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はなおぼろ
2024-03-28 23:26:38
2490文字
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縁巌覆面作家企画4:場外乱闘編感想
作品の雰囲気に引っ張られてテンションが上下左右しております。予めご了承ください。
場外乱闘編No.1:花一華
途中まで作中の巌勝同様、騙されておりました。夜と昼と巌勝の記憶との間に徐々に生じる綻びが不穏を掻き立てる、素晴らしい作品でした。
そしてタイトル、アネモネの和名や~!! まさか場外乱闘編でもアネモネが扱われる作品を読ませていただけるなんて。紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」お館様のお嬢様は、当主である父と縁壱が交わした約束が果たされるのを信じて待ってくださるのでしょう。縁壱は花言葉を知らないけれど、庭にアネモネを植えているということは、無意識に兄が無惨という柵から完全に解放されるのを信じて待っているのかなと思いました。
場外乱闘編No.2:私の愛はどこにも辿りつかない
しんどい。ただひたすら、しんどい。この手の作品が一番私の心のライフをゴリゴリと削るんや
……
。
巌勝の「俺の大切なものを大切にしてくれる人と一緒にいたい」に胸が痛みました。巌勝にとって大切な巌勝自身が与えた彼の心も、巌勝が大切にしている縁壱自身も、縁壱は大切にできない。少なくとも巌勝の望む形で大切にできていないから、一緒にいれない。耐えられなくなってしまうから。縁壱は何を思ってあの後「俺も大切にしたい」と答えたのだろう。巌勝と一緒にいれる人になりたいのだろうか。二人の今後か気になると同時に、彼の中に巌勝の与えた愛が残っていることを願ってやまないです。
場外乱闘編No.3:猟人日記
縁壱の兄に対する思いの丈も、糾弾されていた時の心情も赤裸々に綴られる手紙の内容といい、あの日の任務での人員選出が日柱の判断であることといい、無意識故のたちの悪さが読者にも非常に分かりやすく表現されていて。そりゃ戦国炎柱のこめかみも軋むわよ、と。
彼は手紙を欠片も残らぬよう灰にしたけれど、二人のことは一生忘れられないのだろうな。この後どんな気持ちで炎柱の書を認めるのだろうか。
それにしても縁壱の手紙と戦国炎柱視点で語られる、双子の情事。直接見えていないはずなのに、なんと艶めかしいものか
……
。
場外乱闘編No.4:愛と哀しみのブレーンバスター
読んでいてじわじわと熱量を感じる作品でした。なんだろう、私は今、文章越しに筋肉の熱を感じている?
縁壱VS黒死牟戦は、固唾をのんで見守ってしまいました。作品全体の文章と比較すると決して長くはないシーンのはずなのに、読んでいるこちらに伝わるピンと張り詰めた緊張感がとても素晴らしかったです。
色んなピラー達のリングネームも書かれているのも、設定が作り込まれているのが分かりとても良かったです。個人的に笑ってしまったのは「何かよくわからないが正統派」の部分。何かよくわからないのに納得しちゃうの良いな、正統派冨岡さん。
場外乱闘編No.5:《裏切り者に》友人に結婚秒読みの婚約者がいた件について《制裁を》
音声入力しているちゃんねるモノって凄く珍しいな~と思いながら読み進めたのですが、前半は作中作のスレッドだったという、まさかの二重式。作中作だと分かると、前半部分の見え方が変わってきますよね。映画ではスレッドを映したPC画面じゃなくて、カラオケボックスでスマホに向かって話している四人の映像と、ワイプでスレッドの様子が流れているのかな~と想像しました。
作中作の姉上と縁壱は12歳差だったけど、役者縁壱と姉上は何歳差なんだろう~とか、監督色々差し入れ送られていてめっちゃ愛されているなぁとか、二重式で驚かされつつ、ちゃんねる式の賑やかで楽しいところが沢山詰まった、素敵な作品でした。
場外乱闘編No.6:共犯者
縁壱が鬼舞辻無惨と邂逅していた裏であったろう、鬼と成った兄と産屋敷当主とのやり取り。お館様の科白一つ一つに、産屋敷家当主としてしての信念と執着の強さを感じて、とても素晴らしいです。「君が生き続けるかぎり、私の歴史も続いてゆく」「きっと鬼舞辻の最期のときまで奴の傍らで生きていける」に、縁壱という絶対的強さを持った鬼狩りがいた時代の当主が、如何に継国巌勝という個人を高く評価していたかが濃縮されているように思えます。このお館様は『何』に恋をしていたのだろう。産屋敷当主としての責務か、それに殉ずることか、はたまたそれ以外か。読み手によって解釈が変わりそうですね。
場外乱闘編No.7:君が眩しい
岩が斬れないに加えて刃こぼれをしているということは、呼吸術を体得しきれていない・己にあった呼吸術ではないことを意味する状態なのけど、師でもある弟に「完璧でございます」と言われるのは、凄く苦しいだろうな。剣士としての縁壱に憧れと怨毒を抱えながらも、慕ってくる弟に嬉しさを思わずにいられない。しかしそれを受け止めきれない。兄上的には一番しんどいであろう時期と、互いが抱えている想いの違いから縁壱とすれ違っている様に胸がきゅっとなります。
そんな中で不思議と同じことを考えている瞬間が確かにあった。そのことが切なくも美しい、月明かりのような作品でした。
場外乱闘編No.8:最果ての教室で
嘗て400年余りを肉体の全盛期で過ごし続けた男の「前世まで勘案しても初めて肉体が30代を迎えている」にどこか哀愁を感じながら読み進めた後の、今世でもお出しされる日の呼吸ガチ勢っぷりに思わずニッコリしちゃいました。そういうところだと思いますよ、兄上。
ひさま呼吸エクササイズ®を通して巡り合う嘗ての兄弟、そして縁壱の今度こそ大切にしたいと思うに至る話。二人で沢山ご飯を食べて、沢山笑って、沢山話をして、互いを知って。とても胸が温かくなる、幸せな気分になる、素晴らしいラストでした。
転生縁巌の素晴らしい大団円がまたこの世に一つ増えたぞー!
企画の正解発表があったと思ったら、番外編が開幕した。まさかまた素敵作品の感想文を認めることができるだなんて。
作家の皆様、素晴らしい縁巌作品を生み出して下さり、本当にありがとうございました!
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