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よつもり
2024-05-12 07:33:56
4386文字
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ゲームのはなし
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TotK一周年!
TotK一周年ということで、任天堂さん、おめでとう。そしてありがとう。
私の人生にとって、とても大切なものとなったゲームとの出会いから一年も経ったのだと思うと、不思議な気持ちです。
一周年ということで、TotKに関することを、少し書いてみたいと思います。
一年前の私はどんな状況だったかというと、ちょうど人生のエアポケット部分とでもいいましょうか。
誰にでもそういう時期はあると思いますが、私も例に漏れず停滞
…
なんならどんどん沈んでいくような感覚もあるような、
漠然とした不安を抱えた時期でした。
体調は良くないし、ずっと眠くて、時間があればどれだけでも眠ってしまえて、
けれどもそうやって漫然と過ごすことが果たして良いのだろうかと常に頭の中に疑問がこびりついているような、
もしかして私はこのまま漠然とした不安を抱えたままで人生が進んで終わっていくのではないかと思うような、
そんなふうに、思考が悪い方にずるずると引きずり込まれるような感覚に抗うこともできず寄り添いながら日々暮らしていた。
それが一年前です。
BotWはもともと家族が遊んでいて、それを横で眺めているだけでしたが、
続編となるTotKの発売が予告されてから、ふと、自身でも遊んでみたいと思いつきました。
TotKの発売までにBotWを自分でプレイしてみて、リンクと姫様という一人の少年と一人の少女の葛藤を目の当たりにし、
一度滅んだ世界が百年の間に再生し、そして再生した世界に降り立った二人がまた新たに人生を歩み始めるという。
家族がプレイするのを横で見ていたから知っていたはずの物語も、改めて自分の手で遊んでみると新鮮で、そして胸に迫るものがありました。
TotKの発売までにBotWをなんとか終わらせて(ゲームの操作自体はあまり上手じゃないのでいくらか難儀しました)、
発売日、いざTotKをプレイしてみると、あのぎこちなかった、そして硝子のように美しく繊細だった少年少女が、
二人で並んで地下に降りていく。
少女だった彼女は髪を切り、以前と変わらず好奇心旺盛で可愛らしく、以前よりずっと伸び伸びとしているようで、
少年だった彼は変わらずにそんな彼女を支えていて、
二人がBotW後、変わらずお互いと関わり続け、お互いを知り、支え続けてきたのだということが読み取れました。
嬉しかったですよね。
姫様が失踪し、気がつけば空に浮かぶ島々にいて、
BotWでは見上げるばかりだった空に、いままさに彼(そしてプレイヤーとしての自分)がいて、
空のみならず地上、そして地下まで。
どこまでもマップが広がり、そしてその中でたった一人の彼女を探し出さなければいけないという。
途方もないスケール感に、圧倒されました。
発売が5月12日
……
そこからどうプレイを進めていたかも私はよく覚えていないのですが、
寝て、起きて、時間があればずっと遊んでいたと思います。
カーテンを締め切って、ほそぼそとエアコンが稼働し続ける薄暗い部屋の中で、ずっとハイラルを走り回っていた。
現実とゲームとの境目がよくわからなくなって、たまに食料品の買い物のために外に出たときなんかは、
空を見上げて、龍が飛んでいないかと探していたこともありました。
ストーリーに関しては今も飲み込めていません。
だから二次創作という方法で、腑に落としていこうとしているのだと思います。
本当は二次創作も、創作自体に見切りをつけていて、もう何も書きたくないし書くものかと思っていたところだったのですが、
気がついたら小説を書き始めていました。
最初は人に見せるつもりではなく、書きながら「これは自分のため、自分のためなら書いて良い」と言い聞かせながら一人ぶつぶつとパソコンに向かっていました。これが8月くらいだったと思います。ひと月かふた月はそうやって、蒸し暑い部屋の中で、人前にはどうやったって出れないような格好で、汗をダラダラと流し、手元に折ったタオルを敷いて汗を吸わせながらキーボードをひたすら、ひたすらに叩き、
私が走ったハイラルと、私が見出した彼らを、文字に書き起こしていきました。
人に見せるものではないから、という言い訳で書いたものを、恐る恐るピクシブに投稿したのは、
今では良かったことだと思っています。
ずっとロム専のつもりでいたので、アカウント名は今でもromsenです。
ピクシブに投稿した後、しばらくしてXにもアカウントを取得しました。
多分、小説という形だと話し足りなくて、色々とアウトプットできるツールが欲しかったというのもあると思いますし、
どこか人との交流も求めていたのだろうと思います。
それも恐る恐るではありましたが。
そうやって恐る恐る発信をしていると、私が見たハイラルや、私が思う彼らの姿を面白がってくれる方がいらっしゃって、
そうして交流というものが生まれたのは、ありがたいことです。
私がTotKの物語を受けて考えたこと、そして書いたことを、受け止めてくれる人がいるんだという実感は、
そのまま私自身の世界への信頼というものに直結していたように思います。
そういうふうに文章を書くことができた。そして今も書くことができているというのは幸せなことだと言えるし、
私が垣間見たハイラルを多くの人と共有できたのは、とても良かった。
人生のエアポケットに落ち込んで、このままずるずると落下していくように思えていたものが、
なにか推進力を得て、ふわりと浮き上がったような感覚を、どこかで得たことを覚えています。
あ、多分大丈夫だなと。そういう実感がどこかで湧いてきた。
実生活では3月末に引っ越しがあって、生活の環境がガラリと変わって、
新しいことをいくつかはじめて、その中で新たに人間関係に飛び込んでいくようなこともあって。
私は本来そんなに明るい人間ではなく、考えすぎのきらいがあり、そして疑り深い。
そんな人間である私が人と関わることを楽しみ、明るい自分でいることを楽しみ、人生を楽しみ始めている。
一年前のぐったりと疲れ切って停滞していた私には想像もつかなかったような毎日があり、
そういう毎日を過ごすことができている、そのきっかけは、やっぱりTotKとの出会いだったのだと思います。
ゲームには人を変える力があり、人生を変える力がある。
そういう力によって私は変化させられました。
疲れ切ってへんに冴えた頭と心で、ブレティアの世界に触れ没頭できたのは、幸せな経験だったと思います。
お金はないけれども時間だけはある。寝て起きて、起きたままの、顔も洗わず髪も梳かしていないようなボロボロの格好でSwitchを起動してハイラルに赴く。
エアコンがついているはずなのにうまく冷えない部屋で汗をかきながらコントローラーを握りモニターに向かう。
そういう、ある時期にしか無いような空気感の記憶は、きっと人生の後々までずっと思い出すことだろうと思います。
ほんとうに貴重で、幸せな経験でした。
☆ ☆ ☆
ストーリーに関して少し言及しますと、
私は、リンクとゼルダは、夫婦として描かれていたのではないかと思っています。
BotWの世界で出会い直した二人は、その後TotKまでの間に夫婦となり、
そしてTotKで離れ離れになり、片割れであるリンクは、伴侶であるゼルダを必死に探す。
ハテノの家がゼルダの家になっていたり、
そのゼルダの家でリンクが眠れることであったり、
ゼルダの秘密の仕事場にリンクの髪留めが隠されていたり、
そういう状況って何を示しているのだろうと思うと、
この二人は既に夫婦で、体も心も重なっていて、
だからこそリンクはゼルダを探す。
なぜなら自分の伴侶で、ふたりでひとつの片割れであるから。私はそう思っています。
夫婦の結びつきを前提にすると、TotKにおけるリンクの必死さというものが、
かなり切実なリアリティをもって浮かび上がってくるように思います。
BotWでは一度まっさらになったリンクが、記憶を取り戻していくにつれて、
「本当の彼女はどんな人なんだろう」「実際に会ってみたい」
と、そういう気持ちで厄災討伐に赴いたのかなと思っているのですが、
TotKにおけるリンクにはそういった興味や好奇心やある一種の気軽さはなく、
ガチな必死さ、泥臭さ、切実さを感じています。
そういうふうに自分の伴侶であり片割れを探し続ける男と、
そんな男を愛しつつも自身が見定めた大義のために自分をなげうってしまえる女という。
姫様は酷なお人だということを私は常々思っているのですが、
その酷さというものも、この二人が伴侶であることを前提とするとより生々しく浮かび上がってくると思います。
心も体も重ねていて、お互いを深く知っていて、自分が相手にとって大切であるということを知っていながら、
それでも飛んでしまえる。
相手の心に傷を作るときっと分かっていながら、その傷さえ受け入れることを求めてしまえる。
これはある一種の奢りでもあると思うし、相手への甘えでもあると思うし、
相手に与えた痛みは、その痛みの深度ごと愛の深度とも読むことができるし。
痛く苦しいほどに愛の深さを実感し、実感させるという。
そういう愛をリンクに突きつける姫様は、なんて酷い美しい人だろうと、思うのです。
という二人の、男女としての、夫婦としての、愛の物語がTotKであると私は思っていて、
一度クリアして、今二周目を進めていますが、本当に多くの発見があり、
ブレティアの世界から得たものを、形にしていきたいという気持ちがあり、
8月のイベントの申込みまでしてしまい、
原稿を書かなければいけないという。もう、一年前には想像もつかなかったような楽しい予定とタスクが満載で、
本当に、このゲームに出会えて良かったなと、心から思っています。
☆ ☆ ☆
もともとアクションゲームは得意ではなく、特に3D酔いすることがままあり、
3Dのゲームには少し苦手意識があったのですが、
ブレティアを遊ぶより少し前の時期にスプラトゥーンに触れる機会があり、
スプラも最初は酔ったもののわりとすんなり慣れて酔わずに遊べるようになり、
ひたすらシャケバイトでシャケをしばき倒したりしていたのですが、
そうやって3Dのゲームに対する苦手意識が次第に和らぎ、
その流れでブレティアを遊ぶことができるようになったので、
任天堂さんには本当に頭が上がりません。
ありがとう任天堂さん。
これからの任天堂さんのゲームも楽しみにしています。
改めて、TotK、一周年おめでとうございます。そしてありがとう。
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