破壊
2024-04-15 03:26:35
2738文字
Public 伏せ
 

都市伝説課:探索者について


キャラシ引用:
〔あまり表情筋が動かず、真顔で突拍子のない事を言う。ドーベルマン。先輩であるHO1を心の底から信頼しており、慕っている。〕


小学生の頃から今までの記憶が曖昧で混濁している、及び幼少期与えられ続けた虐待という秘匿内容から御走韋将による特別強い自我は無い。他人に酷く無関心で誰かを思い遣るという気持ちも無い。思った事を素直に口に出し、疑問や率直な感想をぶつける。都市伝説課に配属される以前の人生についてもこれといった記憶や感情は無い。御走韋将にとっては都市伝説課に配属されてからが漸く歩き始めた自分の人生であると認識している。
虐待されていた事に関しても『そういったもの』として捉えており、恐怖心や怒りといったものを抱いていない。諦めに近い。自分が生み出した、自分を救ってくれた職員である勒以外の物事や人物への関心が薄く、極端に言えば心を失った状態である。しかしながら、虐待当時『生き残れた事に感謝していた』とあるように生きられるなら生き残るという意志がある為、無抵抗で殺される気も無い。自分に与えらえていた暴力を重く受け止めていないが故に他人に対する暴力性や残忍性もある。簡単に人を害せる存在。第1話で言ったように自分が何かをしてその代償が降りかかる事は全て自業自得であり、自己責任だと考えている。

勒が怪異であった事も、自分自身が既に怪異となり都市伝説のひとつである事にも簡単に受け入れたのは、自分がただ此処に存在して隣に恩人である勒がいる事実だけが大切だったから。そうであるなら互いが人間でない事などはどうでもいい。そもそも人間と怪異の差も気にしていない。全てがどうでもいい、といったスタンス。探索で得た情報も大体は「まあどうでもいいか」で流していたのはそういう考えの元です。

基本的に先輩である勒の言う事には「はい」とか「わかりました」と頷くようにしていたけど、嫌な事は嫌だし理解出来ない事は理解出来ないから疑問を抱いたものに関しては「どうしてですか」や「それって意味ありますか」等といった言葉を返す。先輩ファーストとイエスマンは別物なので、脳死で何もかもに「はい」と頷くわけではない。大人になれていない大人、或いは突然成長してしまった子供を意識している。特徴表"不思議ちゃん"も付属されているしね。

モチーフ犬がドーベルマンの為、忠実であるべき人物の勒以外に対しては警戒心が強めではあった。本当は他都市伝説課職員ともっと喋ったり仲良くなったりしたかったけど、生い立ちが生い立ちだし不愛想で突拍子のないノンデリドーベルマンだったから難しかったわ。相談者に対する警戒心もかなり高くロール出来たかな。特に第2話ではデリケートな話題までオブラートに包む事もせず突っ込み、最初から最後までずっと言動を注視していた。八千代が「内緒です」というたびに「役所まで相談しに来た立場で何を隠す事があるんだ」とか思ってたけど、先輩に黙っているよう言われたから黙ってた。


御走韋将はこの世界に於いて純粋な被害者は存在しないと思っている。虐待児童である御走韋将がそう捉えているのってかなりグロいけど、多分御走韋将という人物を動かす上でこの考え方は正しいと思ったのでそうしました。恐らく自分自身を守る為に"そう"思い込むことにしたんだと思う。そうでなければ自分はただ巻き込まれただけの憐れで弱く可哀想な児童になってしまう為。これらの事を『そういったもの』として見ている御走韋将にとって、自分が全く非のない被害者になる事は今までの自分のスタンスを根底からひっくり返す重大な問題となる。
虐待されていた当時の自分と乖離した状態にある御走韋将が、事実只管に被害者であった自分自身を認める事は過去のトラウマを全て受け止めるものになる。本人の望まない現実は見なくてもよいと私は思っているので、御走韋将はこの乖離した精神のまま自分を守っていればいいんじゃないかな。その為の力を今は充分すぎるほど持ち合わせているんだし。

御走韋将という名前は韋駄天から取っています。足速いし。釈迦の為に方々を駆け巡って食料を集めたという逸話があるくらいには犬っぽいし。御馳走の由来だし、まともに飯を食えていなかった子供が御馳走という言葉由来の名前使うの可愛いし。本名は伊田あやめ。


本編中先輩に対して執着しているような描写はあまり挟まなかったが、個別導入で御先から見せられた勒の写真を胸ポケットに仕舞って持ち帰ったり、配属初日の挨拶で勒をじっと見つめ続け強く手を握っていたのは幼少期の恩人に対する依存の片鱗。時折見られた「先輩と一緒にいるだけで嬉しい」といった発言から、恐らく御走韋将は常日頃から何をするでもなく勒の傍に居座り、見つめ、そこに在り続ける。先輩を見ているだけで嬉しい、とも言いそう。
先輩である勒がクソ真面目でお人好しで人間に対して警戒心が薄く、常に親切で優しくて気を遣う性格しているから代わりに御走韋将が周囲の人間に威嚇してんだよね。そういう事なのかも。きさらぎからも勒をよろしくねって言われたし、都市伝説課の生真面目ポンコツ振り回され枠なんだ先輩は。自陣、きさらぎが常にツッコミしてそう。期待の大型暴れ馬大胆不敵猪突猛進新人も入ってきたし、いずれ胃に穴が開くね。開くような胃があるのか知らんけど。

今思い出したけど第2話から第3話って地続きだし、コトリバコで拾ってきた爪と歯の小瓶ずっと持ち歩いたままやってたのか?ウケる。そもそもなんで落ちてる爪拾って持ち帰ろうとしたのか私も分からない。都市伝説課だし呪物として保管とかするのかなって思ったのかも。いや、ただの好奇心だろうな。禁書の棚も率先として開けようとするし目について気になったものは弄らないと気が済まないんだ。つまり御走韋将が手に取らなかったものは全て興味が無かったり見る気がないと思ったものってワケね。

最終戦闘シーン、新人はずっと「俺が殺します」で最高だった。動かしやすさが段違い。別に虐待されていた事とか教団の存在とかに恨みがあるわけじゃない、きさらぎの持ってきた仕事として「じゃあ俺が殺します」になっていただけ。あと御走韋将の唱っている『自業自得』をここで精算出来るから本人的にも自分の考えを肯定する1つの材料になったんじゃないかと思う。因果応報。この世に完全なる被害者存在しない。

そう、この物語にひとりだって完全なる被害者は存在しなかった。御走韋将はそう考えている。今までも、これからも。
伊田あやめは存在しない。ここにいるのは都市伝説課職員および都市伝説『職員さん』、御走韋将である。