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夜明 奈央
2024-05-04 20:43:30
1097文字
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ひばつな 代わりの指輪
REBORN! 未来編の数ヶ月前 指輪の話
2023年9月19日初出
「そんなにダメですか?」
「当たり前だろ? 僕がその辺のくずリングじゃ戦えないの知ってるだろう」
「雲雀さんならすぐ順応できますって」
「そういう問題じゃない」
僕を呼び出した綱吉は、ボンゴレリングを廃棄すると言い出した。一応筋道は通っているし、事前に僕に話を通そうとする姿勢も評価する。
しかしそれとこれとは話は別だ。そこらのリングでは僕の波動に耐えられない。つまり僕からボンゴレリングを取り上げるということは、僕が何より愛している戦闘を僕から取り上げるということだ。
「君、僕から生きる意味を奪うつもりかい?」
「うっいや、そんなつもりはないですけど」
「じゃあこうしよう。他のボンゴレリングは廃棄する。僕のは置いておく」
「そんな子供みたいな理屈、通じるわけないでしょう」
あくまで『お願い』の姿勢を崩さないから押し切れるかと思ったが、急に首領の顔になってはっきりと拒絶された。
この顔は何を言っても無駄だと短くない付き合いで学んでいる。草食動物だと思っていた男がこんな変貌を遂げるとは、かつての自分は想像もしていなかった。今でもおどおどと下手に出てくることはあるが、あの頃とは違って譲れないものがはっきりしている。
白蘭を止める。その気持ちは、僕だって同じだ。この世界を、並盛を、愛しているから。
「じゃあ代わりのリングを用意してよ」
「いいですけど、トゥリニセッテ以外ですよ」
先に釘を刺された。そんなもの、端から要求するつもりはなかった。無理だとわかっているし、下手なことを言って約束を反故にされては堪らない。
「ここに嵌めるやつ」
綱吉の指を親指と人差し指で摘み上げる。綱吉が小さく息を呑んだ。
「もちろん僕のもね」
「えっと
……
」
「丈夫なのがいいな。戦っても壊れないやつ」
僕が摘んでいるのはもちろん左手の薬指だ。綱吉は急におどおどとし始めた。こういう時はかつての草食動物のようで面白い。
「本当は君ごとほしいんだけど、それは諦めるしかないみたいだからね」
綱吉は苦い顔をして、「すみません」と言った。
これももう決めたこと。譲れないもの。その決意を、覚悟を、信じると決めた。全てが終わった平和な世界がいずれ来ることを信じて、ベットすると決めた膨大な賭け金だ。
「念のため言うけど、ペアリングって意味だからね?」
「はい。いいやつ買いに行きましょう」
「いいやつじゃなくてもいいけど、ちゃんと君が死ぬ前に届くやつにしてよ」
指を絡めて握りしめると、握り返された。
「わかりました。ボンゴレリングと交換ですからね」
これは綱吉が死ぬ、数ヶ月前の話
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