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はとこ
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ラブソングに想いを刻んで
「ゼンマイ仕掛けのラブソング」のラストシーンから数分後くらいの二人。
#翔藍春待ちチャレンジ
玄関でしばらく抱き合った後、オレは藍を部屋に招き入れた。
けど、並んでソファーに座ったオレたちの間に会話はない。
さっきずっとお互いの思いをぶつけ合ったりキスしたりしてたくせに、気持ちが落ち着いて冷静になった途端、顔から火が噴き出そうなくらい恥ずかしくなっちまったせいだ。藍も話さないし俯いたままだし、多分同じように恥ずかしく思っているのかもしれない。それもそれで今までにない藍の新たな一面を見られて少し嬉しい
……
が、やっぱり恥ずかしい。
何か話すきっかけは、と視線を巡らせて、ふと藍の抱えている紙袋に目が行った。三十枚あると言うオレのデビューシングル。
「
……
そのCD、だけどさ」
オレがそっと口を開くと、藍がおずおずとこっちを向いた。
「オレ、引き取るよ。確かに三十枚も同じCDあっても困る、だろうし」
オレがそう伝えると、藍はぎこちなくCDに視線を向けた後、ゆっくりと首を横に振った。
「ううん。全部ボクが持って帰るから、大丈夫」
「え、でも」
「さっきは『いらない』って言ったけど、今は違う。家にある一枚を含めた三十一枚、全部大切にする。だって、どれも君がくれたボクへの『好き』って気持ちと感謝の気持ちが詰まってるから」
紙袋を抱きしめる腕にわずかに力を込めてそんなことを言うもんだから、オレは思わず藍をぎゅっと抱きしめてしまった。
「っしょ、ショウ」
「悪い。でも、嬉しくて
……
なあ、CDちょっと貸してくれるか? やりたいことがあるんだけど」
「
……
いいけど、何をするつもりなの?」
戸惑いながらもそっと紙袋を差し出してくれた藍に、オレはにっと笑ってCDを一枚手に取った。
ちょうどローテーブルに置いてあったマジックで、CDケースの表面に文字を綴る。一枚、また一枚と次々綴っていく。
書いたのは二つ。一つはオレのサイン。そしてもう一つは、「藍が好きだ!」「何度だって好きだって伝える」「オレの歌を作ってくれてありがとう」「お前の笑顔をもっと見たい」
……
全部、藍への気持ちだ。
「ショウ
……
これ
……
」
テーブルの上に並ぶ同じCD。そこに綴られたメッセージに藍がミントグリーンの目を瞬かせ、頰を紅潮させる。
その顔、好き。ちょうど手に取った一枚にそう綴ると、オレはそれを藍に差し出した。
「お前への気持ちだよ、全部。三十枚じゃ足りねえくらい、いっぱいオレの中にあるんだ」
「ショウ
……
」
「だから、できる限りオレも形にして残すよ。ずっとずっと、お前の傍にいられるようにさ」
続いて手に取った一枚に「ずっと一緒」と綴ると、藍がそっとオレに抱きついてきた。
「うん。ずっと、一緒だよ。この三十一枚も、君も」
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