戌丸アット
2022-05-29 23:32:27
3339文字
Public 戦国basara
 

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三家(戦国basara)

!!!注意!!!
・現パロですので関係性や態度など違和感があるかもしれません
・二人が付き合う前なので腐要素が少ないです
以上の事が大丈夫であれば、お進み下さい









左近は頭を抱えたくなった
彼は名を島左近
日本史が好きであれば耳にするであろう戦国武将と同姓同名だと茶化される彼は豊臣コーポレーションと言う玩具会社の経理部社員である
そんな彼は今、とても気まずい空間もとい会議中であった
本来、部署同士で会議は中々しないが豊臣コーポレーションと言う会社は、営業部だけ経理部と話し合い円滑に仕事が出来るように会議をする事があった
だが左近が頭を抱えたのは、左近の上司と営業部社員の名前にあった

遡る事30分前、仕事を覚える為に参加する事になった会議の開始直後の事であった

「営業部の徳川家康です、今回は宜しく頼む」
「へ!?あー"石田三成"に合わせての自己紹介ギャグっすか?いきなりぶっこみますね!」
「えっと
はぁ」
「あ、あれ?」

ノリに乗ったのに静かな状態に戸惑う左近に対して上司の"石田三成"は呆れたように溜息をはいて威圧感のある眼差しを流し目で寄越してくる
そう、左近の上司の名は石田三成と言うのだ
社内では知らない人が居ない程に妥協を許さない鬼社畜、戦国武将と同姓同名、彫刻のように美形といった様々な理由で社内で有名人なのである
そして左近はそんな有名人な上司の名前から連想されやすい人物の1人である徳川家康と"冗談"で営業部の社員は名乗ったのだと思ってしまった
だが違ったのだ
左近や三成のように同姓同名の社員は社内に居たのである

「はは、いや、すまない、冗談に思うだろうがワシの名前は本当に徳川家康なんだ」
「え」
「いやー石田殿が入社した当初を思い出すなぁ、あの時はよく弄られたっけ」
「ま、マジかーっ!いや!す、すんません!まさか実名が徳川家康、さんダナンテっ!」
「ははは、大丈夫だ、よく言われる!気にしないでくれ」
「ふんこれより会議を始めるおい、左近!いつまで惚けている!」
「あ、はい!俺は経理部の島左近っす!宜しくお願いします!」
「はぁ………まずは1月の経費の確認からだ」
「あぁ、A-5だな」

と言った具合なのである
経費の確認から始まり、削減が可能なのか、用途の記載に誤りや無駄はないか等を話し合っているのだが、今の左近は名前や状況の衝撃から抜け出せないまま、いつの間にか休憩が入っていた

「っはぁ〜疲れた
「島殿、良ければ珈琲はどうだ?」
「あ、すんません!俺が入れないといけないのに!」
「ははっ気にしないでくれ、好きでやってるんだ!砂糖とミルクはいるだろうか?」
「あ、じゃあ頂くっす!」

会議室からは退出できずに机に顔を伏せているとコーヒーメーカーで入れてくれたらしき珈琲が目の前に置かれ、スティックシュガーとミルクを置いてもらいながら左近は目の前の男を見た
営業部の徳川家康と話してみた印象は兎に角、仕事の出来る重要な人材なのだと言う事であった
三成は裏表のない性格や気性の激しさから目立ちやすいが、左近はこの男も三成とは逆の形で目立つのではないかと思った
兎角、笑顔が眩しく人付き合いが上手く、言葉遣いは実直的な印象を与えた

だか左近は不思議でならなかった
そもそも営業部に徳川家康と同姓同名の男が居るとは思ってもみなかったのだ
実は左近は入社仕立ての頃の一年間の配属先が営業部であった
その為、余計に自身が家康を知らない事が不思議でならなかった

「あの会議と関係ない事、聞いてイイっすか?」
「ん?なんだろうか?」
「俺、去年、営業部だったけど家康さんの事を知らなかったんだ転職してきたすか?」
「あぁーそれは丁度、総務の半兵衛殿が体調を崩されたから人手不足だからと営業部代表で手伝いに行ってたんだ、一年も居る事態になってしまったが」
「あー!なるほど!」
「そういえば去年もよく弄られたよ」
「え?あ、名前の事っすか?」
「あぁ、今のような休憩中によく関ヶ原の戦いは起こすなよと言われてなーははは」

ははは、と釣られ笑いをしながら左近は内心、洒落になってないよ!と冷や汗をかいた
史実の"徳川家康"と"石田三成"と言えば不仲と言うイメージである
近年では不仲と言うのは後世の創作ではないか?と言う声もあるが左近は歴史の嘘か真かではなく、単純に心配になった
上司である三成と言う男は兎に角、妥協と言う言葉を許さぬ程に豊臣に献身的な男なのだ
休憩も家康が上手く言いくるめたお陰で出来ている
しかし三成と言えば許可はしたが表情が全力で不服げであったのだ
鬼の形相と言っても良い程である
そして苛つきを抑える為か、三成はそそくさと煙草を吸いに席を外していた
だからこそ三成と家康が言い争わないか不安になっていたのも左近が頭を抱えていた理由の1つであった

するとそんな緊張が伝わったのか、それとも顔に出ていたのか家康は優しく微笑みながら話をサラリと変えてきた

「あ、そうだ、そういえば島殿もやはり石田殿に憧れて入社したのか?」
「え、え!?どうして分かったんすか?」
「我が社の社員には多いんだ、石田殿の母校の生徒がな、彼は学生時代から有名人だったから」
「家康さん、三成様と同級生なんすか?」
「えっ………あー急で悪いがワシは何歳に見える?」
「へ?」

話の矛先が尊敬している上司になり、興味も湧いてきた所で突拍子もなくOLのような質問をしてくる家康に左近はポカンとしてしまった
だが、もしかしたら三成と関係があるかもれしないと思い直すと、素直な左近は思った通りの年齢を言った

「んー俺と同じ25歳とか24くらいっすか?」
「あははは、28だ」
「あ、そうなんすか!?思ったより上っすねつか三成様より年上とは思わなかった
「まぁ、石田殿とはたかが3歳差なんだが童顔のせいか驚かれるよ、あ、話を戻すとな?ワシは彼と同じ学校に通ってたんだ、よく彼の噂を聞いた事あったし」
「なるほど!だから有名人発言すか?」
「あぁ、そういう事だ」

どうやら家康は左近の三成と同級生なのか?と言う質問で年齢を間違われている事に気付いたらしく、クイズ形式で分かりやすく訂正してきた
しかしそんな事よりも三成の噂と言う所が左近は気になった
が人生そう上手くは行かない

「でも噂って一体ど」
「そろそろ無駄話は終わりだ、左近!」
「ぶっ!!?み、三成様!?」
「ふん、早急に会議を再開するぞ」
「ぇえ!!!せめて三成様の噂だけでも良いじゃないっすかー!」
「いやーま、噂は所詮、噂だからな?気にする程の事じゃないさ」
「ちぇー
「また機会があればな?島殿」
「無駄口も大概にしろ!左近」
「っはーい!!!会議を再開しまーす!!!」

子供のように不貞腐れて再び机へと伏せて駄々をこねる左近に、苛つきを隠そうともせずに顕にする三成とニコニコと話を逸らす家康
そんな二人の対照的な雰囲気に、もやもやと胸に わだかまりを思えながらも振り払うように左近は廊下に響きそうな大声で再開の号令を発して、三成に脳天が揺れる程に強い拳を受けた




ーENDー





ーーあとがきーー
ボカロ曲「パレットには君がいっぱい」と言う曲を参考に書きました!素敵な曲なのでお暇があればオススメです!
いつもと雰囲気が違う気がするので、聞きながら読んで頂けたら雰囲気が出るかもしれません
実は曲の後半の「華々しく散った、この僕と、毒々しく散った、あの子とも」と言う歌詞の部分から、武将らしく処刑されて死んだ三成と病に苦しみながら病死した家康をイメージしたって理由だけで書きました(;・∀・)
余談ですが、この三成と家康は小中高大、全て同じ学校の先輩後輩です。
アンケート結果によっては続きます。
H27.4.7・アンケート結果が「遅くて良いから丁寧に付き合うまでを!」が多かったので続きます!