【能楽鑑賞】#119 狂言ござる乃座 69th

狂言「八幡前」「呂蓮」「三人片輪」

狂言ござる乃座 69th

国立能楽堂
2024年3月29日(金)19:00
2024年3月31日(日)14:00

狂言「八幡前」
   聟:野村太一郎
   舅:石田幸雄
太郎冠者:飯田豪
 教え手:内藤連
  後見:金澤桂舟

狂言「呂蓮」
   僧:野村萬斎
宿の主人:高野和憲
   妻:中村修一
  後見:月崎晴夫

狂言「三人片輪」三曲(3/29)
狂言「三人片輪」(3/31)
博奕打:野村万作
有徳人:深田博治
博奕打:野村萬斎
博奕打:野村裕基
 後見:岡聡史

*・*・*

前回に引き続き、今回のござる乃座も2days行ってきました。

てか、前回は親子三代で演る「武悪」が好き過ぎておかわりしたんですけど、今回は親子三代で「三人片輪」を小書有無しで演るよ!っていうから、何が何でも平日公演の🎫売りたい萬斎さんの戦略にホイホイされたよね、うん(笑)


狂言「八幡前」

過去に万蔵家で拝見しましたので、
あらすじや演目の印象等の詳細は割愛しますが

【当時の感想メモ】
https://privatter.net/p/10294194

太一郎さんの聟候補は、育ちの良いお坊ちゃま感が出ており可愛い感じでした。一芸をちょっと教わっただけで、直ぐに身に付くと思ってるあたりが世間知らずというかなんというか(笑)

一方、舅役の幸雄さんが良い味を出してて流石だと思いました。
太郎冠者と一緒に愉快に笑っていた舅が、だんだん無表情に変わり聟候補の太一郎さんを追い詰めていく(笑)

イライラが募る舅の心情が伝わってくるようでした💦
この後の舅は、聟が無能と分かって無駄な時間を過ごしたと思ってそうです(苦笑)



狂言「呂蓮」

何の公演か忘れたけど(薪能?)過去に配信で観たことのある演目でした。確かシテは万作さんだったような気がします。でもやはり生で観てないので内容はうろ覚えでした💦


旅僧(萬斎さん)が泊まった一夜の宿にて、その家の主人(高野さん)の求めに応じて仏法について説いて聞かせると、主人は後生(死後の世界)のためにも今直ぐ出家したいと言い出します。

この手の案件は後でトラブルになっても困りますから、旅僧は念には念を入れて、奥さんや一族と相談してから決めなさいと言いますが、主人は「もう相談済だから大丈夫!(キリッ(意訳)」と言うので、僧は主人の頭を剃り、呂蓮という名前を付けてあげます。

そこへ料理の用意が出来たと言って妻(中村さん)が出てくると、夫が坊主になって僧の格好をしてるので驚きます。相談もなく勝手に出家したと激怒する妻は「元のように毛を生やせ!」(←パワーワード🤣)と夫を責め立てます。

すると主人は

「あの僧が勝手に剃った」(←😮!?)

と言い出し、心変わりした主人が妻に味方すると、最終的に旅僧は家から追い出されてしまうという、ドタバタが笑えるケドちょっと理不尽なお話でした😂


まず思ったのは、この演目はシテよりもアドの演じ方でだいぶ印象が変わるかもしれないと思いました。

高野さんの場合は、純真無垢な表情で旅僧の話を聞く姿からはピュアなものを感じたんだけど、その後の受け答えで、“何食わぬ顔で嘘を付くタイプの人間”だということが判明(いや、むしろ本人は嘘を嘘とも思ってないかもしれない💦)そのサイコパスっぷりに少し恐怖を覚えました😅

旅僧、ちゃんと確認したのにね、奥さんに相談しなさいって。でも嘘つかれたらトラブルも防ぎようがないよね😅

最終的に旅僧のせいにされた瞬間は、あまりの理不尽っぷりに「えぇぇ⁉😵」って思ったけど(理不尽な話は胸が痛むので・苦笑)でも、振り回されてやられちゃってる姿の萬斎さんが可愛かったのでヨシ!(๑•̀ㅂ•́)و✧(笑)

狂言「宗論」での、萬斎さんの相手への容赦無い追い詰めっぷりが凄く好きなんだけど(笑)、今回この演目を観て、逆に追い詰められてる萬斎さんも良いな🥹✨って思っちゃいました(新たな発見🤣笑)

でも、初日は橋掛り近くで観てたんだけど、退場時のすり足の音が哀愁漂ってたな🥹セツナイ

あと萬斎さんの僧は、いつ見ても何処か胡散臭いんだけど🤣、その胡散臭さがキュートで良いんですよねぇ。好きだわァ🥰



狂言「三人片輪」三曲(3/29)
狂言「三人片輪」(3/31)

以前、狂言座で観た演目です。

【当時の感想はコチラ】
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/26537

今回は小書き有りと無しで、
親子三代で演じるというデラックス版でした。

通常の小舞のシーン↓
「風車」「兎」「景清 後」

小書「三曲」の小舞のシーン↓
「景清 前」「鉢木」「八島 後」

という変化があります。

萬斎さん自身もこの小書は観たこともなく、
今回初めて演じたとのことでした。
通常版の方が動きが大きくて宴会っぽいのかなァ
どうして小舞が違うバージョンが生まれたのか知りたいですね。


にしても親子三代の『三人片輪』は最高でした!✨
狂言座の時も充分面白かったのですが、この3人が演ると更に面白さが増すのかと感動しました🥹✨

健常者なのに障がい者のふりをするという、けしからんギャンブラー三人衆ですが、この三代が演じると息がピッタリで、観ているととてもほっこりしました🥰

また嘘がバレてもめげてなさそうな辺りは、たくましさすら感じます(笑)


盲目役を裕基くん、いざり役を萬斎さん、唖役を万作さんが担当したのですが、それぞれピッタリの配役でした。中でも万作さんの芸がお見事でした!流石、人間国宝✨(あと笑顔も目が輝いてて可愛かった🥰)

萬斎さんも、動く度に揺れる美しい黒髪のサラサラヘアーが素敵過ぎて、脇正面だったので美しい横顔も観れて、まさに目の保養でした😍そして、何より万作さんの声をかき消す勢いで(笑)謡を謡ってたの、好き💕耳も幸せでした👂✨

毎度のことですが、萬斎さんと裕基くんが一緒に声を発するとハモるのも面白かった😆✨

裕基くんも、声の出が一段と良くなった気がします。萬斎さんに似てる似てないとか関係なしに、いち狂言師のボイスとして、とても惹きつけられるものを感じました。観客の心を惹きつけるチカラ、これは役者にとってとても大事なものです。これからも大切に育てて欲しいです。

あと杖をついてる姿を観ていたら、裕基くんも歳を重ねたら「川上」を演じる時が来るんだろうなァと、ちょっと想像してしまいました😌


今回のござる乃座は、嘘をついて恥をかいた話、嘘をつかれて理不尽な目にあった話、嘘をついたらボロが出てバレてしまった話、と嘘にまつわる演目になってて奥が深いなァと思いました。

とりあえずコレを観て分かることは、
嘘は良くない、ということです(苦笑)