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雨月 ひより
2024-03-04 17:47:47
8972文字
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花占いの例え話
Twitter(X)のハッシュタグ『#リプきたセリフでSSを書く』で頂いたセリフを使って書いたBWⅡ、BBスタ。
CPもお任せとのことなので、布教を兼ねてBBスタを宣伝させて頂きます!
頂いたセリフ→「べ、別に!あんたなんか好きじゃないんだからねッ!!」
「すき、きらい、きらい、すき
…
」
前に演習からの帰り道に偶然、見つけた花畑に来た俺は今、花びらを取って花占いをやっている。
ここには花が沢山あるから一輪だけ抜いたって誰も気づかない。
「はぁ
…
」
数が合わないのか、いつも『嫌い』の所で花びらがなくなってしまうんだ。
『嫌い』と出たのはこれで何回目だろう。
そして、俺もため息をついたのは何回目だろう。
「
………………………
」
花びらがなくなって花の芯の所だけになってしまったものを見る。
何度も俺が花占いの為に花びらを散らしてしまったことだろうか。
こう言ったものは一度しかやらないものなのは分かっている。
でも、結果が良くないんだ。
いつも『嫌い』の所で花びらがなくなってしまうんだ。
花占いはガルバトロン様が持つ本の中に書いてあった。
どれでも良いから花を選んで、相手が自分のことを好きか嫌いかを言いながら(または口に出さなくても思いながら)その花びらを取って占うものだと。
言い切った時に花びらがなくなれば相手の思いが分かるかもしれない
…
と言うものだった。
『好き』の所で花びらがなくなれば、相手が自分のことを好きかもしれない。
『嫌い』の所で花びらがなくなればその逆だ。
『かもしれない』だから確かなものではないことは分かっている。
相手に直接聞けないからこそ、花占いに頼っているんだ。
直接聞くことが出来たら最初から花占いに頼ったりしていない。
(あのヒトは、おれのことが、きらい
…
か)
あのヒトとの最初の出会いこそは良くなかったが、月日が経つにつれて、信頼し合える仲になれた
…
と俺は勝手に思っている。
演習でも任務でもコンビを組むことになってからは、ずっとそばにいられるようになった。
組んだ最初はとても大変だったが、それも月日が経てば相手のことも分かってきた。
しかし、それは演習や任務中のことだけだ。
演習も任務も終われば互いに離れるんだ。
俺が急用などであのヒトの部屋の前まで行ったことはあるが、中にまでは入ったことはない。
同時にあのヒトも俺の部屋の前までは来ることもあるが、中にまでは入って来たことはなかった。
俺もあのヒトのプライベートなことは何も知らないし、自分から話したこともない。
また、あのヒトも同じだった。
互いにプライベートのことは一切話さない、本当に演習や任務だけの関係だ。
互いが一緒にいるのは演習や任務だけなんだ。
最初は演習や任務だけの関係でも満足だった。
一緒にいられたら、あのヒトの役に立てるのならそれだけで良かったんだ。
でも、今は違う。
いつからか演習や任務以外でも、あのヒトのそばにいられたら良いのに
…
と思うようになった。
でも、それをあのヒトに言うことは出来なかった。
だから、基地から離れたこの花畑まで来て花占いをやっているんだ。
今日は俺達は休みだ。
ここ最近の休みの日には俺はこの花畑に来て過ごしていた。
ここは誰にも教えていない、俺だけが知っている場所だ。
花畑に来てやることと言えば、この花占いと、他には、書庫にあったガルバトロン様の本にも載っていた花を探してみたりするが、殆どを花占いに費やしていた。
「あぁ、まただ
…
」
さっきの花占いの結果が気に入らなくて、また違う花に手を伸ばして花びらを散らしていく。
そして、また
…
。
どんな種類の花でやっても結果は全部同じだった。
「
………………………………
」
こんなにやっても結果が同じなら、俺の気持ちはあのヒトには届かないってことなんだな。
俺の気持ちはあのヒトに言ってはいけない
…
ってことなんだ。
言ったとして、もしかしたらそれが原因になってコンビを解消されてしまうかもしれない。
コンビ解消となったら互いに困るだけだ。
俺が所属しているこのデストロン軍の演習も任務も一人だけじゃ何もすることが出来ない。
誰かと協力しなければ出来ないこともあるんだ。
互いにギクシャクしたままでは支障が出てしまう。
折角、信頼してくれるようになったのに、たった一言でそれまでの関係が壊れてしまうことだってあるんだ。
(それなら、おれは
…
)
これは花占いが教えてくれている俺とあのヒトの関係だろう。
俺はあのヒトと一緒にいられなくなるくらいなら、自分の気持ちを言わないことを選ぶ。
あのヒトとの関係が壊れるくらいなら、俺はそうする。
隠したまま、これからもずっとだ。
デストロン軍から離れるまで
…
いや、このスパークの光がなくなるまでだ。
「こんな所にいたのね、BB」
後ろから聞き慣れた声が聞こえて振り向くと、あのヒトがいた。
俺がコンビを組んでいて今、花占いで気持ちを言うべきかを聞いていたそのヒトだ。
「す、スタースクリーム
…
ッ!」
そのヒト
…
スタースクリームに見られないように、花びらがなくなって花の芯の所だけになってしまったものを後ろに手をやり、花占いをしていた証拠を隠した。
「きょうは、やすみだから
…
」
「ええ、それは分かっているわ。でも、今日は次の任務について話したいことがあったからあなたの部屋に行ってみたんだけど返事がなかったから探しに来たのよ」
「そ、うか
…
」
スタースクリームは俺を探しにここまで来てくれた。
でもそれは次の任務について話すことがあったからだ。
探しに来てくれたのも、話してくれたのも、やっぱり演習や任務が絡んでいた。
「折角の休みだから外に出たいのも分かるけど、出来るだけ部屋にいてほしいわ。そうでないと急に任務とか入った時に連絡つかなくて困るのよね」
スタースクリームとは演習や任務以外で話したことなんて今まで全くなかったから、どう返して良いのか分からない。
それに俺はある理由で言葉が出にくくなっているから尚更だった。
「わかった、つぎはそうする
…
」
考えることは出来るが全てを話すことが出来ず、やっと絞り出してもこんな答えしか出てこなかった。
「お願いね。じゃあ、ついでだから此処で次の任務のことも話すわ」
スタースクリームは花畑に座って次の任務のことを話し始めた。
でも、スタースクリームが話している内容が入ってこない。
いつもだったら次の演習や任務の話はその演習や任務が終わって互いに部屋に戻る前に話していたのに、今日はいつもと違う。
次の任務の話はいつも基地の中で話していたのに、今日はこんな外で話しているからなのか何だか落ち着かなかった。
「BB、どうしたの?具合でも悪い?」
「あっ、いや、なんでもない
…
」
「そう?じゃあ、続けるわね」
スタースクリームも早く基地に戻って自分の部屋で過ごしたいんだろう。
今日は休みなのに急遽、次の任務の話をしなきゃいけなくなって俺を探してここまで来たんだ。
プライベートを邪魔された気分なんだろうな
…
とは話し方で分かった。
途中、俺のことを心配してくれたみたいだが俺が『何でもない』と答えると、また話を始めた。
「
…
が次の任務だからね。これでこの話はおしまいだけど分かった?」
「
…
ラジャー」
俺が『ラジャー』と言えばその話はもうおしまいだ。
話が終わればスタースクリームは先に基地に戻るだろう。
「分かったわ。じゃあ、ここからはプライベートな話をしようかな」
「へっ
…
?」
話が終わったから基地に戻ると言われると思っていたのに、スタースクリームは帰ることはなくそのまま今度はプライベートな話を始めようとしたから思わず変な声が出た。
「あら、何か問題でも?」
「いや、べつに
…
ない」
「まぁ、良いわ。それじゃあ
…
」
基地には戻らないでそのままいてくれると言っているのに、わざわざ不機嫌にさせることはないだろう。
別にないと返すとまた話し始めた。
「プライベートなこと
…
と言うよりかは、あなたのここ最近のことをちょっと聞きたいなと思ってね。堅苦しい基地よりもこんなに綺麗な所でなら畏まらずに話せるでしょ」
スタースクリームは辺り一面に広がる花を見渡しながら何やら最近の俺のことを聞きたいらしい。
一体、何を聞かれるのだろうか。
何を聞かれるのか緊張して身体が強ばる。
「あなたはきちんと演習も任務もこなしている
…
つもりでいるのでしょうけど、私にはあなたが何かを隠しているように感じるのよね。多分、勘かもしれないけど
…
」
ギクッ
…
その言葉に思いあたることがあって冷や汗が出そうになる。
未だに後ろ手に隠している花を握りしめた。
この花も隠していることには違いないけど、スタースクリームが言いたいのはこのことではない。
「コンビを組んでいても一応、あなたは私の部下になるのよ。だから私はあなたの体調や悩み、心配事も聞かないといけない。もしもそのことが原因で演習や任務で失敗したら私の責任も問われることになるし
…
」
「あ
…
」
デストロン軍でのスタースクリームの肩書は『航空参謀』で、俺は『空爆兵』だ。
それだとコンビを組んでいても確かにスタースクリームは俺の上司になる。
彼は役職、俺は一般兵の位置づけだ。
コンビを組んでいる部下の悩みや心配事を聞くのも上司の勤め
…
と言う所なのか。
「やだ、こんな言い方だとあなたの所為で私の評価が下がる
…
って言っているようなものじゃない!ごめんなさい
…
」
「
………………………
」
こんな言い方をされても俺のことを心配してくれているのは間違いない。
彼をそんなにも心配させてしまうような状態で俺はずっと演習や任務をしていたのかと思うと、それには申し訳ないなと感じた。
「でも、私の勘かもしれないからそんなこと聞けないし
…
って、今言っちゃったけどね。言い方はアレだったけど心配しているのは本当よ!」
任務や演習、デストロン軍全員が集まるミーティングでもいつも冷静なスタースクリームが今はあたふたしながら話すのを初めて見た。
いつもマスクで隠されていて口元は見えないが、目元は焦っている表情を見せていた。
いつもは冷静なスタースクリームが今だけは見せたこの表情がとても可愛いなと思った。
「それでっ、悩みとかあるのっ?ないのっ?」
言葉ではまだ焦っているが、表情は既にいつもの冷静なスタースクリームに戻っていた。
「え、と
…
なやみ
…
と、いうか、なんというか
…
」
悩みの原因が目の前にいるスタースクリームなのだと本人にはとても言えない。
でも折角、聞いてくれているからには何かしら答えないといけない。
なので、俺は先程の花占いで出た結果の例え話をすることにした。
「もし、スタースクリームがはなうらないをやっていたとして、はなびらが『きらい』で、なくなったら、スタースクリームだったら、どうする
…
?」
スタースクリームが花占いをやっていたとする仮定の話をした。
悩みをはぐらかすのもあるが、彼のその答えを聞きたいとも思ったからだ。
俺は何度も花占いをやり続けたけど、結果は全部同じだった。
スタースクリームは俺のことが『嫌い』であろうと言う結果だ。
「
…………………
」
プチッ
スタースクリームも傍に咲いていた花を一輪摘むと、花びらを一枚ずつ取っていった。
好き、嫌い、好き、嫌い
…
。
スタースクリームは何も言わずにただ花びらを一枚ずつ取っていく。
俺は花びらを一枚ずつ取っていくスタースクリームを見ながら声には出さずに好き、嫌いとスパークの中で言った。
「あら、嫌いが出たわ」
スタースクリームも声を出さないでスパークの中で言っていたのだ。
でも、誰に対しての花占いをしたのかは分からない。
スタースクリームは花びらが全て落ち、中心だけになったものを花畑の中に置いた。
「嫌いが出たからって、実際にそのヒトが自分を嫌いかどうかなんて分からないでしょ。やるだけムダって思うけど、その気持ちを本人に言えたら最初から花占いなんかに頼らないわよね
…
」
口元はマスクで隠されているからスタースクリームが今、どんな表情をしているのかは分からない。
先程、見せたあたふたしていたのは目元だけでも分かったが、今は何を思っているのかも分からない。
でも、声は少し寂しそうに聞こえた。
「スタースクリームは、さっき、だれのことをおもって、はなうらないを、やったんだ
…
?」
ブワッ
その答えを聞こうとしたら突然、強い風が俺達の間を吹き抜けた。
花畑に咲いている花びらと、俺が花占いの為に取った沢山の花だったもの、先程、スタースクリームも花占いをした花だったもの全部が風で舞い上がった。
「あっ
…
!」
後ろ手に握って隠していた花びらがなくなってしまったものも俺から離れて、風に飛ばされてしまった。
俺の手にはもう何もない。
ヒラヒラ
…
風が止むと舞い上がった沢山の花びらがゆっくりと落ちてくる。
色とりどりの花びらが俺達の元へと落ちてくるのを見ながら、俺はまたスパークの中で好き、嫌いと唱える。
好き、嫌い、好き、嫌い
…
。
スタースクリームに気づかれないように花占いを始めた。
風で舞い上がった最後の花びらは空へと向けて差し出したスタースクリームの手のひらに落ちた。
「好き
…
ね」
「え
…
?」
自分の手のひらに落ちてきた花びらをスタースクリームは指で摘む。
彼も俺と同じように風で舞い上がった花びらを見ながら、また花占いをしていたんだ。
スタースクリームの答えは『好き』と出たらしい。
それは誰に対しての好き、なのだろうか。
「BB、あなたの答えは?」
指で摘んだ花びらを俺に見せながら聞かれた。
気づかれないようにしたつもりだったが、俺も花占いをしていたのを彼は気づいていたんだ。
スタースクリームの答えは俺の花占いと同じ答えだ。
「すき
…
だ」
「あら、私と同じね。良かったじゃない」
「う、ん
…
」
そう言われて『好き』と出た所で何も変わらない。
どちらにしろ、それが誰に対してのものなのかは分からないからだ。
風が吹く前に出た花占いの答えもまだ聞けていなかったのに、今の答えを聞いても
…
。
スタースクリームが誰のことを思っての答えなのか
…
。
「ねぇ、BB」
呼ばれて顔を上げると、スタースクリームが少し近づいたみたいだ。
先程よりも彼との距離が近い。
マスクで口元は隠れているが、顔の輪郭と目がはっきりと見える位置まで彼が近づいて来たんだ。
「あなた、風が吹く前に言ったじゃない?『私が誰のことを思って花占いをしたのか』って」
「あっ、その
…
」
こんな近距離で話しかけられるのは初めてだった。
いつもなら少し離れて話をするのに、今は間近にスタースクリームがいて物凄く緊張する。
「良いわ。さっきの嫌いと出た答えも、好きと出た答えも誰のことを思ってのだか、教えてあげる」
彼が更に近づいて来ると耳元に自分の顔を寄せた。
サァァ
…
『
…………
』
だが、再び風が吹いてきてスタースクリームが何を囁いたのか全く分からなかった。
先程、花びらを舞い上げた突然吹いた風とは違い、今度のは優しく吹いたのだ。
さ程強くもない風に邪魔されてしまって、スタースクリームは何を言ったのか分からない。
分からないまま、彼は俺の耳元から離れてしまった。
「スタースクリーム。いま、なんて
…
っ?」
「あら。折角、言ってあげたのにまた言わせる気なの?」
「だって、かぜが
…
」
「もう。しょうがないわねぇ
…
」
スタースクリームはまた俺に近づくと先程と同じように耳元で小さく囁いた。
『嫌いも好きも、全部私のことを悩ませる困ったちゃんのことよ』
今度は風に邪魔されなかったから聞けた。
でも、その意味は分からなかった。
「えっと、つまり、その
…
」
「んもうっ。あなたってヒトは鈍いんだからっ!また言わせる気!?」
事情でうまく考えられないのもあって、理解するまでに時間がかかるのは仕方ない。
何だか怒らせてしまったみたいで、聞いても今度は教えてくれなさそうだから自分で考えるしかない。
「
……………………
」
色々考えてみた。
先程、スタースクリームが言ったことを思い出す。
全部、彼を悩ませる困ったちゃん
…
のこと?
嫌いも好きも全部だと。
それはプライベート以外で彼といつも一緒にいる奴のことを言っているのか?
「ッ
…
?!」
スタースクリームと一緒に演習も任務もしているのは、ただ一人だけだ。
「それって
…
!!」
顔を上げるとスタースクリームと目が合う。
俺を見た彼は自分の顔を手で覆ってしまった。
「お、おれの、ことッ
…
!?」
その答えは俺だ。
だとすれば、スタースクリームは俺のことを
…
?!
「スタースクリームっ
…
」
「べ、別に!あんたなんか好きじゃないんだからねッ!!」
「えっ
…
?!」
そのことを聞こうとしたらスタースクリームの話し方が突然、変わった。
先程までは俺のことを『あなた』って呼んでいたのに突然『あんた』に変わったのだ。
それにも驚いたが、一番は俺の勘違いだったのか?
ダメだ、何がなんだか分からない。
「あ、あの、ごめんなさいっ。さっきのは違うのよ。その、いきなり、あなたと目が合ったからつい
…
」
自分の顔を覆っていた手を外したが、顔は上げることなくただ早口で話し出した。
「だ、だって、BBったら考え始めたなって思ったら、いきなり顔を上げてこっちを見たんですものっ。ビックリしちゃっただけなのよっ。あなたったら酷いヒトね
…
!」
「え、あ、すまない
…
」
良く分からないまま俺はスタースクリームに怒られたので、何故か謝った。
『あんた』もあの一度だけで、あとはまた『あなた』に戻っていた。
分かったのは、彼は突然のことだと話し方が変わるらしい。
スタースクリームの新たな一面を知ることが出来た気がした。
顔を下に向けたまま、早口で話すのも可愛いなと思った。
スタースクリームの行動でこれは勘違いじゃないと確信出来た。
「じゃ、じゃあ、おれのこと、す、すきってことで、いいのか
…
?」
「だからっ、さっきからそう言っているじゃないのっ
…
!察しなさいよっ!」
「す、すまない
…
」
まだ顔を下に向けたままスタースクリームは首を縦に振った。
何故だか彼がまた怒っているのは分からないが。
今までやってきた花占いの答えと逆だった方が嬉しくて気にならなかった。
何度も繰り返しやってきて嫌いと出続けていた結果の反対は好き、だ。
スタースクリームは俺のことを、好き
…
と言うことだ。
今日だけで、ここまでスタースクリームと親しく話せるようになるとは思わなかった。
少し経って顔を上げた彼はいつもと変わらない様子で、色々話してくれた。
彼の気持ちが分かっただけでも十分、嬉しかった。
でも、まだまだ知らない彼のことがあるから少しずつだけど、もっと話し合える仲になれたら
…
と思う。
それには俺も、もっと自分のことをスタースクリームに話していかないといけない。
「あら、もうすぐ日が暮れるわね
…
。続きは基地に帰ったらにしましょ」
話に夢中になっていて、いつの間にか夕方になっていた。
昼間は沢山の花が持つそれぞれの色を見られたが、日が暮れて辺り全部オレンジ一色にしか見えなくなっていた。
そんなになるまで俺達はこの花畑で話していたのだ。
それでも俺はまだ話足りなかった。
もっと、自分のことを話したいし、もっとスタースクリームの話も聞きたい。
でも、そろそろ基地に戻らないといけないのだ。
スタースクリームが花畑から立ち上がった。
「飛んで帰るにはちょっと恐いわね
…
歩きながら話さない?」
辺りが大分、暗くなってきた。
飛んで帰るにはもうすぐ此処を出ないといけない。
まだライトを点けなくても飛べる今の離れないと
…
。
俺達は演習を夜にやることもあって慣れてはいるが、暗い中で何かをすると言うのは明るい時よりも神経や気力を使うのだ。
同じことをしても、昼間よりも夜の方が圧倒的に疲れる。
でも、俺はまだスタースクリームと話したかったから、彼が『歩きながら話さないか』と聞いてくれたのが嬉しかった。
「わかった
…
」
基地に帰って互いの部屋の前に着いてしまえば、明日の任務が始まるまでスタースクリームと話すことが出来なくなる。
だから、帰る間にもっと、もっと話しておこう。
俺も花畑から立ち上がった。
「じゃあ、行きましょうか」
「ラジャー」
フワ
…
昼間とは違う冷たい風が花畑に吹いてきた。
日が暮れると風も随分と変わる。
昼間は温かさを持っているのに、日が暮れた今は冷たさを持って吹いてくるのだ。
ヒラ
…
花畑を出て、話しながら隣で歩いているスタースクリームから花びらが一枚、俺の方へと飛んできた。
(これは
…
)
その花びらを取って見たが、もう辺りが暗くなり始めていて何色なのかは分からなかったが、先程、スタースクリームが持っていたものだと思った。
彼は自分が持っていた花びらが飛んでいてしまったことに気づいていないようだった。
俺の手のひらに落ちたその花びらを離さないように、ぎゅっと握った。
「BB、どうかしたの?」
「いや、なんでもない
…
」
「そう。じゃあ、さっきの続きなんだけどね
…
」
辺りがすっかり真っ暗になってしまったが、それでも話は止まらない。
目のライトを点けて、暗い夜道を話しながら二人で歩けば恐くなく、楽しめた。
話が尽きなくて少し遠回りをして、ゆっくりと、俺よりも小さいスタースクリームの歩く速さに合わせながら帰った。
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