4月17日「正直者ブルートゥ」


花屋の界隈で有名な人間が居る。
名はブルートゥ。
身なりも綺麗で物腰も柔らかい、上等な教育をされたであろう出自のお坊ちゃん。
そしてことある毎に花を購入してくれる、花屋にとっていいお客さまだ。
表向きは。

高等貴族のような立ち振る舞いはイミテーションで、実のところは只の詐欺師だ。
人の良さそうな風貌で懐に付け入り親睦を深め、相手が心を許した所で大事な物を奪っていく。
その中には命も含まれる。
(人と関わる商売をしていると、嫌な人間の噂には詳しくなる。)

あの狂人は命を奪う時、奪った相手に大量の花を手向けるそうだ。
(恐らく、正気のルビコニアンを真似しているのであろう。奴は自分さえも騙し、正直者だと洗脳している。)
あまりにもよく人を殺すので、一部の質の悪い花屋などは奴のことを福の神のように扱っている。

私はその現状を腹立たしく思っている。
私だけでは無い。まともな花屋は皆奴の存在を疎ましいと思っているだろう。
花は売り物ではあるが、それ以前に心なのだ。
純心は金に勝る。
まともな花屋なら皆心得ている。

『真っ当な』花屋は店の入り口に『正直者のブルートゥ入店禁止』の張り紙を貼っている。
その張り紙がしてある店に行けば、品質にこだわった質の良い花を手頃に購入できるだろう。

いつか来る未来で、ルビコンに立ち寄ることがあるならば、
そして花を購入することがあるならば、『ブルートゥ入店禁止』の張り紙がある店でご購入を。

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