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ななき
2022-08-21 19:20:18
836文字
Public
吸死
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まってくれ!いつから!?
(ドラロナ)見すぎのドちゃんとイヤでもないロくん。
そのうちドラロナになるやつ。
ドラ公の視線がすごい。熱い。ねちっこい。
これでも現役退治人だ、気配には敏感である。こちらの視線を読ませずに相手を窺う技術だってある。
そうでなくたって、これだけ強烈なら気づくなというほうが無理だ。
俺は来客用テーブルで書類を整理中。やつはそれを邪魔するのに飽きて向かい側のソファでゲーム中、のフリしてずーーーっと俺を見てやがる。qsqをカチャカチャやってるのはカモフラ兼ねてるつもりなんだろうが、ごまかしがヘッタくそなんだよなぁ。
ふと二人きりになった時、こいつがこうやって隠した視線をよこすのは、別に今日始まったことではない。最初に感づいたのは随分前だ。ついでに、なんだかやらしくて腹の奥を痺れさすような粘っこさが日に日に強くなっていることにだって、とっくに気づいている。それを不快に思わない自分にも。
今も、俺の頭の先から始まって目許、口許、ピアス、首、肩、腕、脇腹、
……
首に戻ったな。ほんとうなじ好きだな、おまえ。また脇腹から腰へ。
舐めるように、塗りつぶすように、熱さえ感じるほど。
保管が必要な書類をファイリングする。視線が指先を追ってくる。ファイルを棚へ戻すため立ちあがる。首筋を、背を、脚を、視線が這う。
分かり易すぎて笑ってしまいそうだ。
「ギルド行ってくるわ。おまえはジョンと留守番してろ」
背から視線が外れたのは振り返る直前。声がした瞬間に逸らしとけよ、バレんぞ。
吸血鬼は今更、画面を見ている。
「はいはい、いってらっしゃい。迷子になるなよ」
「なるかよ」
そうだな、ここはこちらを見なくて正解だ。無駄な努力だけどな。
メビヤツから帽子を受け取り、事務所のドアに手をかける。
「なあ」
呼びかければ、ドラ公が渋々を装って顔を上げると知っている。
「何かね」
ほら。やっと絡んだ視線がこそばゆい。
「見過ぎなんだよ、すけべ」
べっと舌を出して言い逃げる。
扉の向こう、ばさりと砂が崩れる気配と、可哀想なqsqがソファに落下した音がした。
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