高橋「こんにちはー!
(笑い)
高橋「元気な挨拶から(笑)
津崎さん(以下敬称略)「ありがとうございます、こんにちは!
高橋「こちらこそありがとうございます〜
津崎「はーい いや初めてお話ししますよね当たり前ですけどね
高橋「そう初めてです
津崎「嬉しい
高橋「こちらこそいつもお世話になっておりま〜す
津崎「いやあ嬉しいな
高橋「よくSNSでよくやりとりをしている割には話したことがなかったので
津崎「そうですね
高橋「よかった
…
津崎「なんかもくりがなくなってからタイミング
高橋「そうなんですよ〜 もくりやっぱり痛いすね、なくなったのかなり
津崎「痛いですね、そうなんです
・・
津崎「なんか本の話を聞きたいなあと思ってぜひコヤマさんに
高橋「本の話
津崎「あの『平凡倶楽部』とか
高橋「あー! そうですね、なんか感想とかはざざっとまとめたりはしたんですけど、改めて話すと思うと
津崎「むずかしいですよね、そうなんですよ
高橋「そうそうそうそうそうそう、まあでもちょうど手元にちゃんと用意してきたので
津崎「私もあります
・・
津崎「なんかいい本ですよね、なんかいろんな書き方をされていて飽きないなあて感じが
高橋「そうなんか作画技法としての(ホニャホニャ
…)純粋に漫画誌としても面白いですし
、ね、歴史観とかエッセイ部分においても戦争のことだけじゃなくって日常的なものとか、こうの先生らしい作品も入ったりとか結構この、なんだろうボリュームにしては中ぎっしり詰まってるなと言うのはそうすごい思いました
・・
津崎「たしかに詰まりがすごくて
高橋「そう、すっごい
津崎「手描き文字ってところもいいですよね
高橋「そうなんですよ、私こうの先生の手書き結構好きなんだと思った
津崎「わかります
高橋「なんかなんだろな、ガリ版ぽい良さがあるというか(笑)
津崎「この字体で『この世界の片隅に』も出てきましたもんね
高橋「そうっすね
津崎「違和感ないな
高橋「あとあれ、今読み返して、思ったんすけどあのなんだっけ、「遠い目」
…25ページの
津崎「ちょっとまってくださいね
…えーと
高橋「これの技法がすごいなと思いました、解説がちゃんとあるんですけど、遠目でちゃんとイラストになるっていう
津崎「すごいですよねこれ
高橋「これすごい
津崎「想像力がすごいんだよなぁ
高橋「発想の転換力が違いますよねぜんぜん
津崎「自由に描いてて
…
高橋「そう、すごい広い人だなと思ってて、これは本当に読んでよかった本です こうの先生の本て私ちゃんと本当にぎっしり読み込んだほど読み込めたのは『夕凪の街 桜の国』くらいのもんなんですけど、それでもお気に入りです
津崎「わかる、これいい
…
(笑い)
・・
津崎「私あの古い女の裏紙のチラ裏に描かれているのがすごい好きで
高橋「いいですねあれね
津崎「そうなんですよね
高橋「話の中身もすごくて
津崎「そうそう
(笑い)
津崎「いやぁ
…なんかあの「なぞなぞさん」がおすすめされたけどちょっと
…
高橋「そう
…私なんでおすすめされたのかを知りたかったんですよ
津崎「言われてみれば確かにそうだなってなりました、私もその理由を聞いて
(笑い)
高橋「結構いろんな方にね、津崎さんだけじゃなくていろんな方に「なぞなぞさん」を読んでみてほしい、コヤマさんにはぜひと言うことでお伺いしてたそうですけれども、「なぞなぞさん」を読んで私がなぞなぞさんになってしまった(笑)
津崎「そうですね
…なんか、確かに言われてみれば
…
高橋「うん
…この内容で言うと、私からするとその、逆に言うとこうのさん目線でしかないんですよ
津崎「あーなるほど
高橋「んー、だから、そう、こうのさんの返答とかその狂ってしまいそうなこととか、そゆところがやっぱり一番共感できる部分であるし、なんか、ああそうだよねうんそうそうと思いながら読み込んでしまったものだから(笑)
津崎「そうだなって私も、なんとなくおすすめしちゃったんですけど
高橋「これ
…なんだろなこう、ねぇ、あまり聞き方が良くないけれど、どんな言葉を感覚を期待しておすすめされたのかっていうのはすごいねぇ、気になったんです
津崎「はい
高橋「どこの視座からこう、勧めてくださったのかなと言うのはずっと気になってて
津崎「はい
高橋「そうそうそう
津崎「多分なんですけど、ひどく斜に構えた言い方をすればこう、『平凡倶楽部』で全面的にみた社会性みたいな漫画、これが一番強い
…から、かな、とおすすめしちゃったんですけれど
高橋「確かに確かに、他者の介入があってってことですよね
津崎「言われてみれば、その通りだなってなったのです、確かに私も、言われてみればそうだなって
高橋「だからなんか、小学校の作文とかで昔っから書かされて、うーん、逆にいうとこう言うふうにきれいにきれいに自分の言葉がまとめられていくっていう経験はずっと経験してきてることでもあったから
…なんかすごい、まあでもすごいスッキリした、共感したと言うところでは本当に読んでよかったので、それをきっかけにそれをきっかけにこの本を手に取れたのはよかったなと思っています
・・
津崎「そう、私もなぞなぞになってきました(笑)
高橋「(笑)なんだろうって考えれば考えるほどなんか、よくわからなくなってくる、なんか不思議な感じ、まあほんとに答えが出ないそのもの・なんだよな
…その坩堝にはまっていくんですよね、問いかける方としても問われる方としても
津崎「なるほどそっかそっか
…なのでもう、こう、私「なぞなぞさん」の好きなところが一つありまして、映画『この世界の片隅に』がウケたときもこう考えていたのかなと思うんですよね、この言い方センシティブかな
…アニメが消化されてるときとか
高橋「うん、消費されるとき、瞬間ですよね
・・
津崎「じゃあ逆に「戦争を書くと言うこと」はどうでした?
高橋「あっ、これがね〜私一番刺さったんですよ
津崎「あーやっぱりそうですよね、これいいですよね
高橋「そう、そう なんかその、冒頭の原爆もと戦争ものとの意識しかり
津崎「あ、なるほどなーっていう
高橋「そう
…いっぱい死んだから悲惨なのがどうとか、最後の新しい課題のあたりとかもすごい、うーん
…なんか日頃頭にポンとあるよなことを、しっかり書かれているのであー! そう! これ!これ! とか思ったり(笑)読んでいて
…なんか歴史という部分いにクローズアップして読んだときは、ここが一番やっぱり刺さったなというか、うん そう
…あとはあれすね巻末にある「八月の八日間」
津崎「ああ! はい、このメチャクチャ絵が上手い
高橋「そうこれ、そう、すごいですよねこれこのスケッチ、そう、このね二つ個人的にはねぇ刺さったというか、なんだろう、こう
…自分の自然に近い感じ? 日常に近い感じ? だから特別なこととかそんなんじゃなくって、なんかすぐそばにあるものの一つが描画されて、またあるいは創作というところで作品だとこうなる、こういう考えが出てくるというのがはっきり書かれているというのがね、なんかそう特別感がなくてよかったです、なんか逆にいう あっそんなに特別なんだというのが書かれている感じですごくよかった、だから原爆ものと戦争もので描かれている時のそう、反戦とか
津崎「ああそこいいですよね
高橋「そこに驚いたとことか、もう原爆って扱うことがもうすごいことみたいな、今の『オッペンハイマー』もそうですけど、それ自体扱うことに社会的意義とか政治的な思想がなんだろう、入り込んでしまう、その本人にその気が無くても周りがそう捉えていってそう形を作ってしまう
…っていうのをまざまざ感じているから
津崎「ああ
…
高橋「そういう構図としてもこう自己嫌悪も含めて嫌っていう、なんかそういうところを言葉にされてるのですごいなんだろう、気に入っているというか勇気が出るというか好きなところですね
津崎「なるほど
…そっかそっか
…いや、逆にあの出身地が・・・・場所自体に私は魅力をあんまり感じていないタイプで、もちろん歴史があってもちろん戦争もちょっと大変な部分もあったんですけれど
…こう、自分の創作とか自分の考えるものと地元がコミットしてないから
、ちょっとそこが、海も含めてなんですけど・・・
高橋「そう思ったらすごい、すごいな津崎さん、メチャクチャ海を描かれるから
津崎「だからこう、若干観念的なものになってしまっているのかな
……って思う時に、コヤマさんほんとにこの場今ここみたいな考え方をされているなみたいな
高橋「ああ、そうそうそうそう(笑)
津崎「今こことして広島を考えているんだなぁと思うと、ああ
…すごいなと思うし、いいな、いいなという言い方したらすごい失礼になっちゃうんですけど、意義のあることだなと思っちゃて
高橋「やっぱこう、環境とか教育とか自分ではどうしようもない生活の部分ってやっぱりおっきいですよね
……そう逆にいうと私はここから剥がれられないから、離れた考えかたがそう、出来ない、のは、なんだろう弱みというかな、という部分かなとはやっぱり思ってますね
津崎「そうか
……いやぁむずかしいですね
……そっかそっか
高橋「そう、難しい、なんか自分がどこで生きてきてどんなこと考えて暮らしてきたのかとか、まあ思い出せる範囲でも、今現在進行形で生きてる範囲でも
……多分その人なりのなんだろう、考えとか経験があって
……ねぇ今だったらウクライナから避難してきた人たちがやっぱりいたりとか
…でも僕らはそんな、ねぇ向こうのことわからんし、話を聞いても多分ピンと来なくって そういうとこの違いを感じる時が一番、心が痛くなるというか
……まあ最近色々と考えることがあったので(笑)ちょっとナーバスになったんですけど(笑)
津崎「そうですよねぇ
…そっか ちなみになんですけど、それはいわゆる当事者性と呼べるものに近い?
高橋「呼べるものだと思いますね、うん なんかその、歴史を書くことっていう本題にもう一回戻って話せば(笑)、その当事者性っていうところを考えつつ、それを主観的じゃなくって拡散的に伝えられることとして、歴史というのを我々の場合は漫画とか絵とか、津崎さんの場合は小説とかありますけれども描いていくもんなんだよな、今ぜんぜん言葉がまとまらんまま喋ってしま
…(笑)そうそうだから、原点として当事者性があって、その自分の中にある自分の目線としての当事者性、相手を考えた時の相手の当事者性を考えながら、それをなんだろう
……視点的に拡散させて、それを、伝わるとうに、その人の当事者的目線に考えられるように
、自分の当事者としての考えとしても矛盾があんまりないように、なんかそういうことを考えながら描いてるかもしれないですね、それをわかりやすさと言ったりしますけれども
……なかなか一方的には描いているけれども読んでいるときに一方的な他人の話として終わらせたくない
津崎「あー
……なるほど
高橋「そう、その当事者にとっての主観で読めるもの? もしこうだったらが考えられるとか? 知らなかったらこういうことがあるとか知る、うん
…とか、そのためにやっぱり歴史を書くのかなっていうのはありますね、今なんとなーく思った
津崎「ありがとうございます、そうかそうか、私最近、李良枝っていう在日コリアンの方の小説を読んだんですけどその後書きっていうか妹さんの後記に似たようなことばがあったのでしみじみ考えていました
・・
津崎「引用)多様性とか普遍性という言葉だけで収めずに、でも個人的なこう在日コリアンということだけでも収めたくないないみたいな
(コヤマ、共感で悶え笑う)
津崎「何でもかんでも多様性普遍性って言わずに、境遇でもなく境遇だけには還元して語りたくみたいなものを感じるって
高橋「その
…なんだろう、どちらか一方とか一面的になりたくないですよね、なんか私だったら被爆三世であること、で、ま、さっき言った普遍性であること
……まあざっくり言ってしまえば日本中こんなんとか被爆者の状況としてこうでしたよっていうなんかありふれたものとして捉えてもらうこと? うん、より受け取りやすいのはこの多様性普遍性なんだと思うんですけれども、で、一方でその被爆者としての、熱線を受けた苦しみ
……それどっちかにしたくない、すごくわかる、うまく言葉にはできないんですけども、そうその視点を持った上で
……自分がその、作品の中で言えば被爆者であるような
……目線を持ちつつ、なんだろう、知らない
、まあ創作の意義全てがそうだと思うんですけれど知らない世界に没入していく
……歴史を描くときはその当事者性と普遍性の相性がすごく悪いと思うんですけど、うん
……そこをうまく合体させて散らしたいなっていうのはすごい思う、どちらかとして見られたくない、広島の人が描いた広島の漫画として見られたくないけれど、ありふれた近代とか戦争の話とも思われたくない、まあこういう言い方をしてしまえばわがままなんですけど
津崎「いやでも私そういうのが全然そんなになくって
……だからなんか聞いててああすごいなぁって思っちゃって
(コヤマ照れ笑い)
津崎「多分、当事者性ないなって思っちゃいました私は
高橋「でも、あれじゃないですか、船とか私たちの場合は擬人化という擬人法を用いて歴史を描いているんですけれども
……より一層なんだろう、こう、私もそこを掴み損ねているから難儀していると思うんですけど、その、船というものとその所有する会社なり造船工場なり、そういうところってすごくふわっとしてるじゃないですか。まずそもそもとして当事者性っていうのがどこに置かれるのかがわからない
津崎「そっか、それはありますね
高橋「そう。そもそもとして
……置くんだったらまあ会社でもあるんだろうけども、会社っていう大きな箱の中にある当事者性ってじゃあいくつあるのかって話になってしまうので、まずそこの視点はそう定まらないのかな、定めにくいのかなって感じますね
津崎「そっかそうか、そうですよね
高橋「そそー なのでこう、なんだろう、そういうなんかこう、確固たるものがなくて当然というか
……うーん、でもそれでも、なんだろうな、(『大脱走』について)そういうのを取り巻く中でも彼らがどう生きどう考えたのか、というのを
……こう、漫画っていうものビジュアルものっていうもの全てを総合して伝えていくパワーっていうのがすごいあって、そこが私津崎さんの作品の好きなところです だからそのなんか今言ったみたいな当事者性とか普遍性とか、地面に足をつけるですよね、もう私はここ私はここてピンを刺して、ピンを刺したその影がクロスしたとこを描くみたいな感じじゃなくて
……そこにある、海だったら海をかく、森だったら森をかく、っていうのすごくうまくできていらっしゃるなというか、それを読ませる引き込ませるものがある、それでいて自分がその作品を読みながら、それをどう捉えているのかを考える機会を得る事ができる、それはさっきの消費にも繋がると思うんですけれども、その造船会社の気持ちで読んでみたりとか、船の気持ちで読んでみたりとかあるいは書き手の気持ちで読んでみたりとか、いろんな楽しみ方
……楽しみ方といったらあれだな、でも読み方ができる、なんでもないことが決して悪いことではなくて、そのふわっとしたなんだろう、その盤面、世界をなんだろうな
……すごくいい意味で平面的に描けてるのが、私は素晴らしいと思っています。盤面があったら盤面をかけている
津崎「ありがとうございます そっか
高橋「そう、それを読ませるパワーがすごいあるなって思ってて、盤面の配置がすごく上手だな、と思っています。そうそう
……そこからみた視点で描くじゃなくて、そのみた視点ももちろん描いていらっしゃるんですけど、そこからみた視点ではなくてその盤面を描いているというかね
……うまく言葉にできないな
……でもなんかすごい、広いんですよ。なんかそれがすごくいいなと思って、それが余白にもなるし、シーン的な余白でもあるけど読んでる時に考える余白としても読める
……のが私すごい好きなところだし津崎さんの作品の特徴的なところでもあると思ってます
津崎「考えたことがなかった
高橋「そうですよねぇ、わっかるわぁ私もそう。人に言われて初めてハッと思うことがありますからね
……私はそう思っておりまして、なので、すごい『大脱走』が楽しみです あのねぇカラーがいいですよね、すごくうつくしい。で、なんだろ、うつくしいっていうものに対してもやっぱりこだわりを感じるので、うん、うつくしさっていうもののあり方ですよね、そのこだわりをすごい感じるので、そこ色彩にも感じるので〜
…なんかとっても楽しみです(以降、大脱走大宣伝である)
・・
津崎「さりげなくほめてってもいいですか
高橋「照れ散らかしてると思います(笑)
津崎「あのー、私やっぱpixivで見てるんですけど、あの関係ないところから導入すると、pixivの整理の仕方がまず上手い!いうのが一瞬思ったんですよ
高橋「やったね
・・
津崎「そこからなんですけど、でもなんか、・・あの、ちょいちょい皆さんがこう
……思案している表情をするじゃないですか、例えば「エピローグ」の
……夜空のことを思い出したっていうシーンがあった時に、ちょっとほわっとする表情がすごい印象的でいつも心に残っちゃって
……
高橋「ウェーイ 照れて今机の白胡麻を弄んでいるくらいには照れてますよ
津崎「いやでもなんか
……表情が
……すごい、広がっていって、その広がりが茫漠とした海に展開されてるっていうか、私海好きなのでそう考えちゃうんですけど、世界が広がっていくっていうか、空が広くて海も広くて、そういう世界観が
……広がりっていうんですかね? すごいなぁって思っちゃって
高橋「ありがとうございまーす踊ってまーす(踊っています)
・・
津崎「あの、徴用船舶の話になっちゃうんですけど、どう料理するのか楽し
……いや楽しみって言い方するとすごく失礼な言い方になっちゃうんですけどしていくのかな〜って
高橋「どう料理しようですよ!
津崎「そうなんすよね
高橋「どう描こうってなっちゃって
津崎「どう描くんだろうなって、今すごい姿勢で待機してるんですけど
高橋「(笑)ありがとうございます なんかね、最初は船舶そのものを中心に据えて描こうと思っていたんですけど、どうも多分向き不向き的な話もあり、やっぱり自治体側から描いたほうがいいなというのははっきりし始めていて、だから、白紙出すのも徴用して船出すのも、そいうお達し出して仲介するのが当時の自治体の役目ですから、うん、そういう側面から描いていきたいなっていうのは〜そう、ぼんやり構想してやっとその視点が定まったというかどこにカメラを置くのか、どこに密着取材をするのかというのは、そう、やっと定まってはきたんですけど、(ウニャウニャ
…)どういうアプローチをしていこうかな、どういう作品、何が描きたいんだろうなっていうのを考えてますね
・・
高橋「逆にいうと、それら(せんぱく)をまあ
……戦場に連れてった側を描くって感じかなと思います、ざっくり
津崎「ああ、連れてかれたというより
高橋「うん、連れていった側ですよね。その
……『みなと』っていう自分の作品があるんですけれども、多分あそこは起点になるんだろうな〜とは思います。港からは出ない、見送るだけ? 迎えるだけ? うん
……多分それは一番譲らない芯の部分として多分描くんじゃないかなぁ!と思います(笑)
津崎「自分の創作わかんなくなりますよね、ビュンビュン飛び跳ねたりして
高橋「そうなんすよ〜! 今まで書いてきたものってマジでこう、自分の言いたいことをなんとか形にしたような作品ばっかりだったので、逆にこれを描こうかなってテーマを決めて描き出すっていうのが初めてなんすよ。今の創作をやり始めて。だから(ウニャウニャ
…
・・
津崎「(『みなと』を読んでもらっている)やっぱりきれい
……きれいっていう言い方失礼になっちゃうか、なんか、広がりが
……
高橋「きれいなように書いてます!
津崎「よかった、褒め言葉でうつくしい、きれいを多用するのを控えているんですけれども
高橋「私やっぱり海はきれいに描きたくって、どんなに
……なんだろ、時化の場合とかありますけど、いくらドザエモンが流れようが何しようが海って綺麗なんすよ、変わらないものなんですよ、不変なもの。すごい暴力的なまでに不変。なので
……やっぱ、どんなにきついことがあってもきれいに描きたい
・・(占領期カラー写真の話)
高橋「そう、だからずっときれいに描きたくって、だからそうきれいってほめてもらえるのはすごく
津崎「よかった
高橋「そう、嬉しいなと思っているところですね〜
津崎「そっか
……いや、そういう、あのこれは写真なんですけど、海に対する感覚が概念的なものになっているので、つい
…(後略)ありがとうございます、今度探してみます
高橋「私もちょっと新聞記事探してみます
→こちらぁ!
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=131184
・・(『ドリナの橋』の話)
津崎「いやこれ、橋擬人化じゃね? って思っちゃって
高橋「橋ってね〜破壊でもされなければ残ってますからね
津崎「船とかってまあ、保存船もあるんですけど
……
高橋「船って保存しようと思って保存してるものですもんね。なんだろ、生活とともにあるものではないんですよねやっぱ(注釈:保存船の話)
津崎「そう考えると橋ってすごいなって思っちゃって
高橋「わかるわ〜
……橋はほんと、半ば強制的に人と共存している構造物ですからね
津崎「そうなんだよな
……で、人間が何代何代繰り下がっていっても橋は一代でずっとそこにあるっていう
高橋「100年を超えてもね
津崎「えっ擬人化じゃんって(笑)
高橋「わかるわ〜
……そうそう、前おっしゃっていた氷川丸とその人間の話ですっけ、構想で話されていた、あれは私個人的にもちょっと拝読してみたいな、拝読したいテーマだなと思いながらちょっと
津崎「まだ全然構想すら練ってないんですけど、やっぱ
……描きたいですよね、なんか、さっきも言ったんですけど、船でたとえば人間が三代、祖父、父、子がいたとしても、船がその時代を一代でこう、担ってるかというとなかなか難しいので
…やっぱ氷川丸とか三笠になっちゃうんですけど
高橋「うんうん
津崎「船には橋とは違ってこう、船、移動するので橋とは違って固有の歴史がちゃんと確立してるというか、橋はそこに固定されて人間たちが周りをうろうろしてるんですけど、船はいろんなとこにうろうろして自分が機銃掃射されたりとか沈められそうになったりとかいろんなもの運んだりして、船自体がもう主人公になってるので
高橋「あ〜! 確かに
津崎「だから、『ドリナの橋』と似たように作れないんだよなということに気づきましたね
高橋「
……そうですね
津崎「人間も主人公、船も主人公
……橋は、橋はなんか支えてる、ひたすらじっと耐えて支えてる感じがあるんですけどね
高橋「そこから動くことはないですからね
津崎「で、人間たちの群像がなお一層鮮やかに煌めくんですけど
……
高橋「確かに船ってまず段階として、人間と共存して共に移動する時があり、で、現在その保存になるんだったら保存するときの歴史があり、ターンがありますもんね
・・(初代こじまの話と、人間と船の歴史の話)
津崎「似てるけど若干違うなって
高橋「確かに、橋のモチーフから得られる不変と人間の変化のモチーフもすごくなんだろう
……こう、魅力的ですけれども、確かに船はそうはいかないな
・・(津崎さんちの氷川さんがめっちゃ好きという話)
津崎「話がちょっとずれてしまうんですけど、そういうの描くときに、架空の歴史の人間を出すのにちょっと逡巡してしまう時が、ありますか?
高橋「ある
津崎「ありますよね
高橋「ある。私あの、今だったらまあ戦前期の広島を書いていますけど、えー、まあキャラクターとして当然人間は描くんですけど、その人の実在性をどこまで持たせるか整合性を持たせるかっていうのを、すごい逡巡して、でそれでも悩んでたんですよこないだ。それは実在の人間を冒涜していないだろうか? っていうのを
津崎「はい。そうなんですよ
高橋「さっき氷川丸さんのこういう話もありなんじゃないと話してる時も思ったことですけど、モデルにした人間がいたわけでもなく、で広島の場合は当時、ね、二十万人何十万人人間が住んでて
……あの朝まで動いていたその中の一人を描くとして、その一人一人には戸籍があったわけですから
……その辺をどこまで突き詰めるんだろうというのをすごい、考えてしまい
……(笑)
津崎「そう、そうなんですよ
……さらにそれを描くってなると必然と十字雲を見つめて描き続けてってなるので
……なんかホオオ〜って感じになっちゃって、それでも描くしかないんですけど
高橋「(笑)そう、それでもそう、出すからには描く、なしはないんですよやっぱり。なしはないんだったらあるしかないので
残り1時間をダイジェストでどうぞ(こいつッ)
・・(「HHhH」の話、登場人物に名前をつける恥ずかしさ、擬人化に人物が突っかかったり怒っちゃう時のウワー!の感じ)
・・(考証性抜きに実在の人物を描くのもなんか違うよねぇみたいな話と、『この世界の片隅に』の考証の詰め方の凄さと嫉妬と羨望、だが割り切って空想を描くね!!という結論)
・・(再び「HHhH」の話、描いた歴史創作が全て創作だと思ったと言われた時の憤慨について、共感がすごい。めっちゃ読みてえ〜、ほか読者と知識や前提をカットしちゃう話)
・・(商業における戦争漫画と世代ニーズの落差の話、キャラから副次的に歴史に入ってもらうこと、『なぜ戦争をえがくのか』86ページについて/体験記ではないからこその良さ・漫画で歴史を描くことの一番答えに近いかも)
・・(戦後80年で映像化して欲しかった作品ありますか?・コヤマはこうの史代『夕凪の街 桜の国』(アニメーションでね!)、津崎さんは宮崎駿『最貧前線』など、船員さんのアニメなど「もっと船員さんの映像欲しくね!?」同感!『氷川丸ものがたり』みたいよぉ〜)
・・(宮崎駿のタッチ、好き)
・・(実在性と擬人化の作品について)
津崎「擬人化はそこにいると想定するけど、なんか読者としては、まあそれをこう、実在性として納得してくれる人が多数なんですけど、やっぱ擬人化は擬人化創作だよねで通す人もいるじゃないですか。それと緻密な考証を考えるときに、こう
……どこで、擬人化はなんかこう、観念的な存在ではあるじゃないですか」
高橋「うん
津崎「どこで帳尻
…ぶつかり合うっていうか、帳尻合うっていうか
高橋「そう。あの
……矛盾するんすよ、根本が
津崎「そう。概念と緻密な考証
……
高橋「そう
津崎「そう
……ふふ
高橋「そこが、難しいんすよマジで(笑)
津崎「そうなんですよ、どうやって折り合いつけてるのかなって時々思っちゃう時があって。今の具体的な考証の話になるんですけど
高橋「私の作品の場合は、擬人化の存在そのものがその地域に溶け込んでいるものの一つ、という設定があるので
……特殊な存在ではない、まああの、普通の軍人さんに見えるだとか、庄屋のおじさんに見えるとか
……っていうありふれた風景、例えば一枚写真撮ったその中にいる人のどれかが擬人化かもしれないみたいな感じの設定で書いている
……ので、どっちかつとなんだろ、現実寄り、の上にフィルターを一枚噛ませてるんすよ、だから多分考証のところでそう多分、詰まってしまうんだと思うんですよね。完全に切り離したファンタジーではない
…が故に、が多分あると思うんすよ
津崎「そうですよね、そうなんですよ
…
高橋「うん。でも擬人化は市民じゃない、市民じゃないし軍でもないし軍人でもない。じゃ何者として描くの?
……って思うと、それが急に難しくなってきて
……そこも躓いてるところなんですよね、今描いているもので
津崎「はい。そうなんですよね
…
高橋「自治体を擬人化してるってどういうことなんだろうって考えております
津崎「考えますよね。私も対象を考えて「あれ?」って思っちゃう。特に考証と並列したときに
高橋「そ〜〜
津崎「でも擬人化ものだと考えてこう、描いていけば済む話なんすけど歴史創作と若干被って描いたときに、ちょっともやっ
…とあれっ
…てなっちゃっって
高橋「そう!そう!
津崎「変に実在性を詰めると今度は、あの、さっきの架空の人間たちも現れ始めて
高橋「そうそうそうそうそう(笑)
津崎「で名前あなた誰? みたいになって、その人が擬人化にキレたりとか、で擬人化がメアリー・スーみたいになっちゃって
高橋「そうそうそうそうなんすよ!(笑)ほッんまそれ、ほんまそれなんすわ!(笑)
津崎「そうなんですよね! でなんか、いいのか? ってなっちゃって
……歴史に誠実でありたいという気持ちと、でも擬人化描きたいんだよなという気持ちと
…みたいな循環が(笑)
高橋「でもそう思ったら不思議ですよね、人間ドラマを描きたいわけじゃないんだな〜て思います、歴史に対してのアプローチで
津崎「そうなんですよ。やっぱり擬人化
……
高橋「そう擬人化なんですよ。そこは絶対に手放せないっすよね
津崎「その理由は自分でも良くわかってないのであれなんですけど
高橋「そうわからない、わからないけどこだわっちゃうんすよ、カメラ部分ですよね
津崎「理由は明確化すればもう少しアプローチも変わってくるかなと思っちゃうんですけど
高橋「ね、思いますよねちょっとね
……こだわりポイントがわかったら、ねえやっぱりアプローチの仕方ってなんとなーく道筋が定まってくるところかなと、思うので
……でもわかんないんすよねぇ
津崎「そうなんですよね
……でもあの、もしかしたらなんですけどね、あのさっきの橋の一代ってあの、視点じゃないですか。橋の視点というか、人間三代と、橋一代の時を考えたときに、100年200年のスパンを一代で見れるのは、擬人化だけなのかなって一瞬
……
高橋「そうだ、断絶がないんすよね。私は断絶とか良く言いますけど、断絶がないんだ、そうだ、それでだ!
津崎「その可能性はあるなって最近気づいたんですよ
高橋「それは大きい
津崎「そう。あの、人間たちがこう戦争したり移ろったり帰ってきたりとか行っちゃったりとかしてるのを見つつ迎えたりとか
……
高橋「観察者なんですよね
津崎「そうそうそうそう
高橋「ああ、だからダァ
…!
津崎「(笑)だからですかね、だといいんですけど、ほんとに、いやでもそれあるなぁと思って
高橋「いや私は多分そうですね。観測主として擬人化書いてますね
津崎「はい。それをちょっと『ドリナの橋』で感じました
高橋「はぁ〜だから手放せないんだ
津崎「やっぱ、そう、人間は変わっていくけど百代?百歳では変わらないみたいな、そういう
……
高橋「しかも、こう、戦争を挟むにあたって生き残る人を選ばなきゃいけないってなっちゃうんですよね、繋ごうと思ったら
津崎「そう、そうそう。はい
高橋「その選別は、なんだろう
…心理的負担が重い。
津崎「あー、はい
高橋「単純に、心理的な負担!(笑)単純に負担!(笑)
津崎「(笑)はい
高橋「それがフィクションの人物でも負担だし、実在の人物でも負担だなって確かに、思いますね
津崎「はい。あーなるほど
高橋「しかも生存性バイアスも働くだろうし、それこそ体験記になってしまう
津崎「あー
…
高橋「と思ったら確かに、そういうところで擬人化
……というか擬人法にこだわるのはめちゃめちゃありますねえ!
津崎「はい。そうなんですよ
高橋「納得しちゃった!
(笑い)
津崎「そうなんですよ。一代人間三代擬人化一代
…
高橋「観測者だ〜、わ〜(笑) 今すげえストンと腑に落ちた、ありがとうございます
津崎「いえいえいえ良かったです。特に土地って、船より橋寄りじゃないですか
高橋「そうっすね
津崎「土地はすごいなと思いますよそういう意味では。船は本当にさっきの話に戻しちゃうので割愛するんですけど、土地って橋に近いな
高橋「近い。しかも橋より考えようによっては長命というか不動のものですよね
津崎「
……そういう意味では土地擬人化すごいいいなって私は思います。やっぱあの、会社と艦船って
……この話を何度もしてるんですけど、ちょっと動くじゃないですか
高橋「動きますねえ
津崎「色んな意味で動くから
高橋「流動的ー
…ですよね
津崎「はい。なので、観測者では一応あるんですけど、ま、時代を超越してるかって言われるとそうでもないし、そこにあるとはまたちょっと違うんですよね
高橋「うん
津崎「で、若干掴み損ねてはいるんですけど
高橋「確かになぁ
……そうそうだ、だから私は船がかけないんだ! ああわかってしまった! なるほどね、だから船がかけないんだ! いや、戦時船舶書こうと思ってまず船舶のことを書けるのかと思った時に、いまいち掴めなくって
……
津崎「うんうん
高橋「なるほどね観測者としての観点が抜けるというか掴めないんだ
津崎「そうですね、まあ土地と橋と比べたらむしろ人間に近いっていうか
高橋「そうですね。カメラ設置して人ともに移動はできるけれども、それは不動なものではないな
……
津崎「そうなんですよ
高橋「歴史と共に流れていくものの一つ、だな、土地もそうではあるけれども
津崎「そうそうそう、はい、でも土地とはだいぶ違って
高橋「だいぶ違いますね
津崎「はい。だって大和なんてそれこそ
…数年で沈んじゃうし
高橋「本当ですよ!
津崎「ねっ
高橋「それがいつの間にか宇宙戦艦だからなあ
……(笑)
津崎「特異点だと思います、大和は(笑)
・・(図書館で『ドリナの橋』を探せ! というか訳者で評価が全然違うすげえ、レビューもすごいものがある)
・・(時代を超越した<観測者>という視点に価値を感じており、不動たりえる土地を擬人化してるんだなあ! とひたすら何度も勝手に腑に落ちまくりスッキリするコヤマなのであった)
本当に喋るとSNSで投稿しているのとは全然違って、すごく楽しかったです!!
そして思い返せばめちゃくちゃ喋り倒していてお恥ずかしい
……聞いてくださってありがとうございます津崎さん
……( ᷇࿀ ᷆ )
津崎さん、有意義な時間をいただきありがとうございました!
・でてきた作品や記事(書き起こししなかったものも含む)
『平凡倶楽部』(こうの史代/平凡社)
『なぜ戦争をえがくのか』(大川史織/みずき書林)
『この世界の片隅に』(こうの史代(漫画)、片渕須直(映画))
『夕凪の街 桜の国』(こうの史代/双葉社)
『オッペンハイマー』(クリフトファー・ノーラン(映画))
『石の聲 完全版』(李良枝/講談社)
『占領期カラー写真を読む』(佐藤洋一・衣川太一/岩波書店)
『ドリナの橋』(イヴォ・アンドリッチ)
『HHhH(プラハ、1942年)』(ローラン・ビネ/東京創元社)
『総員玉砕せよ!』(水木しげる/講談社)
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』(武田一義/白泉社)
『宮崎駿の雑想ノート』(宮崎駿/大日本絵画)より「最貧前線」
『氷川丸ものがたり』(2015年)
[ヒロシマの空白 証しを残す] 元宇品望む 珍しい構図も 被爆翌年の広島 カラーの空撮写真 | 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=131184
『大脱走』(津崎飛鳥)
▷HP
https://roadsend.xxxx.jp/
「エピローグ」『みなと』『手』(高橋コヤマ)
▷Pixiv
https://www.pixiv.net/users/3489394