はるれに
2024-04-09 01:23:47
363文字
Public #SS(1〜30)
 

朝(続)


 気配がして目覚めると首筋に何かが触れていた。その冷たさが思考に浸透し、状況を素早く把握する。天井が見えるはずの視界には薄く影がかかっており、覆いかぶさるような影の主の肩口から青い髪が一房垂れていた。
おはよ」
 首筋を撫でていた手がひっこみ、柔らかく返される。
「おはよう。オレ昨日さ」
「部屋間違えたんだろ、あんたが夜中にオレのベッドに潜り込んできたんだぜ?」
「やっぱりそうかー。すまん」
 明るい声。身を起こしたオレの髪をくしゃくしゃと撫でまくる手を雑に払うと、キャスターの顔をそっと見やる。
「ん?」
「いや、なんでもない」
 あんたが寝ぼけて噛んできたことなんてなんとも思っていない。オレはそのことを表するために、キャスターが部屋から出ていくまで噛み跡から意識を逸らし続けた。