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水晶氷山
2024-04-27 00:36:38
1153文字
Public
おやさい鬼9先生作品
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青空に眩む(公式絵ネタ)
3月9日の公式絵からの妄想SSです 公式からの台詞引用あります
平行世界の自分に劣等感を抱いてしまったブラさん、もとい動画版井上真さんの話
うっすらとFB限定小説のネタバレかもしれません
当方2024年1月にハマったばかりの新参です。
それ以前に出典元が削除されたあるいは非公開となった諸々の設定と齟齬が生じていた場合、
お手数をおかけしますがWaveboxなどでそっとご指摘いただければ幸いです。
青空のような男だと思った。
すがすがしくて、とても眩しくて。
彼の髪色が俺のそれと違って晴れ渡る空を思わせる綺麗な青をしているのもその印象を強めていた。
それだけじゃない。その目元も、自信と余裕に満ちる大人びた雰囲気も
……
たった少し話しただけでも俺と違うところをいくつか見つけることができた。
それでもそいつにはどこか俺の面影があって、子供の頃から本が好きだったとかそういった同じところもあって、極めつけにちゃんと俺と同じ『井上真』なんて名前で。
こいつがパラレルワールドの俺だなんてとても信じられなかった
……
いや、信じたくなかった。
きっとこいつは自分をド三流だなんて思っちゃいない。仮にそちらでも俺と同じように小説を書いているとしたら、俺と違って超一流の売れっ子なんだろう。そうじゃなきゃこんなに自信に満ち溢れた面をしているわけがない。こんなに余裕を持ち合わせているような振る舞いができるわけがない。
この男が俺であるはずが、井上真であるはずがない。俺が、ド三流の俺が、今もこうして燻っている俺が、こんな眩しい男と同じ存在であるわけがない。
もし同じであるのなら、お前も井上真であるのなら、何故その眩しさを俺は持ち得ない。何故俺はこいつのように在れない。何故お前と俺はこんなにも違う。
嘘をつくなと叫びたかった。俺がこいつであるはずがない。本当だとしたらあまりにも不公平じゃないか。何故こいつはこんなに眩しいのに、俺はこんなに
―――
。
いっそその青色と同じように、何もかも全くの別人であってくれたならまだ諦めもついたのに。
「どうしたんだい?」
ぐるぐると落ちていく思考を遮る爽やかな声。
俺の内心なんて何も知らないような表情でそいつは
……
もう一人の井上真は俺を見ていた。
俺と確かに似ている顔で、それでも瓜二つとは言えないその顔で、優しげな笑みを浮かべている。
やめろ。そんな目で俺を見るな。その煌めきを俺に向けるな。
俺のことなんて何も知らないくせに。それに話したところでどうせお前のような満ち足りた奴に俺の苦しみなんて理解できないに決まってる。
何故よりによってお前みたいな奴が俺なんだ。俺よりも多くのものを持っているだろうお前が。俺はお前が羨ましい。お前のその自信が、その余裕が、その眩しさが、それらを得ることができた環境が経緯が理由が、俺が持たないそれらに恵まれたお前がとても羨ましい。
こうして自分が持たない側の人間だと改めて思い知るくらいなら、お前になんて会いたくなかった。
……
そう思っても実際にそんなことが言えるはずもなくて。
「
……
べ、別に
……
」
何も言えないまま、俺はただこの眩い青空から目を逸らすことしかできなかった。
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