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ぎんちき
2024-03-26 07:43:17
2679文字
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NSFW
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Case.?? 加治風多
2022/09/10 発行の『「遠慮なくいただきます!」…と、お前は言うよな。』(あくと飯本)の番外編的なお話です。
※嘔吐描写があります。
あー、何? お前もやられたんだ。あぁ
……
そうだよ、俺も。あれは最悪だったぜ。もう二度と体験したくない。
昨日俺は
……
三津谷と部屋で過ごしていた。それはいつも通りだからなんてことはない。でも、そうだな。変わったことと言えば、アイツが変な提案をしてきたことか。
「加治さん、今晩はパジャマパーティーなんていかがですか?」
「は?」
「ふふ、半分冗談です」
見るからに胡散臭い笑顔だったし、当然俺だってそんな怪しい提案断ろうとしたさ。でも
……
。
「あ、それ」
「お好きでしょう? マシュマロ。たっくさん用意したのでお好きなだけ召し上がってください」
なんだよその顔
……
そうさ、そうだよ。好物に釣られたんだけど何か悪いか、文句あるか? ないならいい。
とにかく、そのマシュマロは普通だったし。何も入ってないのもあれば、チョコとか苺が入ってるのもあって。色んな種類があってうまかった。だから気が緩んだんだよ。
「
……
ん?」
違和感に気づいた瞬間に止めればよかった。でもあの時はそのままの勢いで二個めを口に放り込んでしまった。
「あ゙? え、」
当たり前だけど、マシュマロを口に入れたら噛むだろ。噛んだ瞬間、何と言うか、その部分がしゅわしゅわしたんだよな。それが歯の間を通って舌の方に、来て。訳がわからないままに嫌な汗が出てきて、頭の中が真っ白になっていった。
味? あのさ
……
そんなの覚えてると思う? とにかく不快だったことしか覚えてないよ。変な炭酸みたいなの以外、食感自体は俺の知ってるマシュマロ。でも食べたことのない味だった、としか言えない。まずいとかそういう次元じゃないぜ、あれ。
で、不快感を覚えながらも明らかにこれを作った目の前の奴に問い詰めてやろうと思ったんだ。
「お前、これ
……
」
口の中のものはそのままそんなことを言ったかな。それが失敗だったみたいで。
当たり前のことだけど、喋ると口って動くだろ。そのせいで一度は堪えられた「不快感」がもっと広がって
……
。思い出すだけでマジ最悪。
「どうしたんですか? 顔色が悪いですよ」
「なに、いれ゙、ぇ
……
」
決壊、ってこんなことを言うのかななんてどっか冷静に考えている自分がいた
……
けど、もしかしたらただ単に現実逃避をしてたのかも。防衛機制っていうの? そんな感じでさ。
醜態を晒した後。顔を上げたらニッコニコの三津谷がいたよ。ムカつくくらい嬉しそうで。
「この
……
!」
「ふふふ
……
中に何が入っているか、気にしてくださるんですね。それは今日の為に特別に作ったんです。まずは米を炊き、牛乳や砂糖、
……
その他諸々をミキサーにかけてペースト状にしたのをマシュマロに入れてみました」
何でそれで炭酸っぽくなるんだよ。その他諸々って何だよ。なんて言い返してやりたかった
……
けど。
「ゔ、ぅう
……
う、ぇ
……
」
「おやおや」
気持ち悪さの波がもう一回来て、何にも言ってやれなかった。それが後になって悔しかったから、今朝は起きてすぐアイツに全部言ってやった。それで少しは気が済んだけど、
……
え? 許してないに決まってるだろ。この後もまだまだ最悪だったんだからさ!
「ぐぅ
……
っふ、
……
ふぅ
……
っ」
「
――
っと。その、申し上げにくいのですが
……
随分と派手にいかれたのでお顔が大変なことになってますよ。こっちは片付けておくのでシャワーでもどうぞ」
「
……
あとで、覚えとけ!」
テンプレートみたいな捨て台詞を言ってしまったのはこの際気にしない。多分俺がそんなことを言うのは想定内だったんだろうな。アイツは「えぇ、しっかりと記録させていただきます」とか言って、また笑ってやがった。
まぁ、そんな感じで俺は最悪な状況から少しでも体裁を整えないと、と思って風呂に向かったんだ。
自分で言うのもなんだけど、ジャージの胸と太ももの辺りが特に目も当てられない状態でさ。洗わなきゃなー、でもとりあえず自分自身を何とかしてからでいいか
……
頭も痛くなってきた気がするし、今の気力でできることからやろう。そんな風に思いながら。
ふと鏡が視界に映ったんだよね。そう。洗面台のところのやつ。それに映ってた自分が
……
まぁ本当に
……
酷くて。うっぷ
……
今思い出しても嫌な気分になる。
ああ、平気。二度と誰かにあんな状況を晒してたまるか。
で
……
そうそう。口の周りに吐いたものなのか唾液とかそういうあれなのかよくわかんないのがびっしょりついて、多分食べてたやつだろう白いカスも頬とか
……
髪とか。色んなところに、ついてた。気持ち、悪くて。鏡の中の俺が真っ青
――
というより、真っ白になったな、とか思って。
もう吐くものなんか入ってないのに咄嗟に洗面台へ駆け寄って、気持ち悪いのが終わるのを待った。多分大した時間じゃなかったんだろうけど、めちゃくちゃ長く感じた。何も出ないのに、胃の辺りがぐるっとする感覚が何度も続くんだぜ。脂汗は止まらないし、手は震えて。情けないったらありゃしない。でも、ただそうすることしかできなかった。あー
……
考えるだけでまた頭痛い。
――
そんな感じで、三津谷の出したものを食べてしまった俺自身の迂闊さと、そもそもこんなことをするなっていうアイツへの怒りとがぐるぐる混ざりながら耐えてたら、部屋の方が片付け終わったのか、この状況を招いた張本人が俺に声をかけてきた。
「大丈夫ですか?」
「ぐ
……
大
……
丈夫! だから、来るなよ!」
その時点ではまだ洗面台とにらめっこしてたからアイツの顔は見られなかったけど、またヘラヘラと嬉しそうな顔をしてるんだろうな、と思えてさ。なら意地でも今の状態を見せてやるかってな。
波が去ってから何とかシャワーを済ませて、ジャージを手洗いして
……
その後は、寝た。で、起きてからさっき言った通りアイツに色々言って、って感じ。お前もやられたならちゃんと言ってやった方だいいぜ。調子乗らせてこれ以上被害者が出たらマズいと思うし。被害者で集まってアイツに痛い目を合わせた方がいいくらいじゃないか? はは。
ん? ああ、このマシュマロ? コレはさっき中学生にもらった。「あくと兄さんがご迷惑を」とか言ってくれた。何か中学生にも俺の好きなものが知られてるのは変な感じだけど、でも三津谷よりよっぽど気が利くよな。
……
昨日の話してたら口の中不味くなってきた。せっかくだし口直しにちょっと食べようかな。お前は? いらない? そう。じゃあ、いただきま
――
……
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