梶間
2024-03-20 01:45:29
1556文字
Public カブライ
 

ポッキーゲームのようなことをする二人(カブライ)

診断メーカーで出たお題でした。原作後で無理やりポッキーのようなもの出してみた

「何食べてるんだ?」
「開発中の新しい携帯食の試食です」
「え、俺なにも聞いてない」
細長く焼いたビスケットにチョコレートをかけた菓子をじっと見つめるライオス。いつも小腹を空かしている王様に食べやすいものを、と城の調理開発部が作ったものだ。持ち手にチョコがついていないので立食のときの一品や持ち運びしやすいので寒候期の携帯食には良さそうだが、小腹が空いたときの軽食としてはいささか甘すぎる気がする。王に試食をしてもらうと食べすぎてしまうので試食役を買って出て緘口令を敷いていた。
「あんたに試食頼んだら肥えるでしょうが」
「俺も食べたい」
「ダメです」
「えー」
ライオスの残念そうな顔がお預けされた犬のようで、少し意地悪をしたくなる。ビスケットを咥えた状態で相手に差し出したらどんな顔をするだろうか。
「じゃあ、はい。どうぞ」
「わーい」
パキッと軽い音を立ててビスケットが真ん中ほどで割れた。躊躇いなく食いついてへし折るとは本当に犬か。人間としての照れはないのか。
「お、美味い」
もぐもぐと口の中にチョコがけビスケットが消えていく。まあこういう人間だったよな、と内心肩を落とすとライオスは踵を返してさっさっと部屋から出て行こうとする。
「じゃあ美味しかったって伝えておいてくれ」
背中越しに早口で捲し立てる。なんだと思えば耳が赤い。首も赤い。やってから恥ずかしくなったやつだこれ。
思わず口角が上がり、去ろうとする腕を掴んで引き止める。
振り返ったライオスの顔は思った通りに赤かった。
「もう一個ありますけど。はいどうぞ」
「いや、もう大丈夫。美味しかった、ありがとう」
「どーぞ」
「普通に食べさせて欲しい……

先程と同じように菓子を咥え、掴んだ腕は離さず引き寄せ圧をかけていると、ライオスは手で顔を覆ってそろそろと近づいてくる。それを見て、なんとなく今日は勝ったな、という気分になった。