破壊
2024-03-04 15:22:03
2096文字
Public 伏せ
 

海枯れ:探索者について


キャラシ引用:
〔天道島という離島で生まれ、少々世間知らずな面もあるが両親に見守られのびのびと健康的に育った。泳ぎが得意で、よく海に入り魚や貝を獲ってくる。海に流れてくるゴミを拾う事も日課としている。他者からの視線や評価を気にせず、自分のしたい事をしたいようにする自分勝手な面がある。父親のタンクトップを私物化したり水着のまま出歩いたりと身形を気にしない。髪は母親に切ってもらっている。大人しく穏やかな性格ではあるが、好奇心旺盛で島にいる動物を追いかけて怪我をして帰ってくる事も少なくない。バーベキューが好き。〕

義務教育を受けておらず、離島という事で同年代の子供達と関わる機会も少なく顔見知りの島の住人の事しか知らない為、基本的に自由気儘、素直。他人の悪意や痛みや苦しさといったものもあまり理解していない。危機感や警戒心も無い。


島の外への興味はそこまでなかった。ジンゴから「島の外に出よう」と言われ、好奇心と、ちょっと探検するだけで帰りたかったら直ぐに帰れるから、といった軽い気持ちで「いいよ」と答えた。その時点ではずっと島の外にいる気はなかった。
ジンゴからの好意も特に何も感じ取っておらず、年の近い仲の良い男の子というだけで親しみはあったがそれ以上は無い。島のみんなの事がリーヤは好きだった。それでも恐らくジンゴと一緒に島の外に出たとして、ずっとここで一緒にいて欲しいと言われたら承諾はすると思う。求められると叶えたくなってしまう子供なので。

お父さんの事は本当に好きだし、お母さんの事も本当のお母さんじゃないと知っても大好きだし、島のみんなの事が好きだし大切だしこの島が大好きだった。出来ればずっとこのまま優しい世界で暮らすのが利耶にとっての幸せだったと思う。それでも1度みんなが死んでいた事やこの島の事を全部忘れて生活したあの時間を思うとショックで全部元通りにはならないなと感じたんだと思う。もう一緒には暮らせない。だからほいちについて行った。
コウちゃんが島を見捨てて地上に帰る事もリーヤは素直に認めてた。ただ、そうするのならせめて生きていて欲しかった。この島と自分を捨てて行くのに地上で死ぬなんて意味が解らない、どうせ死ぬなら島に残っても同じだろう。どうせ捨てる命なんだったらリーヤにくれてもいいじゃないか。だからずっと駄々を捏ねて堂々巡りを繰り返してたんだよね。

お母さんの呼び声は深々と利耶の胸に突き刺さっている。ジンゴの事も、島のみんなの事も、お父さんの事も。
ほいちがいれば元に戻せる、じゃあ戻したい。その気持ちも本当だけど、でも全部が元通りじゃない。忘れてなければ確実にどんな手を使ってでもほいちをこの島に押し留めていただろうけど、1度忘れた事の重みはやっぱりある。忘れてさえいなければ別のエンドだったんだろうな。


お母さんの「あなたの事を一生許すことはできない、でもこれからもずっと愛しているわ」の台詞、本当に泣いちゃって。家族愛ってものに弱いんですよね、両親からの愛を感じるとマジで号泣してしまう。今思い出しても泣ける。利耶もずっと泣いてると思う、逃げてる間も泳いでる間も地上に出て声を聴いたときもずっと。ずっと泣いてるし、「リーヤもお母さんの事ずっと愛してるよ」って言葉は思いを全部吐き出すように叫んだ。これが親元を離れるって事なワケ。

これはその後の話だけど、現実の世界はやっぱり騒がしくてお母さんの言った通り寂しくて苦しくて息苦しい。あの島しか知らない利耶にとっては凄いギャップで帰りたいなって思う事も多々ある。ほいちが実家に預けようとしても傍を離れないだろうし、頼れる人間がコウちゃんしかいないからほいちのマンションに住み着くよ。大きくなっても都会に馴染めず、そのうちもっと静かな場所で暮らそうよって駄々捏ねるかもしれない。海の綺麗な島とか。
ほいちが死のうとしたら利耶も一緒に行くよ。一緒に海に帰ろうって、あの夜みたいに大はしゃぎで駆け出して。


手紙内容:
こうちゃんへ

目の前にいる人に手紙を書くのって恥ずかしいね。でも、りーやこういうの好きだよ。

こうちゃんが砂浜で落ちているのを見たとき、凄くきれいな人だなあって思ったの。
海辺に立つこうちゃんを見てね、きれいだなあって。りーや、夢でね、人魚に会ったんだ。でもきっと人魚じゃなくて、こうちゃんだったんだって思った。
これって運命かも!って思ったんだよ。

こうちゃんの腕がね、傷ついてるの見ちゃった。
凄く痛そう。痛くないのかな。きっと痛いよね。
こうちゃんがつらいなら、りーや、帰らなくていいのにって思う。島のみんなもいて欲しいって思ってるよ。伝承とかわかんないけど、ジンゴも怒ってるけど、りーやはこうちゃんに一緒にいて欲しいな。
でも帰りたいなら、また遊びに来て。
ううん、今度はりーやがそっちに遊びに行く!ジンゴがね、連れてってくれるって言ってたんだ。どっちでもいいや。りーやはどこにでも行けるから!

それじゃあね 明日もまた海で遊ぼうね

りーやより