時は補助監督さんがついてくれるけど、夏油先輩や五条先輩それから2年の乙骨先輩ら特級についてもらえるなら学生だけの遠隔地任務も許されてた。
特に俺は宿儺のせいで制限がかかることもあるみたいなんだけど、特級の
――
俺を処刑することの出来る術師と同行ならばそれも限定解除されるらしかった。五条先輩曰く、むしろ山の中で宿儺が暴走してくれれば即時処刑が叶うから総監部は願ったりかなったり
……
なのらしい。言ってた五条先輩自身がすげぇキレてたけど。
ともかく、そんな感じで今日は夏油先輩との2人旅だった。
田舎の土地といっても電車で大きな町と繋がっていて、その時間はちょうど地元の高校生数人が乗り合わせていた。
いつもならバスの座席が空いてる時、夏油先輩と俺はそれぞれ別の席にゆったりと座るけど、その日の先輩はイスに座りかけた俺を更に後ろへと促した。
俺は戸惑いながらも車両の後ろへ向かい、後ろのドアの近くの席に座りかけ、更に後ろだと促されるままとうとう一番後ろの席に押し込まれるよう座った。
路線バスの一番後ろの席は、5人掛けになっている。
いつもなら先輩は、空いていても一番後ろの席など選ばない。何故ならその長い足を通路側にはみ出させて座れるくらいがちょうど良いから。
一番後ろの席に来てしまうと、横に通路がないからそうもいかなかった。
駅のバス停留所前で見かけていた男子高校生数人が乗り込んで来ると、夏油先輩は一番後ろの席を陣取るようにして5人掛けの真ん中、つまり通路のドンつきに座った。
うわ、完全に俺らで席塞いじゃってんじゃん
……
とか思ったけど、先輩は何も言わずしれっとしている。
混み合うバスではないから迷惑にはならないだろうし、他にも席があるのにあいつらが近くに座ることも無いだろうけど
――
いつもならしない先輩の行動に、俺は首を傾げた。
夏油先輩みたいなデカい人がバスの一番奥、目立つところに鎮座してるのはなんか不思議な迫力があって、実際誰も近づかなかった。
目も合わせないようにしてるのだろうか? ってほど、二、三度チラ見された以外は背中を向けられている。
俺らこの辺では
――
っていうか、まず見ない制服だし、地元高校生としては気になっただろうから全く見られないってのも不自然な訳で。
すぐに発車したバスのエンジン音に紛れるようにして、
「先輩、ちょっと怖い」
彼らを代弁するみたいに言ってやると、驚いたような目が俺を見た。
「怖い? 私が?」
ずっと黙りこくっていた夏油先輩だけど、やっと開いた口から届いた声はいつもの穏やかなものだった。いつも優しいんだよなあ、声。
「別にここに呪霊が出るわけじゃ無いんだろ? 警戒しすぎじゃない?」
俺が言うと、
「呪霊は出ないけどね、変な虫がいるんだ」
夏油先輩は答え悩ましげにため息をついたけど、言ってること良く分かんねー。
夏油先輩がこっち見た隙を縫うように、男子高生の一団から1人がこっち見たのと目があって「アッ」て思ったら、
「虎杖?」
カットアウトするようにして、夏油先輩の顔が間近に迫ってきた。
「うわぁ!」
バスはそれなりに揺れてるし、近すぎる顔に俺は思わず仰反る。だけど俺の反応を見た夏油先輩は笑って、
「まだ怖い?」
揶揄う口調で言うから、俺はめちゃくちゃバツが悪くなった。
ジリジリと後ろへ下がり、冷たいガラス窓にゴツンと後頭部くっ付ける。
俺が端へ寄ったから、夏油先輩との間にはちょうどひと席ぶん空いたけど、先輩のガタイがデカいから妙な迫力があって全然離れた気がしなかった。
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