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雨月 ひより
2024-03-03 22:55:03
2474文字
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その後、すべき事
Twitter(X)のハッシュタグ『#怒らないから正直にどんな小説を書いて欲しいか言ってごらんなさい 』でリクエスト(っぽい)頂いた『両手の話……(スマブラ)←マスクレ』のお話。
擬人化描写を含みます。
「終わったな」
「あぁ」
我等は、我等の邪魔をしてきたキーラとダーズを遂に倒した。
これはファイター達にも成し得なかったことだ。
いや、したくとも彼等には出来なかったのだ。
キーラとダーズに囚われ、再びフィギュアにされてしまったのだ。
しかしこれでもう彼等を縛る者達は消え、自由だ。
間もなくフィギュアにされた呪いも解けるだろう。
奴等の周りを浮遊していたファイター達のフィギュアは地に向かい静かに降りて来る。
それと反するようにキーラとダーズはそれぞれ空へと消えていく。
キーラは無数の光となり散っていき、ダーズは火の粉のように散っていった。
まるで最初からそこには何も無かったかのようだ。
キーラとダーズは跡形もなく消えていった。
二人が消えていくと最終決戦の地の太陽はゆっくりと昇っていく。
「お前のおかげだ。クレイジーハンド」
私だけでは奴等を倒すことは出来なかった。
クレイジーハンドがいたから成し遂げられたのだ。
「何だよ!そんな風に言われたら照れるじゃねーか!」
昇り出た朝日の所為もあるかもしれないがクレイジーハンドは顔を真っ赤にして外方を向いてしまった。
奴の薄薔薇色の長い髪が朝の風に靡いている。
もう少し戦いの余韻に浸りたい所だが、キーラとダーズを倒したあとにまだしなければならないことがあった。
キーラが創り出した光の世界、ダーズが創り出した闇の世界、キーラとダーズ二人が創り出したこの空間、全てを破壊しなければならない。
三つの世界は私が望んだ世界ではなく、奴等が勝手に創り出した世界だ。
世界を支配する者が消えた今、存在するべきではないと私は思う。
このまま存在していても支配する者がいなくなった世界は必ず荒廃していく運命だからだ。
今は美しくとも少しずつ荒れていき、やがては見るに堪えなくなるだろう。
そして、間もなくフィギュアの呪いが解けるファイター達を元の世界に戻してやる必要もある。
私が創り出したスマブラには彼等を招いたが、この世界には巻き込んでしまったのだ。
元々この世界と彼等には何も関係ない。
私がキーラに操られなければこんなことにはならなかった。
創造主とあろう者が突如現れた得体の知れない奴に操られようとは、何とも情けない。
「
……………
」
隣りにいるクレイジーハンドはまだ朝日を見たままだ。
奴は私と対なる者として現れた。
私が創造主であるなら奴はその真逆の破壊神だ。
全てを破壊し、無にする。
そして私がまた世界を創り出す。
それを何度繰り返してきたことだろう。
「クレイジーハンド」
「ん?何だ?」
私が奴を呼ぶと顔だけを此方に向けて返事をする。
「これから、この世界
…
いや、光の世界も闇の世界も壊さなければならない。お前にも手伝ってほしい」
実の所、私には破壊する力はない。
創造主
…
なのだから当然だが創り出す力しか持っていない。
全てを破壊するにはクレイジーハンドの力が必要だ。
人に物事を頼む態度ではないと自分でも分かっているが、どうしてもこんな言い方になってしまう。
「いいぜ!どうせ暇だし、手伝ってやるよ!」
歯を見せて笑いながら、あっさりと了承してくれた。
奴の良い所は、私のこんな性格もさも気にしないで接してくれる柔軟さだろう。
今までも特に反論されたこともなく、私が言ったことを即、実行してくれる。
時々、ブツブツ呟くことはあるが、それでも文句一つ言わずにやってくれた。
だからこそ、つい甘えてしまうのだ。
「感謝する
…
」
たった一言『ありがとう』と言えば済むものを敢えてくどくしてしまうのが私の悪い所だな。
『今、言うべきはその言葉じゃないだろう』と頭の中では分かっていても口から出てくるのは思っていたこととは違うものだった。
「んー!!」
奴は突然、頭上に両腕を伸ばす。
身体が凝ってしまって解しているようだ。
奴が身体を動かす度に揺れる大きな胸はどうにかならないものか
…
。
キーラとダーズと戦う上で必要だったから我等も一部のファイター達同様にヒト型になったが、あの胸の大きさは奴の趣味なのだろうか
…
。
戦うのに邪魔ではなかろうか
…
と違う心配もしていた。
結果として、奴等を倒せたから問題はなかったが。
胸のことを言うと奴は不機嫌になるからこの辺で終いにしておこう。
そして身体解しの邪魔になる為、私はクレイジーハンドから少し離れた。
「さてと。じゃあ、早速壊しに行こうぜ!」
身体を解し終わると再び此方を向き歩いて来た。
「では、宜しく頼む」
「おう!任せときな!」
クレイジーハンドはキーラとダーズとの戦いを始める時にも見せた笑顔をまた見せる。
この笑顔のおかげで私は不安を拭えたし、心強かったことか。
良く見ると奴は可愛らしい顔をしているのだな。
今まで共に過ごして来たが新たな対なる者の発見である。
「何してんだよ!マスターハンド!早く行こうぜ!」
「あぁ。今、行く」
いつの間にかクレイジーハンドは私の先を歩いていた。
奴を追いかけ、追いつくと今度は隣で歩いていく。
「世界を壊す前に、ファイター達の解放だ。そして元の世界に戻してやらねば」
三つの世界を壊す前にすることはフィギュアになってしまったファイター達の解放して彼等を元の世界に戻してやることだ。
でなければ何も始まらない。
「おっけー!了解!」
これからすることを楽しんでいるのか発せられる言葉も弾んでいるように聞こえる。
フワ
…
キーラとダーズの手から離れ地に舞い降りたフィギュア達を再び空へと舞い上がらせる。
ファイター達は沢山いて、とても二人で全ては抱え切れない為、空に舞い上がらせた方が楽だからだ。
全てのファイター達のフィギュアを周りに漂わせ共に揃えた純白のマフラーを靡かせながら我等は最終決戦の地をあとにした。
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