破壊
2024-03-04 16:59:12
1983文字
Public 伏せ
 

片鱗:感想


大体あっていたな、私の予想と。やっぱりジキルとハイドじゃねえか!でもまさか生かされる事になるとは思わなかった、簡単にロストさせてもらえるものだとばかり。私は一体いつになったらロストを体験出来るんだ?

開始前に書いた伏せを消すので一部整理として記載。

ジキルとハイドでのハイドは当時のロンドンが織りなすところの"純然たる悪"だったけど、ハイド自身は厄災のようなものではなく、強く生を求め愛した単純にして純粋なものだったように思う。
片鱗での殺人鬼も、ほいちが受けた虐待により剥離した精神が生み出した"己を守る理想の存在"だとして、その辺の表裏を上手くやれたらいいな。ほいちの身勝手さという醜悪な部分を殺人鬼であるほにが全て引き受けたい。

ピレニーズという白くて大きな犬を飼って、その毛に埋れて眠りたかったんだねえ。俺がなってやるよ。お前が望んだ白くて大きな犬のように、お前が泣くなら頬を舐めて慰めてやる。
やっぱチャラさというか、純粋で単純で無邪気で愛の強い、トンボの羽を毟ったりカエルに爆竹を突っ込んだりするような、そういう善意と悪意と好奇心と自分のものに対する執着で動く男として行動する事になりそうだな。

第一前提としてほいちの事を凡ゆるものから守りたいと思っているので鳴上慈雨の事を"愛している"事は確かなんだよね。『この子を守りたいから殺す』だけじゃ、なんとなくこの殺人鬼のイメージには沿わないかも。善悪を理解しているのか自身の事をどう思っているのかによって変わるからな。殺して解決させる事が"愛"だと考えているのかどうか、その辺も難しい。
献身的なのも合わないし、1番は鳴上慈雨の感情も今後の人生も全て捨て置いて、突発的で衝動的で子供じみた"ぬいぐるみを思いきり抱き締める"ような感じがいいかも。



まあまあ自分が想像していた通りに動けてはいたかな、何を考えてるか分からない異常者に適性がありすぎる。にゃあと鳴く犬。にゃあと鳴いているときは大体はぐらかしてるか適当に返事してるか揶揄ってる時です。真面目に不真面目をやっていました。
私はこの役職を最初から精神の分離体として考えていて、ほにはその事に確証は無いけど所々で若干「あれえ?」とか「変だにゃあ」とは思っていて、それを黙りながら中盤まで動かしていたから更に考えが掴めなくて恐かったのかな。こんなのを見たとかこう思ってるとかっていう情報共有を一切しなかったので。まあいいか、犬だし。

動かしている間のイメージとしては、慈雨ちゃんへの愛情表現が"犬"で、慈雨ちゃんが欲しがっていた存在への意識。無邪気さだったり無責任さだったり、自分の行動への意識の無さは生まれたての自我という事で"小学生レベルの子供"。慈雨ちゃんに優しく論すところは慈雨ちゃんが唯一心を許している"お兄ちゃん"。
我儘で意地っ張りで強情で、負けたくない意志を曲げたくないってところは"慈雨ちゃんらしさ"かな。この歳になるまで、こんな存在を生み出しちゃうくらい我慢してしまう強い子ですから。最後に泣き落としするくらいだもんな、慈雨。わたあめという個体の意識は小学生レベルの子供の部分だと思う。犬もそうかな、微妙かも。


箱を使うか使わないか口論、わたあめは半ば意地だったな。部屋で姿見を見たところや水溜りでの事、感じる視線、ゲームセンターでの声と本。自分は慈雨ちゃんを守る為に生まれたんだという存在意義。
自分を好いてくれたのは凄く嬉しかっただろうけど、わたあめという慈雨ちゃんの乱暴な潜在意識に愛着が湧いて離れがたくなるのは慈雨ちゃん自身にもよくないし、自分の存在で危険な目に遭うなら宿主を守るという自己の存在意義が狂うわけで。矛盾が生じてたんだよな、わたあめの中では。難しい事は考えたくない、苦しい。だから早く自分を開放して欲しかった。途中で自分を縛り付ける慈雨ちゃん自身に若干の苛立ちも覚えたけど、そう思ってる事自体が自己の確立ではあるな。

慈雨ちゃんの中から出て、自分だけの肉体を得て精神が分断された今、わたあめは正真正銘慈雨ちゃんから解放された自由な大きい白い犬ってわけか。どこにでも行けちゃうね。縛り付けるものが何もなくなった元殺人鬼、慈雨ちゃんの善性に全てがかかっていると言っても過言ではない。0歳児だぞ、育児頑張ってくれ。お前が引き留めたんだからな。

手を握って門をくぐったのはわたあめだし、慈雨ちゃんのものじゃなくなったって宣言もした。慈雨ちゃんを放ってどこにでも行けちゃうって言った。でも最後に「首輪が必要かもにゃあ」つって一緒にいる事を望んだのもわたあめだ。「置いて行かれたくないよ」って言葉に折れちゃったから。読み返すと、泣けない!?わたあめがいないとダメダメなんだにゃあ~慈雨ちゃんは。