戌丸アット
2022-05-29 23:24:22
4780文字
Public 戦国basara
 

好青年の焦燥

三家(戦国basara)

家康の机の前に立ち、一冊の本を開いた状態で三成は静かに、そしていつも通りの低い声で訪ねてきた

「家康これは一体どういう事だ
「えっとそれはそのっ」

今、徳川家康は人生最大の危機とも過言ではない状況に陥っていた

と、その前に色々と遡らなければならない
今日は、家康は晴れて恋人同士に戻れた三成を部屋に呼んでいたのだ
それまでは家康のリコール、秀吉の復帰後の離脱などでかなり険悪な状態であったが半兵衛の説得もあり、家康が再び生徒会へ戻る事で前のような恋人同士へと戻る事ができた
しかし前々からプラトニックであった両者は互いの家に行っても、勉強会やゲームをするばかりで恋人らしい事など一切してこなかった
厳密には恋人同士でする事など恋愛経験のない二人には思いつかず、友達同士のような付き合いをしていた

しかしこれではいけないと家康は悟り、腐男子仲間の毛利にアドバイスと一冊の本を貰い受けた

「とりあえず家に誘え、そしてこの本を参考にするが良い、後の事は自己責任よ」

などと大変不安で不吉な台詞を吐いていても、まともに相談出来るのが毛利以外に居ないのだからしょうがない

そして家康は、貰った本を開いて腰が抜けそうになった
貰った本の内容は、人気のあるアクションゲームの二次創作で学園物なのだが、まさかのR18禁もので、しかも縛ってたりする系で腐男子と自負していた家康もこの直球さには、すぐに本を閉じて開いていなかった
そして毛利に突き返すつもりだったのだ

なのに
なのに
なのに
よりにもよって三成に何故かその本を見つかってしまったのだ

「あの三な」
弁明は聞いてやる」
「あ、あぁあのな、実は三成との事を相談したらそのその漫画を貸してくれた、んだ」
……………貴様は」
「ん?」
「こういうのが趣味なのか?」
………へ?」

一瞬、腐男子がバレたかと思ったが漫画の受けが縛られている場面で妙に納得してしまった
ようは三成は、SMのような事は興味があるのかと言っているのだろう
しかも漫画も妙にリアルに近いので、実践向きなのが嫌になってくる

「あ、SM的な趣味は一切ないぞ!」
「だが
「それは貸してもらったと言うか押し付けられた漫画がそういう内容だっただけだ」
「押し付けられたのか」
「え?まぁ、な」
……………そうか」

家康は内心、毛利に謝らなくとも良いのに謝罪しつつ、何故かページを捲る三成にはっきりと返した
と言うか、私物ではないとはいえ目の前でBL本を真顔で読まないで貰いたいと、とりあえずジュースとコップを乗せたお盆を机に置く
そもそも今日だって普通に遊ぶ予定だったし、本は返す予定の物なのだ
さっさと本など忘れてゲームでこのモヤモヤをスカッとさせたい

「三成!そんな事よりゲームをしよう?」
「ん?あぁ」

ガッツリと読んでいたわりに三成は話しかけるとアッサリと本を置いてくれたので良かった
そう思った瞬間、第二波が来た

そういえばこの本のモデルはこのゲームだな」
「ぶっ!!!!!っごほ!けほ!」

はい、そうでした

と言っている場合ではないし、完全に家康のミスである
ちゃんと借りた漫画の内容を把握していなかった事も問題だが、スルーしない方もしない方だ
と言いたいところだが相手は素直で真面目な三成なのだ、無理な話である

「い、いやー!すまん!そうみたいだな!ゲームを変えよう!な!」
「何故だ?確かこのゲームのキャラを上げたがっていただろ?確かこの縛られて」
「わ!わー!わー!そ、そそそう言う事を平気な顔で言うなよ三成!」

ここまで来ると最早、わざとかと疑いたくなる
むしろ何故、平気な顔をしていられるのかすら不思議なのだ
家康が意識し過ぎているのはあるが、三成は完全に気にしていないように見えるのだ
男同士で付き合っているとはいえ、無理な物は無理な筈である

「何故だ?さっきから変だぞ、貴様」
「だ、だって部屋の変な物を見られたら誰だって動揺するだろう?」
「私の家に変な物などない」
「あぅそれもそうだよな
………まさか家康、貴様………
………ん?」
「こういう事がしてみたいのか?」
………………へ?あ、え?え?」

突然、手を掴まれたかと思うと思いの外、近くに三成の顔があり、初めて今日、家康は三成の顔をまともに見ていない事に気付いた
そして気付いたと同時に目の前は三成の顔で埋め尽くされていた
咄嗟に目を瞑ると唇に柔らかく温かで少しむず痒さを感じた
しかしそのむず痒さは嫌ではないなぁと惚けているとベロリと舐められ、あっという間に口の中へと何かが入ってきたかと思えば舌に絡まってくる

「ふぁっ!みふ、なり?」
「っ大人しくしていろ」
「ん、そ、そんな事を言われてもどうしたらいいか

家康が目を開くと三成が離れていく所で、三成の舌から糸が垂れており自分の口と繋がっているのを見て、容易に耳まで顔を赤められた
口の中へと入ってきていたのは三成の舌だったのだとはっきりと表していたからだ
そんな事で首まで真っ赤に染まっている家康の頬や額に口付けた後、三成は家康を自らの方へ引き寄せる

「うわっ!?どうしたんだ?三成」
「机が邪魔だ、口付けがしずらい」
「ま、まだするのか?」
………嫌か?」
「嫌じゃない!けど………は、恥ずかしい、だろっ」
「ふっそうか」
「っん!んぁ

舌と舌がぶつかる度にビクつく家康の体を引き寄せ、抱き締めたままゆっくりと後ろのベッドにその体を倒して行く
その自然な動きに疑問を持ってしまい、気付けば口に出していた

「ん、三成なんかお前、手馴れてないか?」
「何を言っている、私は童貞だぞ」
「どっ!?ふふ、お前と言う奴は本当に素直な奴だなぁ」
「ふん、良いから黙っていろ」
「んぁ」

まさかの直球的な童貞だと明かさせるとは思わず、呆れた笑い声を漏らしながら家康は三成の首におずおずと腕を絡めた
絡めたお陰で自然と距離が縮まり、目と鼻の先で話していると再び口を塞がれた
一度塞がられると、やはり舌を絡め取られ無意識に出てしまう漏れる声に、また体が熱くなるのを感じながらも家康は三成を止めなかった

内心、感動していたのだ
今までプラトニックな付き合い方と言う理由ではなく、腐男子の自分がまさか漫画で見ていた事を体験するとは思ってもみなかったのだ

「家康っ
「ふはぁっ」
「大丈夫か?」
「ん、大丈夫だ」
「そうか、なら次だな」
「え?」

その言葉の次の瞬間、三成の信じられない速さで家康のベルトは抜かれ、腕は上に上げた状態で動けなくなっていた
それはもう素晴らしい程の早業に一瞬、家康は何をされたか分からなかったが、すぐに合点がいった
漫画と同じ事をしようとしているのだ

「ちょっ、ちょっと三成さん!?」
「少し待て、もうすぐ読み終わる」
「いやいやいやいや!読み終わるって、それ確かSM要素がっ!!!」
「SMについてはよく知らんが痛くはしないよう努める、安心して寝ていろ」
「安心出来るか!!!てか、おめぇ童貞だって言ってたろうが!これ、解けって!」

どうやったのか、力を抜いても引っ張っても解けないベルトに苦戦しながら身を守るように腕を胸元へ移動させる
しかし体は既にベッドに寝かせてある上に、三成が退こうとしない為に起き上がれないのだ
それでももがいていると、三成が家康の顔に手を添えて瞳を覗き込むようにして訪ねてきた

「家康、私に抱かれるのが嫌か?」
「なっ!?………やっぱりワシが下なのか?」
少なくとも私はお前を抱きたい」
……………そういう事、平気な顔して言うなよ」
「っ平気なものか!」

はっきりと抱きたいと言われて、顔を再び林檎のように赤くして嫌味を言ってみると家康の縛ったままの手を三成は自らの胸に当てさせてきた
するとトクントクンと少し早めの心音が聞こえてくる

「あドキドキしてるワシと、一緒だな」
「家康」
「ん?」
「抱かせてくれ」

やはり真っ直ぐに見つめてきながら言われてしまっては折れるしかない
しかし簡単にyesとも言えない
男同士だと異性とは違い、色々と支障が出てくる
ならばその支障をキチンと三成に説明するしかないのだ
きっとちゃんと説明すれば分かってくれる、と内心、懇願にも近い気持ちで家康は説明してみる事にした

「うぅ………三成、ワシも抱かれるのは認めようただな?お前を受け入れるには色々と準備が必要なんだ」
「準備?」
「うん………その、後ろを清めたりとか解したりとか色々だ、だから今はお前を受け入れる準備が出来ていないんだ」
……………いいだろう、なら私も勉強しておく、無知のままでは傷つけかねんからな」

家康の願いが届いたのか、家康の言葉に納得したのか三成は勉強しておくと言う不穏な言葉と共に1つ頷いてくれた
これでベルトの拘束からも解放されるとばかり思っていると再び三成が押し倒し、股間を撫でてきた

「え?三成?」
「とりあえず最後までは無理でも処理はせねばな」
「へ?」
「なんだ貴様、気付いてなかったのか?」
「ふぁっ!!?な、なんで!」

今までパニックになっていたせいか気付いて居なかったらしく、家康の股間はテントを貼っていた
どうやら抜くのを手伝ってやると言う事らしい
しかしそんな事は大きなお世話である

「とりあえず脱がせるぞ」
「わ!わー!わー!良い!そんな事はしなくて構わん!」
「ふん、どうせ後には体を繋ぐのだから一緒だろう?」
「そ、それとこれとは別なんだ!」

しかし家康がどれだけ暴れようと今だベルトで縛られたままであり、三成も乗っかったままだ
家康の抵抗虚しく、ズボンを引き抜かれいよいよ下着だけとなった時、突然、そのまま性器を扱いだした
下着が張り付いて直接、手での感覚とはまた違った快感がせり上がってくる

「んぁ!何、すっ!ひゃっ」
「貴様が脱ぎたくないと暴れるからだろう」
「だからって、ふぁっんん」
「私の事は気にせず、いけ」
「ふぁゃ!ゃだっ、まって、みつなっんぁぁぁっ!」

果ててしまった後、ベルトで縛られているのも気にせず、家康は顔を隠すように背を丸くして顔を隠そうとする
しかし三成もベルトを外す為に一気に引き起こすとベルトを淡々と外し始めた

「っ三成、無理矢理は良くないぞ
……………すまん」
「ベルト、痛かったから止めてくれ」
……………分かった」
「それから
……………?」

外した後は、淡々と文句を言う家康の言葉に多少の罪悪感はあったらしい三成は、素直に返事を返すばかりであった
淡々と服を清めて貰いながら、ふっと気になっていた事を訪ねた
実は三成の下半身の変化に家康は気付いていた

「三成は抜かなくて良いのか?」
私は私の事は良い」
「でも
トイレに行ってくる」
「あ、うん」

全て拭き終え、片付けを終えた三成は耳を赤くさせたまま、そそくさと部屋を出て行ってしまった
正直、抜くのを手伝える程の気力は殆ど残っては居なかった
だがそれでも恋人らしい事をして来なかったのだから今、このタイミングだけでも恋人らしい事をしたかったと家康は考えたのだ

しかし三成は、そんな家康の思いの前に体を優先してくれたのかもしれないと感じた
それと同時に自分の今とさっきの必死さがジワジワと滑稽に見えてきてしまうのだ
だからこそ、家康は思わず呟いてしまっていた

「はぁやっぱりカッコ良くて綺麗だな、三成は」



END