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ガイベル
2024-04-23 03:29:00
1174文字
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お話
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まどろみ
2023.10.27
休日の昼下がり。
ぼくは寝室のベッドに座り、読書をしていた。
緩やかに流れる時間の中、不意にノックの音がしたかと思うとすぐに扉が開かれた。
この家の住人は、自分を除けばあと1人しかいない。
「サニーくん、どうしたの?」
無言のまま入ってきた彼に、何か用があるのか尋ねたが答えはなく、こちらに向かってくる。
近づいた彼の顔には『眠い』と大きな文字で書かれているようだった。
雪崩れるようにベッドに倒れ込んできた彼をそのまま放っておくと足から床にずり落ちそうなので、読んでいた本をベッドサイドに置いて彼を引き上げる。
寝ぼけながらもベストポジションを探しているようで、どうやら膝を貸してくれということらしい。絶対枕の方が寝やすいと思うけど
……
。
少し丸まってすやすやと眠る彼は猫のようだと思う。近くのブランケットを手繰り寄せて彼にかけ、艶のある黒い髪を梳くように撫でる。
寝つきは悪いみたいだが、一度寝ると意外と起きないと知ったのは一緒に眠るようになってからだった。
そうっとした手つきで瞼の傷を辿り、頬を撫でる。彼の眠りが健やかである事を祈るように。
……
それはそれとして。
猫のような気紛れさで読書を中断させられてしまった分の悪戯くらいは許されるだろうか。
そう思って今度はほっぺたをムニムニつついてみる。なんだかお餅みたいだ。
少し楽しくなってしまい、輪郭や少し大きめの耳を確かめるように触れる。
あんまりやりすぎると起きてしまうかもしれないし、それはかわいそうだ。少し恥ずかしいけど、また起きている時に構ってもらおう。
「おやすみ」と囁き前髪をかきあげて、おでこにキスをする。
さて自分も一緒に寝てしまおうかな、と思いながら上体を戻すと、しっかり開いた彼の瞳とかち合った。
状況を理解する前に、ガシッと顔を掴まれ引き寄せられる。唇と唇が触れた。
柔らかいそれはすぐに離れたものの、突然の事にバットで頭を殴られたような、雷に打たれたような衝撃を受ける。
「
……
バジルのエッチ」
声をひそめて彼が囁く。
あまりの事態に、すぐに返す言葉が出てこない。しばらくぱくぱくと魚のように口を閉じたり開いたりした後、
「ご、ごめん
……
起こしちゃった
…
?」
と絞り出した。パニックすぎてこれが適切な返事かどうかもわからない。ちょっと泣きそうだ。
彼の眠りを邪魔する気がなかったのは本当だ。
しかし起こされてしまったというのに何故か嬉しそうなサニーくんは、
「
…
もう一回してくれたら許す」と言って
自分の口をトントンと指してから、空中で迷子になっていたぼくの両手を絡め取って握ると再び目を閉じた。
ぼくはしばらく呆然と彼の顔と、繋がれた手に交互に視線を泳がせていたけれど、時折急かすように手を握られる感触に観念するように目を閉じた。
end.
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