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倉木
2024-04-14 20:06:19
1772文字
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新亀
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LD短いの
新亀
ひとりワンドロ
赤くなった頬はいつもより腫れあがり、触れようとした寸前その手は振り払われた。
合わせて身ごとずらして距離を置かれてしまう。
手当前に怪我の具合を見たかっただけなのだけれど、必要以上に警戒されてしまっているようだ。
確かにちょっと前に似たようなことがあった時は容赦なく患部に消毒液をぶっかけた記憶はある。
でもあれはラファエロの不注意による事故のようなものだったから仕置きの意味も込めたものだったのだ。
今回は悪いことをしたわけじゃないのだしそんなに毛を逆立てる猫よろしく身体を強張らせることないのに。
もっ友、自分たちに毛なんて生えていないのだけれど。
「何もしないってば、早く冷やさないと長引くよ?」
手招きした手で氷服をを掴むと、ラファエロは未だ引き腰のままだったけれど逃げなかった。
目尻から顎にかけて大きく広がった打撲痕は、口が切れなかったのが奇跡なくらい。
「
……
ったく、手加減ゼロかよ」
熱を持った頬に触れた途端一度身をびくつかせたものの、顔をしかめながらも大人しくしている。
「綺麗にきまったからねぇ」
何かと生傷が絶えないラファエロが一発で昏倒するくらいに見事な右ストレートだった。
いくら受け身を取る体勢に取れる状況ではなかったとはいえ、彼の苦い顔を見れば痛みだけの感情ではないのが見て取れる。
「お前等いつもあんな派手な喧嘩してんのかよ。自称ナイーブが聞いて呆れるぜ」
呆れた調子でそう問われれば、ドナテロは苦笑を返すしかない。
「あーいやぁ、うん。たまに?」
レオナルドとの喧嘩は、一般的に言えばずっと少ない方だと思う。
どこぞの誰かさんと違って気性が荒くもなければ能天気に周りを巻き込むトラブルメーカーでもない。
ふたりきりなら言い合いどころかそもそも会話すらしないような時間だって多いくらいだ。
ただそれでも違う生物である以上ズレというのは生じてしまうもので。
そして頑固なレオナルド相手に毎度毎度折れるほど、ドナテロは考え無しにはなれなかった。
「レオナルドが随分と遠慮なくて驚いたがよ、お前の拳喰らって納得したぜ
……
」
向けられる目線は、ソファの上で遊ばせたままの右手。
元より戦闘でも武器を欠かさないわけで、慣れない打撃の名残でまだちょっとヒリヒリしている。
平行線での押し問答ほど時間の無駄はない。
小さい頃はそれなりに取っ組み合いだってしていたわけだし、いくら平和主義者を主張したって我慢の限界っていうのはあるわけで。
ちょうどそのタイミングに居合わせたらしいこの優しい弟が、ドナテロ達のただならぬ雰囲気を感じて飛び込んできた。
咄嗟にドナテロの前に立ったのも、普段レオナルドと何かと取っ組み合ってるからこそその力を熟知しているせいだろう。
結果的に予想してなかった背後からの一撃で落ちてしまった悲しい結果になってしまった。
「
……
お前もしかしてわかってて避けなかったな?」
ふと気付いたようなラファエロに、笑顔で返す。
「近くにいるのは知ってたよ?」
ラファエロは唸り何か反論の言葉を探していたようだったが、やがて諦めたように溜息を吐いた。
「で、肝心のアイツはどこ行ったんだよ」
「うーん、今頃どこかで素振りでもしているんじゃない?」
ラファエロの介抱でなしくずしにはなってしまったが、いくらレオナルドとてすぐに謝るほど大人ではない。
元より合理的な考えはできるのだから、ドナテロの言葉をきちんと受け止めた上で何かしら解を見出し帰ってくるだろう。
それまで待てるくらいにはレオナルドのことは信頼していた。
それに。
「今頃僕のことでいっぱいになってるだろうから、長くなればなるほどいいんじゃないかなって」
「
……
ほんっといい性格してるぜ」
ラファエロが身体ごと逃げたせいで半分くらい水になった袋が落下した。
結露で濡れた手から滑り落ちた雫が腕を伝う。
滴った水滴で濡れたソファが乾く前には戻ってくるだろうか。
そう賭けを持ちかけてみたのにこれ以上巻き込まれてたまるかってんだ、って、即答されてそのまま逃げられてしまった。。
残念、ひとりで待つのは結構淋しいものなのだ。
もしも帰ってこなかったらって言う不安はが、せめて後悔に変わらないように。
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